小鳥とリムジン の商品レビュー
母の家を出て、重病の人の介護をする女性。大切な人の死と新しい出会いを静かに描く。 良かった。ネタバレしてはいけないけれど、恋愛小説と言ってよいと思う。人を好きになるとはどういうことなのか教えてくれる。
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主人公の人生は、壮絶そのもの。 性被害に母親からの精神的な虐待、友人の死に介護問題。これだけの過去を背負いながら生きる主人公。 設定だけ聞くと、重く暗い話になってしまいそいだけど、彼との出会いで恋をしていく主人公の様子を描いたこの本は表紙のようなほんのり優しい印象を纏わせた作品で...
主人公の人生は、壮絶そのもの。 性被害に母親からの精神的な虐待、友人の死に介護問題。これだけの過去を背負いながら生きる主人公。 設定だけ聞くと、重く暗い話になってしまいそいだけど、彼との出会いで恋をしていく主人公の様子を描いたこの本は表紙のようなほんのり優しい印象を纏わせた作品でした。 ただ、壮絶な過去を持っている設定にしては、精神的葛藤だったりがあまり見えず(そんなことない設定だったと思うけど)過去として消化し切ってるようにも見え、ちょっとだけ中途半端な印象でした。 ただ、やっぱり小川糸さんの文章の優しさは大好きだなぁ。
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小鳥の人生の描写が壮絶。 こんなにつらい経験をした人には幸せになってほしいと思うけど、リムジンとの出会いからの展開の早さにはちょっとついていけない感じがした。 唯一無二の存在と出会えたからだろうけど、そんなに簡単かな??と冷めた目でみてしまう。 食堂かたつむり、ライオンのおやつが...
小鳥の人生の描写が壮絶。 こんなにつらい経験をした人には幸せになってほしいと思うけど、リムジンとの出会いからの展開の早さにはちょっとついていけない感じがした。 唯一無二の存在と出会えたからだろうけど、そんなに簡単かな??と冷めた目でみてしまう。 食堂かたつむり、ライオンのおやつが大好きな作品なので、ちょっと期待しすぎたかも。
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誰にも言えない、魂が殺されるのが性被害。しかしこの作品を読んで、誰にも言えない悩みに寄り添われ救われた人も多いのではないか。生きることは愛すること。そんな愛をみんなが感じられる社会になりますように。本当にこの作品は読んでる途中は辛いけど、後からじわじわと幸せに包まれていく。
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性暴力、自殺、トランスジェンダー、介護。社会問題になっているものを題材に取り上げた一作。重いテーマの中重くなりすぎないように希望を先にチラつかせておいての物語りを進行させていくのは、流石だと思った。ただあまりに詰め込み過ぎたことでリムジンと小鳥の関係の展開が早くなってしまってこち...
性暴力、自殺、トランスジェンダー、介護。社会問題になっているものを題材に取り上げた一作。重いテーマの中重くなりすぎないように希望を先にチラつかせておいての物語りを進行させていくのは、流石だと思った。ただあまりに詰め込み過ぎたことでリムジンと小鳥の関係の展開が早くなってしまってこちらに感情が気薄になってしまった。 さらにお弁当で癒しを作っているが、性的な話題の中に食べ物に対する食欲なんて湧かない。リムジンの性格が小鳥に都合良すぎるので違和感。今回は素直に面白くなかった。
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読書記録84. 小鳥とリムジン 小鳥という名の女性と理夢人という名の男性の物語 生と性 母と娘 生と食 凹と凸 欲と愛 前半の 読むのも辛くなるような 小鳥の子供時代 友達の境遇 施設での悍ましい体験 性の描かれ方にちょっと食傷気味 コジマさんとの時間を経て 後半の理夢...
