死体で遊ぶな 大人たち の商品レビュー
様々な死体が出てくるミステリー。 最終話まで読んで連作だと分かった。 そうか、この人はあの人たちなんだ、と気づいた箇所が一番面白かった。
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4つの短編集であるが、最後にはこういう繋がりがあったのかと…。 変な、とても変わったと思しき死体が出てくるのだが、悍ましさを感じるよりも何故こんなことに…という興味の方が強くなってくる。 全く想像できなかったミステリだった。 「本格・オブ・ザ・リビングデッド」 夏の山荘で起き...
4つの短編集であるが、最後にはこういう繋がりがあったのかと…。 変な、とても変わったと思しき死体が出てくるのだが、悍ましさを感じるよりも何故こんなことに…という興味の方が強くなってくる。 全く想像できなかったミステリだった。 「本格・オブ・ザ・リビングデッド」 夏の山荘で起きた惨劇は、ゾンビの仕業か⁈ ボサボサ頭の種子島が推理する。 「三人の戸惑う犯人候補者たち」 人を殺したかもしれない…と相談に来たサラリーマンは。 坊主頭の若き修行僧の万念が推理する。 「それを情死と呼ぶべきか」 密室心中だったのか⁈時間差のある理由の謎。 ミュージシャンのタクトが推理する。 「死体で遊ぶな大人たち」 腕だけすげ替えられた死体は何故? バックパッカーの髭男・久我山が推理する。 久我山の正体は、とにかく呼び名がいくつもあったってことで種子島出身で大学は哲学科で東洋哲学にかぶれた挙げ句、仏教に傾倒して寺に入門し見習いにそのときの法名が万念で、そのうち木魚と読経のリズムで音楽性に目覚め、ストリートミュージシャンに転向し芸名がタクト、今は音楽活動から足を洗って久我山の無愛想と呼ばれつつ、放浪の度に出たりしている。 しかし彼は変な死体によく遭遇するなぁと。 そして見事に解決に導いている。 この飄々とした語り口も嫌味がなく納得できる。 一風変わったミステリに遊ばされた。
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連作短篇4篇 死体はで始まるそれぞれの章の冒頭が揃っていたが、最後に探偵役の正体が分かってあぁ連作短篇だったと気づいた次第。スイカといい、死体の使い回しといい特に最後の棺繋がりの謎解きは面白かった。
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ゾンビものは映画も小説も好きでつい手に取ってしまう。 しかし、期待していたゾンビの話は最初の短編のみだった。もっとゾンビをくれ…。 全体的に死体が出てきて、その死体の謎を探る構成になっており、毎回私には考えつかない結末が示されて驚いた。 ゾンビが出てくる短編では、典型的なゾンビの紹介がなされるところがまた良い。そうだよね、ゾンビは脳を撃ち抜くと良いんだよね、あと、そんなに知能は高くはないんだよね…等と自分の好むゾンビ像を確認。 容赦なくゾンビに噛み殺されていく登場人物たちの描写にテンションが上がっていく。誰が生き残るんだろうと考える。 しかし、話は別の方向へ進んでいく。誰が気に食わない先輩を殺害したのか、状況的にはゾンビは殺害できそうにないが、凶器も見当たらない中、見事、犯人が言い当てられるシーンは壮観。 ゾンビに食い殺されて死ぬなんて嫌過ぎるな。犯人はどれだけ被害者に恨みを持っていたのかと思った。 表題作では、腕がすげ替えられた死体の謎が解かれる。これもまた考えもつかない結末で、圧倒された。女性の胴体はどこに行った?とばかり考えていても、道理で仕様がなかったものだ。ただの猟奇的殺人かと思った。(まあ、腕を切断してすげ替えるんだから、普通とは程遠いけれど。) こうやって死体の謎が解かれるたびにほう…と感心していた割に評価が普通なのは、謎を解く万念というキャラクターが些か苦手だからだ。どうにも回りくどさを感じてしまった。
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全編不可解な死体が絡んだ事件を解決していく本格ミステリーで、不謹慎かつ罰当たりの連続だけど極めて論理的に浮かび上がった謎を解く場面が印象的で面白かった。また全編を通じて施されたある仕掛けには心底驚き、良い読者サービスだった。
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「死体は〇〇に倒れていた」で始まる4話収録の短編集。もう1話目の2ページ目から面白いのよ…。本家はハマれなかったけど、100ページの中で存分にオマージュを感じる面白さだった。4話それぞれ特殊な状況で発見される死体たち。まさにタイトル回収。なぜそんな状況なのかをロジカルに推理すると...
「死体は〇〇に倒れていた」で始まる4話収録の短編集。もう1話目の2ページ目から面白いのよ…。本家はハマれなかったけど、100ページの中で存分にオマージュを感じる面白さだった。4話それぞれ特殊な状況で発見される死体たち。まさにタイトル回収。なぜそんな状況なのかをロジカルに推理すると自ずと見えてくる真相、そして繋がる真犯人。どれも死体で遊び過ぎな作品だったけどやっぱり倉知淳好きだー!ラストの仕掛けは意外だったけど無事を確認出来て良かった。どれも良かったけど1番は『本格・オブ・ザ・リビングデッド』かな。
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書き下ろしの「死体で遊ぶな大人たち」を読むことで完成する作品!一気読みした方が読後感が良いかも。謎具合については好みが分かれそうだけど、構成が面白くてわたしには新鮮でした!
