評伝 伊那食品工業株式会社 塚越寛 の商品レビュー
幼少期の苦労された経験が、困った人に寄り添える、本質的な優しさを持つ経営者として、唯一無二の会社を創りあげたということ。 会社はどうあるべきか、また会社に対してどんな働きができているのか。自分自身を見つめ直す良いきっかけをもらえた。 人として、どうありたいのか。 どんな人生にし...
幼少期の苦労された経験が、困った人に寄り添える、本質的な優しさを持つ経営者として、唯一無二の会社を創りあげたということ。 会社はどうあるべきか、また会社に対してどんな働きができているのか。自分自身を見つめ直す良いきっかけをもらえた。 人として、どうありたいのか。 どんな人生にしたいのか。 そのためには1日1日をどう過ごすのか。 周りの人に対してどんな振る舞いができるのか。 毎日の中で考えながら人間力を高めていきたい。
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『評伝 塚越寛』 斉藤 仁 著 2009年にNHK番組に登場して、「こんな凄い人がいるのか」と心酔。以来、著作はすべて読み、(本書のエピローグにある福島から来たご婦人同様)本社まで車を飛ばすほど私淑している塚越寛氏。これまでの著書で概要は知っていましたが、本書は「私の履歴書」的で一連の流れを整理することができました。 2009年の放映当時、塚越社長の伊那食品工業は、「寒天」の単一商品のみ(長野では「かんてんぱぱ」で有名)。「社員の幸せ」を第一に考えてリストラはせず、年功序列の報酬体系で毎年2%の定昇しながらも、43期連続増収増益。「いい会社をつくりましょう」を合言葉に『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司 著)にも掲載。このような内容でした。 その後、どんな環境でも少しずつ成長を図る「年輪経営」を掲げ、トヨタ・豊田章男氏をして「経営の師」と言わしめ、多くの上場企業幹部や日銀・黒田前総裁までもが伊那市の工場を訪れるまでに至っています。 経営環境悪化の際に、定昇1%を進言する幹部に対し、「人件費を削る経営なら誰でもできる。経理上は経費でも、人件費は目的である」と一喝。何より社員の幸福を追い求め、そのための手段として利益を創出。「利益はウンチ」のようなものであり、健康ないい会社(体)をつくれば、いやでも利益(ウンチ)は出るもので、利益(ウンチ)が目的ではないと語ります。 上場企業ではないからできるとも言えますが、企業のマネジメントに関わる方には、是非手に取って欲しい1冊です。 PS 2019年に「トヨタイムズ」が掲載した塚越氏のインタビュー内容を引用。“人への思いやりを優しさと言うんですよ。「にんべんに憂う」って書く。だから優しいという字は、思いやりのことなんです。「人を憂うことに秀でた人」って書くと、「優秀」っていう字になる。これは偶然じゃない。やっぱり昔の人は考えている。思いやりの優れた人が優秀なんです。知識がある、計算が早い、そういうことじゃない。思いやりにもいろいろあって、同僚、部下、上司、会社、社会に対する思いやり。そういう思いやりをきちんと持っている会社が優秀な会社なんだと思います。字は哲学を教えてくれる。”
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