学力は「ごめんなさい」にあらわれる の商品レビュー
国語科教育の専門家(私立小学校教師)による「子どもの成長における言語教育」入門。中高生の読み手がターゲットのレーベルだが、帯文には「頭の良さってこういうことか! ”できる子”はココが違う!」「勉強以前に身につけたい"ことば"の基礎」とあり、中高生が自分の言葉の...
国語科教育の専門家(私立小学校教師)による「子どもの成長における言語教育」入門。中高生の読み手がターゲットのレーベルだが、帯文には「頭の良さってこういうことか! ”できる子”はココが違う!」「勉強以前に身につけたい"ことば"の基礎」とあり、中高生が自分の言葉の感覚や能力をふりかえり見直すという読み方ももちろんできるが、むしろ親になったばかりの(またはこれから親になる)大人が読むことを想定している雰囲気。 「日々のことばのやりとりが、すべての学びを支えています」という筆者の考えには同意するが、内容は期待していたものとはずいぶん違って肩すかしだったというのが正直な感想。子どもの学力(思考力)を育てるには親の言葉のかけかたや聞きかたがたしかに重要だけれど、認知科学や言語発達、発達心理の知見を踏まえた有効なアドバイスにはなっていないと感じられ、全体的にちょっと底が浅い気がしてしまった。 追記:その後出た今井むつみ「学力喪失」(岩波新書)を読み、自分が期待していたのは認知科学のデータに基づいて「学力」「知識」の見方をアップデートするそちらだったのだとわかった。
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何気なく発してる言葉の意味、本質、人が使う同じ言葉とのズレ。相手意識をもったり、多面的に見ようとしたりできるよつに、大人が示していかないといけない。
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やさしい言葉で書かれているけれど、言わんとしていることは、深い。言葉というのはとても便利なツールで、千年、二千年前の人の言葉を知ることができるし、逆に未来に向けて残すことができる。だけれどもひとつひとつの言葉を吟味してみれば、それをどういう意味で使っているか、には時代時代の価値観...
やさしい言葉で書かれているけれど、言わんとしていることは、深い。言葉というのはとても便利なツールで、千年、二千年前の人の言葉を知ることができるし、逆に未来に向けて残すことができる。だけれどもひとつひとつの言葉を吟味してみれば、それをどういう意味で使っているか、には時代時代の価値観を頭に入れなければならないでしょう。こういう差異は何も過去や未来とのやり取りばかり生じるわけではなく、同時代の家族や友人との間にも生じうる。考えること、問うことをやめない事、の大切さを説いている、と自分は本書を読み解きましたが、さて、ほかの見方はあるのかな?と問い続けましょうか。
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