子宝船 の商品レビュー
202408/他作品のキャラも登場して老いた頭には「あれ?何の話の誰だっけ?」となることもあったが今回も面白かった。表紙や挿絵の味のある可愛らしさも好き。年々気になるのは、読みやすさはあるけど、分量のわりに甘い展開や謎解きの緩さなど、多少物足りなくもある。宮部みゆきじゃなかったら...
202408/他作品のキャラも登場して老いた頭には「あれ?何の話の誰だっけ?」となることもあったが今回も面白かった。表紙や挿絵の味のある可愛らしさも好き。年々気になるのは、読みやすさはあるけど、分量のわりに甘い展開や謎解きの緩さなど、多少物足りなくもある。宮部みゆきじゃなかったら買ってなかったかも…というのは否めない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
目次 ・子宝船 ・おでこの中身 ・人魚の毒 来月第三弾が出版されるタイミングで読めた。 次に読めるのは3年後か…。 と思ったら、第四弾は祝言のシーンから始まるという。 え?だ、誰が祝言を上げるの? 図書館待たずに自前で買ってしまうかもしれん。 さて、今巻は一応三話に分かれているが、扱う事件は二つだ。 一話は”おでこ”の登場に割かれている。 ぼんくらシリーズもまだ最後まで読み終わっていないというのに「おでこ…大人になったのね…」などと親戚のおばちゃんみたいなことを考えていたら、おでこくん結婚しとりました。 いや、ちゃんとシリーズ読み終えなくちゃ。 北一は当初の右も左もわからない棒手振りの文庫売りからずいぶん成長して、自前で文庫のデザインをできる人、版画をする人を抱えるようになった。 まあ、棒手振りは変わらず、世間知らずゆえのぶしつけな言動を周りの大人に注意されるのも変わらずなんだけど。 それでも、自分の足で立って生きようという気概を感じられる。 事件はスッキリ解決、読後さわやかというわけにはいかない、もやもやドロドロしたものが多いのに、なぜこのシリーズが読みやすいのかと言えば、偏に北一の、若木のようなまっすぐなしなやかさに追うところが大きい。 惜しむらくは「きたきた」捕物帳という割に、喜多次の活躍シーンが少ないこと。 喜多次にしかできないアプローチで事件を解決に導くのはいいのだけれど、あくまで北一への手助け止まりで、相棒というにはほど遠い。 身上の謎が解かれ行くとともに、北一との仲が深まることを期待している。 巻末の宮崎美子との対談で、このシリーズは今までの時代物の集大成として、未解決になっている謎も含めて明らかにしていくとの作者の弁に期待値バク上がり。 これと『三島屋変調百物語』のシリーズは完成させると力強いお言葉、信じておりますぞ。 話はそれるけど、宮崎美子が子どもの頃から「声を出して本を読むのが好きだった」と聞いて、親近感。 「声を出すともっと物語の中に入って登場人物の気持ちになれる気がして」 なるべくして女優になったんやな。 私はそれよりも、文体のリズムをからだで感じることができて音読が好き。 理解は二の次。←それでいいの?
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岡っ引き見習いの北一が主人公のきたきた捕物帖二 「持つ者は子宝に恵まれる」と噂の宝船の絵。それが赤子を失ったある家の宝船の絵から弁財天が消えていたという。 絵の作者は大変な事に… その後、弁当屋の一家が殺される事件が起こる。 現場で犯人らしき人物をみかける北一… 人情と怪奇、人々...
岡っ引き見習いの北一が主人公のきたきた捕物帖二 「持つ者は子宝に恵まれる」と噂の宝船の絵。それが赤子を失ったある家の宝船の絵から弁財天が消えていたという。 絵の作者は大変な事に… その後、弁当屋の一家が殺される事件が起こる。 現場で犯人らしき人物をみかける北一… 人情と怪奇、人々の様々な思惑、色んな事が絡まり合って、それを一つ一つ解決に導きながら、北一は少しずつ成長していく。 やっぱ面白い!!
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2年前に単行本は読んでいるが、文庫化されたので再読した。 3話に分かれているが、まあ大きくは2つの話。 面白いがスカッとする読後感ではない。 まだまだ続くようなので、今後に期待する。
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きたきた捕物帖の第2作は、著者のこれまでの時代小説の人物たちが次々登場し、宮部時代小説が互いに関連していることが窺える。 『ぼんくら』の政五郎親分とおでこに、『初ものがたり』『本所深川草紙』の回向院の茂七親分。さらに、『桜ほうさら』の富勘長屋の住人も。 『ぼんくら』では、まだ少年...
きたきた捕物帖の第2作は、著者のこれまでの時代小説の人物たちが次々登場し、宮部時代小説が互いに関連していることが窺える。 『ぼんくら』の政五郎親分とおでこに、『初ものがたり』『本所深川草紙』の回向院の茂七親分。さらに、『桜ほうさら』の富勘長屋の住人も。 『ぼんくら』では、まだ少年だったおでこがなんと所帯持ちで、町奉行所の文書係を勤めているとか。『ぼんくら』から25年過ぎているとかで、時代の流れを感じるね。 巻末の宮崎美子との対談で、著者は本シリーズを作家としての終活シリーズだと話している。 「35年間作家として書いてきたものを、この捕物帖できれいに回収してまとめられれば」と思っているそうだ。 このシリーズ、今後どのような展開を見せるのか楽しみである。
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文庫本には付録が付いていて、2022年5月の宮部みゆき、宮崎美子対談ていうのがあります。これが案外聞き捨てならねえことを喋っていて、一言言い置きてえと思った次第。 宮部女史が「家にはあまり本がなくて、私たちの世代は本が高くておいそれと買ってもらえませんでしたから、学級図書と学校...