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「死体」が謎解きのテーマになっている、不謹慎極まりない本格ミステリー短編集 #死体で遊ぶな大人たち ■きっと読みたくなるレビュー 装画が怖い。目が怖いのよ、目が… こっち見ないで! でもインパクトは抜群ですよね、内容もなかなか強烈な作品ですよ。 本書のタイトル通り、全編にわた...
「死体」が謎解きのテーマになっている、不謹慎極まりない本格ミステリー短編集 #死体で遊ぶな大人たち ■きっと読みたくなるレビュー 装画が怖い。目が怖いのよ、目が… こっち見ないで! でもインパクトは抜群ですよね、内容もなかなか強烈な作品ですよ。 本書のタイトル通り、全編にわたって「死体」が謎解きのポイントになっている本格ミステリー作品集です。さすがは倉知先生の作品で、トリックへの並々ならぬ拘り思い入れが見られてファンとしては嬉しいかぎり。 いわゆる謎解き本格ミステリーなんですが、どの作品もキャラやストーリーが様々でバラエティに富んでいて飽きることがありません。しかも変な事件ばっかりで最高なの。まさにタイトル通りで不謹慎極まりない、でも遊び力が凝縮された作品でした。 ●本格・オブ・ザ・リビングデッド タイトルでどんな話か想像できそうなお話。大学生たちが避暑地で閉じ込めるようなことが起こってしまい、本格ミステリーらしい事件が発生する。 短編だけどキャラと設定が丁寧で読み応えアリ。仮にこのトリックを思いついたとして、書ききるところが素晴らしい。 ●三人の戸惑う犯人候補者たち 役所の隅にある犯罪行為をしてしまった人むけの相談所。三名の男が次々やってきて、人を殺害してしまったかもしれないと告白し… たしかに不思議な現象、どうしてこうなったのか? ほぼ会話と回想だけで進むのに、気になって読み進めちゃう。推理フェーズでの探偵役と受け役の謎解きの会話も面白いし、手がかりと想像力にしっかりやられました。 ●それを情死と呼ぶべきか 犯罪実録動画配信で40年前の未解決事件に挑む、引退した新聞記者がかつての心中事件を回想し… ひとつの物語として丁寧に作られていて、情緒的な作品。トリックとしては想像はつくんですが、解法の説明も分かりやすくてイイ! ●死体で遊ぶな大人たち 仕事帰りにバーで吞んでいると、同席した客たちの会話が聞こえてくる。山中の河原で死体が発見されたのだが、その死体は不可解にも両腕だけ切断され、別人のものになっていた… これは目から鱗、謎解きの本質を味わえる作品ですね。なぜバーでの会話形式というストーリー仕立てになっているのか違和感を感じていたのですが、なるほど… そういうことですか。 ■ぜっさん推しポイント 先生の作品は、いつもミステリーの楽しみ方が分かりやすい作りになっているんですよね。切り口やテーマは奇抜なんだけど、読み口としてはライトで、謎解きもこねくり回してないから理解しやすいんです。だからと言って低密度ではなく、しっかりと中級者以上の方にも読む値打ちのある作品になってるんすよ。 親しみやすい本格ミステリーをお求めなら、この一冊からトライするのもおすすめですよ。
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倉知淳デビュー30周年記念作品。変死体を題材とする4本のミステリー短編集。第1話がいきなり「某ベストセラー小説と設定が類似しているが、きちんと作者から許可を貰いました」という但し書きから始まるのだが、確かにあの小説と状況設定は瓜二つwパロディが企画趣旨なのかと思ったらそういうわけ...
倉知淳デビュー30周年記念作品。変死体を題材とする4本のミステリー短編集。第1話がいきなり「某ベストセラー小説と設定が類似しているが、きちんと作者から許可を貰いました」という但し書きから始まるのだが、確かにあの小説と状況設定は瓜二つwパロディが企画趣旨なのかと思ったらそういうわけではなく残り3編は完全オリジナル。とにかく伏線が読者にフェアに提示されていて、真相を説明する推理も実にロジカルなのが気持ちいい。ただ、やはり最大のインパクトは最後から2ページ目。というかそこに全部持ってかれるw
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不可思議な死体に関する4編のミステリー。 タイトルの通り、死体で遊びすぎじゃね? と思うほどに、変な死体があなたを襲う かもしれない作品です。 初手の前置き後、秒で爆笑しそうになりましたが、提示される謎、いや死体も本格的で、死体で遊びまくっている割には、本気の謎...
不可思議な死体に関する4編のミステリー。 タイトルの通り、死体で遊びすぎじゃね? と思うほどに、変な死体があなたを襲う かもしれない作品です。 初手の前置き後、秒で爆笑しそうになりましたが、提示される謎、いや死体も本格的で、死体で遊びまくっている割には、本気の謎解きを提示してくるアンバランスさが面白かったです。 また、探偵役の登場人物はほぼ伝聞だけで謎を解くという安楽椅子ぶりの推理を披露してきて、それが気持ち良いなと感じました。 結構、いろいろなミステリーを読んできたと思っていた私ですが、読んでいる途中のコミカルで不思議なこの感じはもしかすると初めての感覚かもしれません。 もちろん良い意味で。 そして、読んでいる途中、きっとあなたはこう思うでしょう。 「死体で遊びすぎやろ!(笑)」 と。 不謹慎かもしれませんが、本作品はきっとその不謹慎な謎解きを楽しむものなんじゃないか?と思っています。
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