大使とその妻(上) の商品レビュー
薄い布を一枚一枚剥ぐように貴子の真実が明らかになっていく ケヴィンと同じくわたしも次々に訪れる驚きにただ茫然とするばかり。 冒頭で夫妻との別れが描かれているので、これからさらに何があきらかになって何が起こるのか、怖いような気持ちで下巻に、、、
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たとえば、嵐が丘のような、 たとえば、源氏物語のような、 そういう例え、そぐわないかもしれないけれど、深淵で高貴で雅で、しかも海外も感じられ軽井沢の風も感じられるような。 「下」にまた感想を書き綴ります。
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ああ、水村美苗さんの新作小説を読めた! その喜びに、読む前から感涙、 そして上巻を読み終えた今は、感動の涙。 初代ブクログでは、おそらく好きな作家欄に 水村美苗さんの名前を出していたはず。 『本格小説』がとにかく大好き! それから、辻邦生さんとの往復書簡『手紙、栞を添えて』...
ああ、水村美苗さんの新作小説を読めた! その喜びに、読む前から感涙、 そして上巻を読み終えた今は、感動の涙。 初代ブクログでは、おそらく好きな作家欄に 水村美苗さんの名前を出していたはず。 『本格小説』がとにかく大好き! それから、辻邦生さんとの往復書簡『手紙、栞を添えて』は、一つ一つ確認するように、 横書きの『私小説』は違和感を抱きつつも、必死に、読んだ。 水村さんの知的で聡明な、そして近代日本と西洋が入り交じる あの世界が大好きだったのだ。 でも、あまりにも前作『新聞小説 母の遺産』から間が開きすぎた。 そして、残念なことに、どうもあの小説が好きになれず。 いつしか、水村さんは、小説をもうお書きにならないかも・・・などと思い込んで 時だけが流れていた。 そうしたら、思いがけず、新作がやってきたとな♫ ばんざ~~~い 即、図書館に予約。すぐに借りられてラッキ~ でも、これは、自分の手元に置いて、ずっと読み続けたい本。 週末には本屋さんへGO! ・・・肝心の小説。 読売新聞で水村さんはおっしゃった。 「アメリカ人の男性の目で文化人類学的に日本を見たい気持ちがあった」 大使とその妻、つまり周一と貴子夫妻と親しくなるケヴィンの手記の形で 小説は進む。夫妻との出会いと別れ・・・ 上巻ラストでは、貴子の秘密が明かされ、驚愕する・・・ 一方で、ケヴイン同様、ああ、そうだったのかと、腑に落ちる。 まさにわたしはケヴィンを通して二人を見ていたわけだね! 「読売」では「日本語だから可能な表現とか、書き言葉の面白みを 継承して後につなげたい」とも、おっしゃる。 なるほど!ああ、本当によくわかる! 読んでいて、ふと、中里恒子『時雨の記』が蘇ってくるのは その「書き言葉の面白み」のせいだろうか。 あのときと同じように、本作も大事に大事に文字を追っている。 一つ一つをきちんと味わうことができる文章だ。 下巻も、大事に読みたい。 一気読みしてしまいそうだけれどねw
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