文庫本には付録が付いていて、2022年5月の宮部みゆき、宮崎美子対談ていうのがあります。これが案外聞き捨てならねえことを喋っていて、一言言い置きてえと思った次第。 宮部女史が「家にはあまり本がなくて、私たちの世代は本が高くておいそれと買ってもらえませんでしたから、学級図書と学校の図書室を使い倒していました。」と。それから「江戸川乱歩キャー事件」の話に移るわけですが、その本は明らかにポプラ社の、あの妖しい表紙の筈です。ーー「本を買ってもらえない」昭和40年代初めは、どの家庭もそんなもんだっんで御座います。 いや、そうじゃなくて、聞き捨てならねえのは、「35年間作家として書いてきたものを、この捕物帳できれいに回収」すると宣言していることと、「体力あるうちに、北一が一人前の岡っ引きになるまでを書きたいですね。あとは「三島屋シリーズ」を完成させて、それから長編を2つくらい。70歳になるまでそれができれば、作家として充実した仕事ができたかなと思います」と、仰っているところで御座います。ーー三島屋シリーズはこの時、未だ37話(あと63話ある!)。捕物帳は端緒に着いたばかり。あと8年で、到底出来るとは思えません。宮部女史も、人並みに人生残りのライフプランを甘く見積もりし過ぎていると拝察致します。60歳前半、ちょっと我が身を顧みて冷や汗もんです。実際そこまで到達するのは、仮に80歳として、実際できるかどうか。杉村三郎シリーズはどうなった?ドリームバスターは? 捕物帳の「回収」で、今回判ったことは幾つか御座います(もちの論、手前主観の雑感です。あんまり信用しない様に)。「ぼんくら」シリーズのおでこが出てきましたね。彼らが活躍したのは25年前ということがわかりました。井筒平四郎さんのことは不明ですが、弓之助は長崎修行で向こうに居着いてしまったようです。だとすると、茂七親分と謎の稲荷寿司屋の一件は、30年ほど前か。「桜ほうさら」の古橋笙之介たちの事件は2年前だったようです。笙之介が名前を変えて、いつ登場するか楽しみ(ええ、実は生きているんで御座いますよ)。最終章で上総国のサイコパスが出てきたのが、(笙之介の生地なだけに)少し気になります。喜多次の元は、「リストラされた忍者」でほぼ決まりです。盗賊改方ではなかった。四角い豆餅をお雑煮にするということは、東日本の藩なのでしょうか。彼の大叔父のことはまだよくわかりません。富勘長屋のできたいきさつに、いろいろ鍵がある気がしているのですが‥‥。 本書のあらすじは、無視しました。大江戸捕物帳ですし、イラストは可愛いですが、事件そのものは、案外黒いです。
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弁当屋の一家三人が殺された事件で、検視の与力・栗山の指示を受け、相棒の喜多次、亡き親分のおかみさん、政五郎親分、政五郎の元配下の通称「おでこ」の協力を得て、事件の真相を探る。 欅屋敷の若様の正体も明らかになり、生業の文庫屋としても前に進む。 周りの協力を得て、成長する北一。 喜多...
弁当屋の一家三人が殺された事件で、検視の与力・栗山の指示を受け、相棒の喜多次、亡き親分のおかみさん、政五郎親分、政五郎の元配下の通称「おでこ」の協力を得て、事件の真相を探る。 欅屋敷の若様の正体も明らかになり、生業の文庫屋としても前に進む。 周りの協力を得て、成長する北一。 喜多次の正体や、北一の親は誰なのか、謎も残ったまま。次が楽しみ。
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久々のきたきたコンビ。難事件に巻き込まれた北一。喜多次の力を借りながも少しづつ成長。喜多次の素性も気になるが次回作も楽しみ
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文庫化を機に再読。 あらためて読むと、どうもあまりすっきりとしないようだ。全体的に話を引っ張りすぎか。
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宮部先生が集大成と位置付けるシリーズだけあって、人間関係が複雑になってきた。 懐かしい人物に会えて嬉しいこともあれば、「誰だっけ」となって悔しい(?)思いをすることも。 未読作品のネタバレが怖いが、年表と人物相関図を探した方が良いのかもしれない。 終わり方に少々納得がいかなかった...
宮部先生が集大成と位置付けるシリーズだけあって、人間関係が複雑になってきた。 懐かしい人物に会えて嬉しいこともあれば、「誰だっけ」となって悔しい(?)思いをすることも。 未読作品のネタバレが怖いが、年表と人物相関図を探した方が良いのかもしれない。 終わり方に少々納得がいかなかったので星は4個にしたが、いつもどおり江戸風俗と人情噺を堪能させてもらった。
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