命の砦 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前作を読んだ際、「是非続編が読みたい」と感じ、書店へ足を運ぶ度に文庫化されていないか注視していた作品。 本編は三話構成であり、第一話では肝臓内科医の視点、第二話では外科医の視点、そして第三話では前作の主人公でもあった消化器内科医の視点で物語が綴られる。 我々人間は、職業人として社会的な立場に身を置くと、どうにも「その職業をしている自分」のフィルターを通して物事にあたるようで、それは職務中であれば至極当然であり、職務以外であってもなお適用されやすい。そんな日常の中で、学校生活で教わってきたはずの「人間としてどうするべきか、どうあるべきか」のフィルターは、時に内包され重要視されにくい。本作はこのことを伝えてくれるようである。 前提として、我々人間はまず人間なのだから。職業や立場などから生じる制限は多いが、原点に立ち返り、世界に生きる1人の人間として、周囲に誠実でありたいと思う。
Posted by
タイトルが変わっていたので新刊かと思ったら「レッドゾーン」の文庫版だった…読み始めてすぐ既視感があったのも納得。せっかくなので全部読んだ。コロナ禍突入から5年近く経った今、改めて当時のことを思い出せてよかったと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あの頃のことを思い出しながら読み進めたけど、辛かった...。確かに人の善意の限界を初めて見た時期だったように思う。 未知の病に命をかけて挑むって生半可な気持ちでは出来ないことなのに、その覚悟を決める間もなく患者は増えていく一方で毎日を乗り切るしかなくて。 エッセンシャルワーカーの人たちに感謝なんて当たり前も当たり前で、感謝という言葉で片付けるのも烏滸がましいような、形容できないもどかしさみたいなものが心に残った。 でも人間の記憶なんて曖昧なものだから、時間と共にあの頃の感情も経験も記憶も薄れていってしまう。本という形で残してくれてありがとう、と伝えたい。
Posted by
コロナ感染が始まった直後の地方都市の病院を舞台に、そこでコロナに向き合った医師たちの姿を描く。著者自身が医師であり、この時期コロナ対応をした経験に基づいた事実に近い小説である。 あの頃から4年が過ぎようとしているが、振り返ってみると「ああ、そんなことあったなあ」という遥か過去の出...
コロナ感染が始まった直後の地方都市の病院を舞台に、そこでコロナに向き合った医師たちの姿を描く。著者自身が医師であり、この時期コロナ対応をした経験に基づいた事実に近い小説である。 あの頃から4年が過ぎようとしているが、振り返ってみると「ああ、そんなことあったなあ」という遥か過去の出来事と感じる。私たち、医療従事者ではない者たちにとって、当時実際に対応していた医療関係者の使命感、恐怖感はこの小説を通じてしか知ることができないと思う。 あの体験を風化させないためにも、この小説の意義は大きい。 著者のあとがきが胸に沁みた。
Posted by
友人が送ってくれた文庫 とてもリアルできつかった つい絵本に手がいき 遅くなってしまった 『コロナ禍の最前線に立つ現役医師(作家)が 自らの経験をもとに綴った、勇気と希望の物語。』 あの現場(私は全く知らないけれど)に身を置かれた 医療者に改めて感謝を すごい世の中だったね...
友人が送ってくれた文庫 とてもリアルできつかった つい絵本に手がいき 遅くなってしまった 『コロナ禍の最前線に立つ現役医師(作家)が 自らの経験をもとに綴った、勇気と希望の物語。』 あの現場(私は全く知らないけれど)に身を置かれた 医療者に改めて感謝を すごい世の中だったね 過去のものにしていいのかどうか…… コロナに感染したけれど、初期の頃のような恐怖はなかった いろんな方の努力のお陰で ≪ 病む人を 断ることは できないと ≫
Posted by
コロナ禍の、初めの頃のお話。 正体が見えない恐怖、先の見えない不安に包まれたあの時の空気感を思い出しました。 物語という形で書き残してくださったことをありがたく感じた物語でした。
Posted by
最前線で戦ってくださった方に感謝しかない。 忘れかけていたあの時をまだリアルに思い出せる今だからこそ この2冊は今読んで良かった 誠実さとユーモアを忘れずに生きていきたい
Posted by
あれほどコロナで大変だったのに、もう記憶から薄れてしまっています…というか、自分は、どちらかというと忘れたい気持ちがあるのだと思います。 なので、夏川草介さんは大好きな作家さんなのですが、正直読むのをためらう気持ちもあり、読みはじめても、最初はなかなか先に進みませんでした。 でも...
あれほどコロナで大変だったのに、もう記憶から薄れてしまっています…というか、自分は、どちらかというと忘れたい気持ちがあるのだと思います。 なので、夏川草介さんは大好きな作家さんなのですが、正直読むのをためらう気持ちもあり、読みはじめても、最初はなかなか先に進みませんでした。 でも、読んで良かった! 敷島医師の誠実さに救われました。 出来る限り誠実に生きなきゃ、とシニア世代の自分も思いました。 むしろシニア世代が手本となれてないのが問題と思ったりして…
Posted by
各章ごと視点となる人物が変わるから 同じ状況下でもそれぞれの環境と本音があって フィクションだけどリアルだった。 未曾有の事態、普通でない。 正しいことも正解もわからない。手探りでやるしかない。 そういう時こそ最善を目指して尽くせるか。 人間として当たり前で大切なことを忘れずに...
各章ごと視点となる人物が変わるから 同じ状況下でもそれぞれの環境と本音があって フィクションだけどリアルだった。 未曾有の事態、普通でない。 正しいことも正解もわからない。手探りでやるしかない。 そういう時こそ最善を目指して尽くせるか。 人間として当たり前で大切なことを忘れずにいられるか。 『病気で苦しむ人々がいたとき、我々が手を差し伸べるのは、医師だからではありません。人間だからです。』 いいタイミングで読めたし大切にして また読み返したい1冊になった。
Posted by
4年前のコロナ禍を思い出させる内容でした。 今振り返ると本当にあの時代を生きていたのか? と自分に問いただしたくなるほど、記憶が薄れている。 ただ現実に起こった事柄であり、あの出来事は将来に渡って伝えていく必要があると改めて感じた。 ※夏川草介さんの小説は、人の心を奮わせる力があ...
4年前のコロナ禍を思い出させる内容でした。 今振り返ると本当にあの時代を生きていたのか? と自分に問いただしたくなるほど、記憶が薄れている。 ただ現実に起こった事柄であり、あの出来事は将来に渡って伝えていく必要があると改めて感じた。 ※夏川草介さんの小説は、人の心を奮わせる力があり読み終えた後は、誠実に毎日を生きていこう。と思わせてくれる私の人生に必要な物語です。
Posted by
- 1
- 2