からっぽの光 の商品レビュー
少しいびつな形で梱包されていた本が目に止まり購入してみました。うつわ小説という通りうつわにまつわるエピソードだった。 破天荒な先輩が海外に行く間、主人公が彼女の部屋に居候することから始まり、美術家を目指す弟もあとから加入。 表現や言い回しが独特だが、瞬時に情景が浮かぶ。 弟のセリ...
少しいびつな形で梱包されていた本が目に止まり購入してみました。うつわ小説という通りうつわにまつわるエピソードだった。 破天荒な先輩が海外に行く間、主人公が彼女の部屋に居候することから始まり、美術家を目指す弟もあとから加入。 表現や言い回しが独特だが、瞬時に情景が浮かぶ。 弟のセリフのクセが凄いのに笑った。 短編なので少し駆け足でフワッと感はあったけど、なんだろう不思議な感じ。感想が難しい。
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すごく短い、たった32ページの小説だけど長いおはなしを読んだような気持ちになる。海外へ旅立った先輩の家に暮らす姉弟の話。現代が舞台ながら、見えざる不思議な力がかすかに感じられる(いしいさんらしい!)穏やかなストーリーだ。その中で、主人公も先輩も弟も龍吉おじさんも、みんな確かな存在感で光を放っていて面白い。 からっぽのうつわに満たされるもの、なくなってしまうもの。そこに注がれる祈り。 登場人物の突然の死がいしいさんの小説では多い気がするが、辛くとも自然ないとなみとして、からだに染み透るように受け入れられる気がするから不思議だ。虚飾や嘘が感じられない、常に真っ直ぐな書き方だからなんだろうか。
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