その朝は、あっさりと の商品レビュー
介護する人達のそれぞれの想いがうまく書かれていて小説の良さが際立っていた。 ノンフィクションだとこうはいかない。
Posted by
認知症が進む96歳の父親を85歳の母親がみている。 2人の娘も介護を手伝う。 介護の大変さを書く著書はたくさん読んできた。 でも、本作はカラッとしていて苦しさがない。 介護の大変さは変わりはないのだが 一茶の句と合わせて読むとほっとする。 章の始まりは父親の言葉。 頭の中が曖...
認知症が進む96歳の父親を85歳の母親がみている。 2人の娘も介護を手伝う。 介護の大変さを書く著書はたくさん読んできた。 でも、本作はカラッとしていて苦しさがない。 介護の大変さは変わりはないのだが 一茶の句と合わせて読むとほっとする。 章の始まりは父親の言葉。 頭の中が曖昧になり、不安が過ぎる場面は ちょっと悲しくて寂しくなる。 全体的に明るくて、嫌味のない文体。 おすすめしたくなる。
Posted by
一茶の俳句。いい具合に効いてる。先生のような老人にはなりたくないが、こればかりは本人の意思では…。それでも家族に看取られ、羨ましい限りの“あっさり”とした最期。「早くくたばれと思っているのに、志麻の行為はすべて一日でも長く生き延びるためにいいことばかり」という奥さんに「ありがとう...
一茶の俳句。いい具合に効いてる。先生のような老人にはなりたくないが、こればかりは本人の意思では…。それでも家族に看取られ、羨ましい限りの“あっさり”とした最期。「早くくたばれと思っているのに、志麻の行為はすべて一日でも長く生き延びるためにいいことばかり」という奥さんに「ありがとうございました」くらい言って逝けばスッキリしたが…。「姥捨てた奴も一つの月夜哉」「いざさらば死にげいこせん花の陰」
Posted by
お父さん中心に回る現場感、疾走感ある日常。物事の始まりがあれば終わりもあり。怒りながら笑う、笑いながら泣くみたいな、感情の切り替え、切り戻しも読みどころでした。
Posted by
最後は死ぬのに、途中経過の話は可笑しい。 妻の志摩も娘の洋子も素子も誠も、なんか可笑しい。 結局人間は可笑しい生き物、でもそれをどうとらえるかで全然違う。 同じ状況を、別の視点で書いたら悲惨な介護地獄にしかならないはず。 小林一茶の句と重なりながら、天寿をマ全うした恭輔は幸せであ...
最後は死ぬのに、途中経過の話は可笑しい。 妻の志摩も娘の洋子も素子も誠も、なんか可笑しい。 結局人間は可笑しい生き物、でもそれをどうとらえるかで全然違う。 同じ状況を、別の視点で書いたら悲惨な介護地獄にしかならないはず。 小林一茶の句と重なりながら、天寿をマ全うした恭輔は幸せである。 でも残った妻や娘や息子たちは、こんなふうに見送られることはなさそうな気がする。
Posted by
「老衰外語看取り小説」である。 昨今、亡くなるのは病院か施設のどちらかが多いのではないだろうかと思うのだが、この小説は自宅で96歳の父を看取るまでの家族の思いや苦労が書いてある。 長年教育関係の職につき、75歳で大学を定年になった後も、勉学が困難な家庭の子どもを集めた私塾に通...
「老衰外語看取り小説」である。 昨今、亡くなるのは病院か施設のどちらかが多いのではないだろうかと思うのだが、この小説は自宅で96歳の父を看取るまでの家族の思いや苦労が書いてある。 長年教育関係の職につき、75歳で大学を定年になった後も、勉学が困難な家庭の子どもを集めた私塾に通い、自治会の相談役でもあった父。 ちょっと認知症の気配を感じたときは、86歳でありそれから母が娘たちが、苛立ちながら、じたばたしながら、ため息をつきながら、時には、はよくたばれと思いながら亡くなるその日まで看るのである。 父の回想や小林一茶の詩が、上手い具合に馴染んでいるというか…なんとも言えない気にさせる。 最後には、おつかれさまと言いたくなった。
Posted by
いや~これ、うちの実家の話かと思った笑 まさに私の母が言いそうなこと というか言ってることオンパレード!! 看取りが題材でこんなに笑いながら読んだの初めて。
Posted by
再読したい⭐️⭐️ おすすめ⭐️⭐️⭐️ 父が好きだった小林一茶。なぜ好きだったのか。生、老い、介護、死を素子視点や俳句を通じて追いかけることが出来る。延命治療とは何か何をいつまでするか、人間の尊厳とは?人生、家族と老若男女置かれている立場や状況によって感じることが異なる。 あ...
再読したい⭐️⭐️ おすすめ⭐️⭐️⭐️ 父が好きだった小林一茶。なぜ好きだったのか。生、老い、介護、死を素子視点や俳句を通じて追いかけることが出来る。延命治療とは何か何をいつまでするか、人間の尊厳とは?人生、家族と老若男女置かれている立場や状況によって感じることが異なる。 あなたは読書出来ているが、その後ろから老いと死が足音を立て忍び寄ってくる。
Posted by
この手の話は時々出るが、感覚が新鮮でありながら大袈裟な演出のないところが素直に読める。 まぁ誰でも死んでしまうんだなぁ。 それに一茶の俳句が効果的に使われ一茶をまた読みたくなった。
Posted by
4年間寝たきりとなった96才の元教育長の父親、恭輔の今際の際迄を描いた介護家庭の物語。 介護にまつわる紆余曲折、認知症から身体不自由となり排便処理など、小説からは匂いが届きそうなくらい厳しい現実が描かれる。 しかし見送った家族の「私もいつか灰になるのだ。その未来が、なんの切なさも...
4年間寝たきりとなった96才の元教育長の父親、恭輔の今際の際迄を描いた介護家庭の物語。 介護にまつわる紆余曲折、認知症から身体不自由となり排便処理など、小説からは匂いが届きそうなくらい厳しい現実が描かれる。 しかし見送った家族の「私もいつか灰になるのだ。その未来が、なんの切なさもなく胸にすとんと落ちてくる。」の言葉が、抗う事のできない人間の死を受け止めるしかない切なさを強く伝えていた。 誰にも訪れる”その朝”に、自分は…と強く感情移入してしまった小説だった。
Posted by
- 1
- 2