8月15日の特攻隊員 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
最後の特攻隊員のひとり、大木正夫の遺族である著者が、彼の足跡を追う中で得られた調査結果をまとめたノンフィクション。 誤字誤用が多く、また内容もいまいち整理されておらず時系列や同じ内容が何度も行ったり来たりしており読みにくかった。著者自身「作文は苦手だった」と語っており致し方ない部分はあるかもしれないが、誤字誤用程度、編集者はしっかり直してほしいと思う。 内容としては、前半では特攻隊員の遺書や写真などから特攻隊員の美談ばかりを取り上げているように感じてあまり面白いとも感じられず共感もできなかったが、中盤で数人から手痛い言葉を向けられるアクシデントがあったことが描かれており、そこから著者は自身が特攻の美しい面ばかりに目を向けていたのではないかと自問し考えを改めており、徹頭徹尾美談で終わらなかったのは良かったと思う。 しかしその過程を経てもなお、語られる著者の考えには深みがなく、やはり美談以外からは目を背けているのではないかという感が拭えず残念。 一方で本書の中で著者はとある歴史的な発見をしており、そのことと、何の手がかりもないところから人との関わりを築きこれだけのことを調べ上げた根気と手腕には脱帽。 個人的に(特攻で亡くなった人は特攻について語れないため真の重さは測れないということは理解しつつも)、特攻で亡くなった人の話よりも、出撃したものの機器の不具合により特攻を行えずやむを得ず引き返そうとしたものの不時着、自身は生還したものの同乗した仲間は着水時の衝撃により即死していた、という話の方が生々しくショッキングに感じた。
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随分期待していたのと内容は異なっていたが、それなりに楽しめた一冊。 宇垣特攻についての調査・考察が主かと思っていたが、どちらかと言うと違う視点から書かれていて面白かった。特に、戦争なんて全く無縁だった若い女性がゼロから何かに興味を持って、それに夢中になっていく姿にとてもひかれた...
随分期待していたのと内容は異なっていたが、それなりに楽しめた一冊。 宇垣特攻についての調査・考察が主かと思っていたが、どちらかと言うと違う視点から書かれていて面白かった。特に、戦争なんて全く無縁だった若い女性がゼロから何かに興味を持って、それに夢中になっていく姿にとてもひかれた。 結局、熱意は人を呼び、今まで繋がっていなかった証言と証言、歴史と歴史を繋げる。そして、新しい事実がわかる。偶然やラッキーが手助けしてくれる。 この本を読むまでは、宇垣が、嫌がる若いパイロットを無理矢理道ずれに特攻したかの様に考えていたが、どうやらそうではないらしい。しかし、自ら皆志願して特攻隊員として宇垣についていったというのは。やはり常軌を逸していたとしか思えない。戦争はかくも人の判断を狂わせるなか!?
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