ペリリュー ─外伝─(3) の商品レビュー
どんなに時が過ぎ去っても戦争の記憶は心に影を落とす……。今巻に収録されていた【ALL ABOUT SUZY】は、戦後の穏やかな時代を描きつつも戦争体験者の”痛み”が伝わってくる良いエピソードだった。まさに”フィクションから伝わるノンフィクション(『BRUTUS特別編集 合本 マン...
どんなに時が過ぎ去っても戦争の記憶は心に影を落とす……。今巻に収録されていた【ALL ABOUT SUZY】は、戦後の穏やかな時代を描きつつも戦争体験者の”痛み”が伝わってくる良いエピソードだった。まさに”フィクションから伝わるノンフィクション(『BRUTUS特別編集 合本 マンガが好きで好きでたまらない』より)”。物語こそ創作かもしれないが、志津さんの哀惜や片倉さんの自省は、戦争体験者のリアルな感情として真摯に受け止めたい。
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『ペリリュー』外伝の4話を収録。米軍は昭和19年9月15日にペリリュー島の西浜に上陸、これを迎撃する島田少尉の姿を描く(「西浜にて」)。本編でも堅忍不抜、沈着冷静、勇猛果敢。真に指揮官の鑑となるような人物である。このような島田少尉と好対照なのが小杉伍長だ。彼は、激しく長い戦闘が一...
『ペリリュー』外伝の4話を収録。米軍は昭和19年9月15日にペリリュー島の西浜に上陸、これを迎撃する島田少尉の姿を描く(「西浜にて」)。本編でも堅忍不抜、沈着冷静、勇猛果敢。真に指揮官の鑑となるような人物である。このような島田少尉と好対照なのが小杉伍長だ。彼は、激しく長い戦闘が一段落すると(既に戦争そのものが終わっていたわけだが)一人気儘な樹上生活を始めてしまう。日本の勝利を信じ死をも厭わない島田少尉とは違い、日本の敗戦に薄々勘付いており妻の志津に会うために生きて祖国に帰ることを願っていた(「長い夜」)。しかし、最後まで飄々と生き残っていそうな彼も、ついにペリリュー島で命を落としてしまう。後に夫の戦死を知った志津は自暴自棄になり、優しくしてくれたG.I.に連れられて米国に渡る。いわゆる戦争花嫁であるが、胸の奥にしまい込んだ夫の面影は決して消えるものではなかった(「ALL ABOUT SUZY」)。同様に、戦場から帰った者たちもそれぞれの葛藤を抱えていた。漫画家になった田丸は自らの体験を漫画にしようとするが、その度にパニックを起こして描くことができない。そして沖縄返還で再会できた仲間たちは、いまだに地上戦で失った家族を捜し求め、米軍基地の存在をめぐって分断されていた(「過去と未来と」)。悲劇はペリリューだけにとどまらない。
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傑作短編集! 書きつづけている武田さんが、つくづくえらいと思う今日この頃です。 あほブログに、詳しく書いています。覗いてやってくださいネ。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202409050000/
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