読書記録84. 小鳥とリムジン 小鳥という名の女性と理夢人という名の男性の物語 生と性 母と娘 生と食 凹と凸 欲と愛 前半の 読むのも辛くなるような 小鳥の子供時代 友達の境遇 施設での悍ましい体験 性の描かれ方にちょっと食傷気味 コジマさんとの時間を経て 後半の理夢人リムジンとのパート 過去があったからこそリムジンとの時間の素晴らしさが描かれている 痛みがあったからこそ再生できる、本物の愛がわかる とはいえ、振れ幅が広く 食堂を営むリムジンの食べ物に関する場面も 食べることは生きる事が伝わるのはよいのだが あまり印象に残らない 全体的には鎌倉の鳩子ちゃん的イメージで脳内再生 ほのぼのした表紙と後半のイメージはぴったりだけれど、前半の印象がキツめで印象が強すぎる感あり もちろん様々な読み取り方があるとは思うが、それならば前半だけの物語の方が自分的には好みだったかもしれない 小鳥の母親の背景や、友達美船の「それ」以外の部分も描かれていたら読んでみたいと思う サンサーラはあの歌が脳内ループ
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愛することは、生きること。 自分の人生がどうでもよくなるくらい辛くて酷いことをされて、親も親友も離れてしまう絶望感。 そんな小鳥がリムジンと出会って、美味しいご飯や愛の形を吸収して克服していく姿に私も救われた。 小川糸さんのところどころの言葉や言い回しが今回もグッときました。 リ...
愛することは、生きること。 自分の人生がどうでもよくなるくらい辛くて酷いことをされて、親も親友も離れてしまう絶望感。 そんな小鳥がリムジンと出会って、美味しいご飯や愛の形を吸収して克服していく姿に私も救われた。 小川糸さんのところどころの言葉や言い回しが今回もグッときました。 リムジンに対してちょっとスピリチュアルだって声も聞くけど、死んでしまっても光となって私たちの近くにいるし、生まれ変わって魂レベルが上がっていくっていう考え、私には腑に落ちて心が救われました。 死の先に希望があるなら怖くないしその為に思う存分生きていける。 性暴力や養護施設、ジェンダーや自殺など社会問題に着目していて、なにより性教育についてしっかり向き合っている。 凹凸と表現しているところも可愛らしい。 世界よ!愛のある凹凸を! 世界よ!美味しいご飯で虫養いを!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小川糸さんの作品はどれも自分でも引くほど泣くんだけど、これは電車の中とか人前で読んだからか泣かずに最後まで読み切ることができた。 読み終わって、物語を反芻して…そしたら涙が溢れてきて結局わんわん泣いてる。 リムジンが優しい人で良かった、小鳥ちゃんが救われて良かった、 でもきっと小鳥ちゃんが歩んできた地獄のような人生の中で、どれか一つでも欠けていたらきっとリムジンには会えなかった。 凹凸意識しすぎじゃない?とは思ったけど、小鳥ちゃんが過去に囚われることなく前を見て生きていくのにはそれはとても大事なことだった。 余談だけど、読んでいる時にふと耳にした安田レイの『やさしい気持ち』がこの物語にどハマりして さらに二人の世界に引き込まれた。 もし、もしこのレビューを目にした方がいたらぜひ聞いてみてほしい! 今、辛い思いをしている人 皆幸せになれますように。なんて大きく祈りたくなってしまうようなお話だった。
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爽やかなタイトルとは裏腹に、内容はなかなかに凄絶な作品である。 15歳のとき、身勝手な母親の元を自らの意志で去り、児童養護施設で過ごした小鳥が主人公だ。18歳で施設を出なければならず進路で悩んでいたとき、実の父親だと名乗るコジマさんに介護を頼まれる。生きづらさを抱え、最低の自己肯...
