春のほとりで の商品レビュー
おもしろかったーーー! 途中から、お、これ同じ学校のひとたちなんだね、と知って、最終的に、この人がえーー!あの人で、えーー!!! と、まるで過去その人達とわたしがクラスメイトだったかのように、知ってる!あの人が今こうなったの?そんでそことここが繋がってるの?! という驚きも、...
おもしろかったーーー! 途中から、お、これ同じ学校のひとたちなんだね、と知って、最終的に、この人がえーー!あの人で、えーー!!! と、まるで過去その人達とわたしがクラスメイトだったかのように、知ってる!あの人が今こうなったの?そんでそことここが繋がってるの?! という驚きも、ものすごく嬉しく楽しい感動の要因になりました。 高校生のお話だけど、大人になった今のわたしでも、懐かしいなあ、こんなだったなぁ、とかじゃなくて、結局人ってそんな変わらないんだよなぁ、と思いながら、それでも年月が経つことで色々なことを寛容にみられるようになることもたくさんあるよなぁと思いました。 わたしも見切れてる登場人物Fくらいだったとは思うけど、だけどどの人もこうやってその人が主軸になれば誰もが主役になれるわけで、誰の人生も本人が主役でそこには絶対に魅力的な物語が存在するよなー、って思い、それをたくさんの人物を通じて描ける君嶋さんは素晴らしいなぁと思いました。 君嶋彼方さんは、女性が読んでても、女性の心理をナチュラルに描けるのがいつもすごいなぁと思います。 しかもJK笑 わたし的に赤彦くんの表面的なところがすんごい嫌いなんだけど、内側にあるものはやっぱり嫌な奴でも素敵で、そう思わせてくれるところが、君嶋彼方さんの優しいところな気がします。 でも、赤彦くんみたいに嫌でムカつくところってわたしにもあるしなーとか。 あと最初の話の秋津くんだけは嫌いです。笑 君嶋彼方さんの小説大好きです! 短編も面白かった!だけど、全体を通せば長編とも言えるところが、ニクいなぁ。 すっごくおもしろかったです!
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高校生の決して広いとは言えない世界を少しでも広げよう、抜け出そうとするそれぞれの登場人物たちの痛みがとてもリアルに伝わってくる。クラスメイトや友達、将来のことに悩み何かを変えたいと思いながらもうまくいかないもどかしさや苦しさがどの物語の中にあって、今この瞬間を生きてる人たちの姿が...
高校生の決して広いとは言えない世界を少しでも広げよう、抜け出そうとするそれぞれの登場人物たちの痛みがとてもリアルに伝わってくる。クラスメイトや友達、将来のことに悩み何かを変えたいと思いながらもうまくいかないもどかしさや苦しさがどの物語の中にあって、今この瞬間を生きてる人たちの姿がある。ラストの一編がそれまで感じてきたものを包んでくれるようなものがあって連作としての連なりが見事な着地をしていると思う。著者の四作目だけど今作がベスト。
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予想はしていたけれど、見事な伏線?回収だった。 現代は人とのつながりは薄いと言われているけど、高校生の時くらい人と接してこんな葛藤を味わってもいいのではと思う。
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「10代のあなたに会いに行こう」の言葉に誘われて手に取ってみた。 残念ながら…10代の私には会えなかった。 だって、みんなスマホも普通に持ってるし。 描かれている時代が、ごく最近のことのように思えた。 20代位の方がしっくりくる物語かも。 でも、クラスでマウント取り合うこと...
「10代のあなたに会いに行こう」の言葉に誘われて手に取ってみた。 残念ながら…10代の私には会えなかった。 だって、みんなスマホも普通に持ってるし。 描かれている時代が、ごく最近のことのように思えた。 20代位の方がしっくりくる物語かも。 でも、クラスでマウント取り合うこと、すぐに恋愛ネタに絡めてくることなどなど、いつの時代も同じようなことが繰り広げられているんだなぁと、ちょっと懐かしくなった。 ラストの繋がり方は予想通りで、スッキリ!
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Amazonの紹介より 十代のあなたに会いにいこう。 声を殺して泣いた日も、無理して笑ったあの日も。 ぐっと押し込めた心の痛みを、君嶋彼方は掬いとる。 学校の片隅で紡がれる、青とも春とも限らない日々を描いた連作短編集。 ■収録作品 走れ茜色 「俺と同じ人を好きな君。だからこの嘘...
