僕たちの保存 の商品レビュー
アナログ世代にはわかりずらいかも知れない内容だけれど、長嶋有先生の芯は私もやっぱり同じなのかも!と思わずにいられない。 あらゆる場面での言葉の選び方、感情表現の仕方が丁寧でこちらも丁寧に読み込んでしまう。連作短編集なのかも、という形を取ってはいるけれど全て繋がっていることに意味...
アナログ世代にはわかりずらいかも知れない内容だけれど、長嶋有先生の芯は私もやっぱり同じなのかも!と思わずにいられない。 あらゆる場面での言葉の選び方、感情表現の仕方が丁寧でこちらも丁寧に読み込んでしまう。連作短編集なのかも、という形を取ってはいるけれど全て繋がっていることに意味があり、登場人物たちも笑っちゃうほどイキイキしている。うっかりそこいらへんですれ違ったらわからないけど、彼らの会話を聞いたりしたら十年来の友人を装って声かけてしまいそう。 専門用語わからないにしても、雰囲気だけはわかったつもりになって相槌打つ自分が見える気がする。笑われそうだけど。 毎回、新刊のたびにベクトルの向き方が一緒と考えているけれどおこがましいにも程がありますが、楽しみにしていた新刊、またじっくり眺め回してます。
Posted by
読み始めはサクサク読めるライトノベルのような印象だったが、「パソコンをやる」のくだりから、俄然面白みが増してきたように思われた。中心人物の中年男性のモノローグは、著者の鋭敏な知覚と観察眼を感じさせ、彼の表現のユニークさとユーモラスな側面を際立たせる。変哲のない日常の流れの中に、と...
読み始めはサクサク読めるライトノベルのような印象だったが、「パソコンをやる」のくだりから、俄然面白みが増してきたように思われた。中心人物の中年男性のモノローグは、著者の鋭敏な知覚と観察眼を感じさせ、彼の表現のユニークさとユーモラスな側面を際立たせる。変哲のない日常の流れの中に、ところどころに突然挿入される現代社会の断片も強い印象を残す。平成から令和にわたる男性達のそれぞれの心象風景を、クリシェに陥らず巧みに描き出した作品だなと思う。
Posted by
時代の流れを感じる。それほど生きてきたということね。これからもますます発展していくんだろうな、技術が。
Posted by
大人のロードノベル。 懐かしい、と何度感じただろう。 ゆったりとした流れのなかで、やんわりと進んで行く…トゲトゲしさがまったく無い、ただただ過去と現在を繋いでいくと言ったらいいのか。 ちょっとした旅とでもいうのか、いわないのか… とにかく移動が車・「そこにある場所」新幹線・...
大人のロードノベル。 懐かしい、と何度感じただろう。 ゆったりとした流れのなかで、やんわりと進んで行く…トゲトゲしさがまったく無い、ただただ過去と現在を繋いでいくと言ったらいいのか。 ちょっとした旅とでもいうのか、いわないのか… とにかく移動が車・「そこにある場所」新幹線・「運ばれる思惟」バス・「シーケンシャル」自転車「ゴーイースト車「ぼくたちの保存」といろいろな乗り物を利用して、物を運ぶ=思い出を運ぶのである。 その思い出にさまざま感情がくっついてくる。 それもいい味となっていて、自分の過去の記憶も蘇ってきた。
Posted by
【メモリ16KBの青春がよみがえる。サブカル満載、大人のロードノベル】震災被害者の形見のMSXパソコンが過去と現在をつなぎ、思いもよらぬ光が未来を照らす。史上最短のロードノベル、大人の青春小説。
Posted by
- 1
- 2