爽やかなタイトルとは裏腹に、内容はなかなかに凄絶な作品である。 15歳のとき、身勝手な母親の元を自らの意志で去り、児童養護施設で過ごした小鳥が主人公だ。18歳で施設を出なければならず進路で悩んでいたとき、実の父親だと名乗るコジマさんに介護を頼まれる。生きづらさを抱え、最低の自己肯定感に苦しむ小鳥が、再生していく姿を描く。 前半は読み進めるのが苦しいほどつらい内容だが、後半はちょっと呆れるくらいアゲアゲで、その落差に引いた。
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Amazonの紹介より 『食堂かたつむり』――「食べることは、生きること」 『ライオンのおやつ』――「死にむかうことは、生きること」 小川糸が描き出す、3つめの「生」の物語 「愛することは、生きること」 傷口に、おいしいものがしみていく 苦しい環境にあり、人を信頼することをあきら...
Amazonの紹介より 『食堂かたつむり』――「食べることは、生きること」 『ライオンのおやつ』――「死にむかうことは、生きること」 小川糸が描き出す、3つめの「生」の物語 「愛することは、生きること」 傷口に、おいしいものがしみていく 苦しい環境にあり、人を信頼することをあきらめ、 自分の人生すらもあきらめていた主人公が、かけがえのない人たちと出逢うことで自らの心と体を取り戻していく。 主人公の小鳥のささやかな楽しみは、仕事の帰り道に灯りのともったお弁当屋さんから漂うおいしそうなにおいをかぐこと。 人と接することが得意ではない小鳥は、心惹かれつつも長らくお店のドアを開けられずにいた。 十年ほど前、家族に恵まれず、生きる術も住む場所もなかった18歳の小鳥に、病を得た自身の介護を仕事として依頼してきたのは、小鳥の父親だというコジマさんだった。 病によって衰え、コミュニケーションが難しくなっていくのと反比例するように、少しずつ心が通いあうようにもなっていたが、ある日出勤すると、コジマさんは眠るように亡くなっていた。 その帰り、小鳥は初めてお弁当屋さんのドアを開ける―― 序盤から、なかなかのハードな設定が印象的でした。ろくでもない母親から家出をしたり、父親かもしれない人を10年以上介護したりと、読んでいて、ここまで壮絶な人生を歩むとは胸が痛かったです。 状況としては、大変さが窺えるのですが、小川さんの文章になると、オブラートに包まれているかのような優しい言葉選びが印象的で、そこまで心を抉られることはありませんでした。 なんで、こんな人生を歩んでしまったのか?自分だったら自問自答してしまいそうで、心が病んでしまうかもしれません。 それでも、小鳥はコジマを看取るまで、介護し続けます。 小説のメインとなる部分は、ここからかなと思いました。 コジマを失くし、どう生きていけばいいのか。その後、弁当屋のリムジンと会うことで、道が開かれていきます。 時折、コジマとの思い出や小鳥がどんな人生を歩んできたのか、その軌跡も描かれています。中学生での親友との思い出もなかなかのハードな思い出で、胸が痛かったです。 普通に生きていることが、どんなに凄いことか、痛感させられました。 ここまで書くと、コジマとの思い出は辛い思い出に捉えてしまうかもしれませんが、そういったことはなく、かといって凄い良い思い出といったわけではなく、あくまでも「仕事」として働いている印象がありました。 亡くなったことを機に開放されるものの、ぽっかりと空いた心の隙間を、弁当屋さんによって潤っていくのですが、その過程が、読者にとっても、心が温かくなりました。 美味しいごはんやリムジンの優しさが、小川さんの言葉選びや表現によって、癒されました。 リムジンの軌跡も描かれているのですが、こちらも壮絶な人生だったのですが、小鳥と出会うことで、人生が変わっていきます。 最終的には、求めあう関係性になっていくのですが、その表現はダイレクトにエロい表現を使わずに間接的な表現で文章に現れているので、全体的にポワーンとした不思議な空気感がありました。 ここまで壮絶な人生を歩んできたと思うと、これからの人生、良い人生を歩んでほしいなと思いました。 過去作品では、食べることや死に向き合うことは生きることと表現されていました。 この作品でも、その要素が盛り込まれていて、読了後、じわじわと「生きること」の素晴らしさや辛さなど、奥深さを感じました。
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