Amazonの紹介より 十代のあなたに会いにいこう。 声を殺して泣いた日も、無理して笑ったあの日も。 ぐっと押し込めた心の痛みを、君嶋彼方は掬いとる。 学校の片隅で紡がれる、青とも春とも限らない日々を描いた連作短編集。 ■収録作品 走れ茜色 「俺と同じ人を好きな君。だからこの嘘は、絶対に隠し通す」 樫と黄金桃 「小学生時代の忘れたい過去。あの子だけがそれを知っている」 灰が灰に 「屋上で出会った不良。ある日、彼に屋上に呼び出されーー」 レッドシンドローム 「偶然見つけてしまった親友の裏アカ。一体どうしてこんなこと」 真白のまぼろし 「初めて漫画を描いていると話せた友達。一緒に描こうと決めたのに」 青とは限らない 「唯一心を許せる男友達。男女の友情って成立しないの?」 今迄の君嶋作品では、男女入れ替わりや時間を止めたり、恋人がアロマンティック・アセクシャルだったりとちょっと特殊な設定だけれども、登場人物達の心理描写が繊細で、この状況にどう対処していくのか、どこかリアルさが際立っていました。 今回の作品は、より現実的で、高校生達が初めての体験をすることで垣間見る心のモヤモヤ感や爆発といった感情の剥き出しが表現されていて、大人とは違った初々しさがありました。 出来事としては、2人が同じ人を好きになったことや友人がエロ垢を持っていたこと、高校生同士の口喧嘩など高校生としては、刺激的なことが登場します。大人になれば心の制限が発動して、なかなか思うように伝えず、控えめになってしまうところを、高校生たちは思うがままに行動していきます。 その表現は、どこかアオハルな風を感じさせてくれます。大人になったからこそ、大人では経験することのない「初めて」が新鮮に感じ、どこか懐かしくも感じました。 決してそれは楽しいことだけでなく、ビターな部分や切ない部分もあるのですが、それも含めて青春だなと思いました。 今迄の君嶋作品を読んできた分、この作品はより現実的だけれども、若者らしさの心の揺れ動きも丁寧に表現されていて、個人的には一番好きかなと思いました。 比較的明るい話題が登場するわけではなく、嫉妬といった怒りが沸々と感情剥き出しで湧いてくるのですが、その先に見えてくるのは、達成感や後悔、ちょっとの幸せといった、一言では表しづらい色んな感情が表現されていました。そこにはどこか爽快感が入り混じっていて、アオハルな印象を受けました。 大人では味わえない色んな感情が詰まった作品でした。
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推し作家さんの1人である君嶋さんの良さが詰まったような素敵な青春作品だったと思います。最近、仕事で荒んでいた私の心にもすっと沁み入るような、嫌味がなく、そしてしつこくない、良い塩梅の青春加減でした。 本作は、ある高校を舞台にした6篇からなる短編集。同じ人を好きになってしまった2...
推し作家さんの1人である君嶋さんの良さが詰まったような素敵な青春作品だったと思います。最近、仕事で荒んでいた私の心にもすっと沁み入るような、嫌味がなく、そしてしつこくない、良い塩梅の青春加減でした。 本作は、ある高校を舞台にした6篇からなる短編集。同じ人を好きになってしまった2人の関係性を描く「走れ茜色」。小学校の時の旧友と再会し、過去の秘密がバラされることに怯える主人公を描く「樫と黄金桃」。ある不良と、クラスで酷い扱いを受ける主人公との交流を描く「灰が灰に」。クラスの友達のとんでもない裏アカを見つけてしまう「レッドシンドローム」。初めて漫画を描いていると打ち明けた友達との関係を描く「真白のまぼろし」。男友達との友情を描く「青とは限らない」。 まず、若い作家さんということもあって、学校の描写がすごく現代に近いうえ、価値観も現代の若者っぽい感じが、作品にリアリティを生み出しているように感じました。そして現代の若者の繊細な心理描写という点では君嶋さんは素晴らしかったと思います。 君嶋さんは、過去作で男女の入れ替わりや、アロマンティックアセクシャルを見事に書き上げた丁寧な筆致ということもあり、それが複雑化する現代の若者の繊細な心情を描くのに上手くマッチしていると個人的には感じました。 これまでの作品ももちろん好きなのですが、個人的には今作が1番好きかもしれないです。住野よるさんとか好きな人は本作はたまらないのかなと思いました。
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