日本ファッションの一五〇年 の商品レビュー
消費について研究している人から「ファッション消費の50年史とこれから」というテーマでお話を聞いたことがあります。その際も単なる流行の変遷ということに留まらず、日本人にとって「洋服を買う」という行為がどんな意味を持つのかを深く考えさせられました。本書はそのタイムスパンを3倍にして1...
消費について研究している人から「ファッション消費の50年史とこれから」というテーマでお話を聞いたことがあります。その際も単なる流行の変遷ということに留まらず、日本人にとって「洋服を買う」という行為がどんな意味を持つのかを深く考えさせられました。本書はそのタイムスパンを3倍にして150年、日本人がいかに「洋服」に出会ったか?それをどうやって取り入れていったか?というこれまたわかっているようでまるっきりわかっていなかった歴史でした。150年からの連想でいうと2023年が鉄道、新聞、小学校が日本で始まって150周年だった、ということで、洋服も明治という時代に導入されたインフラみたいなものだったのか?と感じました。ただ今までの着物に突然置換されるものではなく、じわじわと取り入れられていく様はインフラというより、やはり文化だったのかもしれません。勝手な妄想…縄文時代と弥生時代の間に教科書の年表では斜め線を入れますが、実は着物が洋服になるみたいなじわじわとした移行期があったのだと思います。その浸透の時間を経て今や洋服の「洋」にはなんの意味もなくなっています。そこで著者は「ファッション」という言葉を使っていますが、逆にそこに適切に当てはまる日本語訳がない、ぐらい当たり前のものになっています。前述した50年史でも本書でも最後がSHEINの話になっているのが印象的でした。著者の「東大ファッション論集中講義」も読まないと、って気持ちになりました。
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01438944
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明治時代の大礼服、大正時代のモボ・モガ、昭和戦時期の国民服・モンペを経て、戦後、みゆき族や竹の子族、ボディコン、コギャルなどさまざまな流行が生まれた。日本のファッションが独自の文化に発展した軌跡をたどる。(e-hon)
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文化史好きとしてこういうタイトルの本は食指が動きます。結構ボリュームのある本なので、読み通すことが出来ず積ん読してしまうかもなとチラリと雑念が浮かんだのですが、買っておいて良かった、そんな読書でした。 本書の狙いは、日本が西洋のファッションを洋服として取り入れるにはどのよう...
文化史好きとしてこういうタイトルの本は食指が動きます。結構ボリュームのある本なので、読み通すことが出来ず積ん読してしまうかもなとチラリと雑念が浮かんだのですが、買っておいて良かった、そんな読書でした。 本書の狙いは、日本が西洋のファッションを洋服として取り入れるにはどのような問題や理由があり、それらがどのように解決・克服され、日本独特のファッション文化を形成・発展させるにいたったのかを書くことだそうです。 日本人が近代以降に洋服をどのように受け入れていったかというところから話は始まります。標題の「一五〇年」というのは、明治から始まっての一五〇年です。 ところで、近代の精神とはなんでしょうか。それが「新しいもの」を貪欲に取り入れようとする態度であるとするならば、服の場合においても、「流行がある」ということを打ち出していくことにあるでしょう。 著者はそのように話を展開します。「ファッション」の語源と意味変遷についても書かれていますが、ファッションが「流行」と同義になったのは、まさに近代一八世紀以降だそうです。流行に敏感な日本人が洋服を取り入れた理由がしっかりと納得できました。 また、日本独特のファッション文化の形成と発展の箇所については、ファッションの画像検索やデザイナーの詳細検索などの読中体験も楽しく、さまざまな洋服を眺めたり、たくさんのデザイナーの経歴を調べる過程が、自分がウインドウショッピングをして、オシャレに敏感になるような感覚の読書タイムでした。 ファッションの発展の西洋と日本の違いについては、社会革命後の市民らの発展に対して、新政府の国家的プロジェクトによる推進が日本の特徴であると読みました。ここでもやはり日本の流行がお上からの「オススメ」だった経緯はなるほどでした。 しかし、その後のデザイナーのファッション牽引を考えると、日本ファッションは面白い変遷をたどったと思います。 森英恵さん、コシノジュンコさん、菊池武夫さん、山本寛斎さん、山本耀司さん、三宅一生さんなどの錚々たるデザイナーたちの話も書かれていて、ワクワクとしました。 2010年代に入り、時代は所有から共有へ、出来事から体験へと移行され、SNSなどの発展で世界がデジタル化によって接続される感覚になりますが、今後日本のファッションは世界でどのように受け入れられて発展していくのか、日本発のファッションブランドは生き残れるのか、継承されるのかなど関心がわいてきています。 例えば、中国発の「Y2Kファッション」の「SHEIN」が、日本のリバイバルであるならば、日本のファッションの一部はすでに復活しているということですが、あまりにもブームの流れが速すぎないかなと思ったりします。加速しているような・・・。 私としては、大正あたりから流行した「銘仙」ファッションを海外に打ち出していってみては?と思ったりします。既にされていそうですが。 ファッションについて、ここまで楽しく読ませてもらえるとは思わなかったので、平芳さんの話題の新書、『東大ファッション論集中講義』(ちくまプリマー新書)も読もうと思いました。
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面白かった!大正時代から現代まで男女問わず日本における服飾史が扱われていて、それでいてとてもわかりやすかった。特に和服〜洋服が取り入れられる歴史の変遷が大変面白かった。ぜひ他の本も読みたい。
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タイトルの通り西洋にならい洋服を明治に取り入れt日本のファッションの変遷をたどる1冊 著者の平芳氏はファンションのほんだと女性の変化ばかりになっているとあとがきで書いている そのためかこの本は男性の装いの変化についてもかなりの割合をもって取り上げている 洋装への変化は女性よりも男...
タイトルの通り西洋にならい洋服を明治に取り入れt日本のファッションの変遷をたどる1冊 著者の平芳氏はファンションのほんだと女性の変化ばかりになっているとあとがきで書いている そのためかこの本は男性の装いの変化についてもかなりの割合をもって取り上げている 洋装への変化は女性よりも男性のほうが早かったとか、国民服は民主主義によってもたらされたものではなく、どちらかと言えば真逆の全体主義的かつ国粋主義離縁に基づく衣服であり、男性は国家を支える人的資源で戦闘可能な身体として機会系かつ均質的に扱われることになったとか 女性の国民服は見た目がよくないためか定着せず。女性は白いエプロンやモンペなどを着ていたなど ファッションの本だと戦時中はごっそりと抜けていることが多い。戦前と戦後でくっきりとわけられている そのことについても平芳氏は言及しており、だからこそそれなりの量を割いて書かれている おもしろかったのは国民服は明らかに洋服の手軽さ、活動しやすさを取り入れているのにそれを認めることはできないため、平安よりも前の古代回帰にかこつけたということだった その古代もいまの中国からの影響を色濃く受けれいるために別に日本の伝統などではないという点では洋服とたいして変わらないという指摘については、あまりにも日本っぽい現象で苦笑した
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