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吾妻鏡 の商品レビュー

4.2

16件のお客様レビュー

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2024/09/24

素晴らしい一冊

鎌倉専門に扱うそこらへんのインチキ学者本郷などより、全然まともな学論をもって実証した。

tk

2024/12/31

勝者によって後から描かれる「歴史」への批判の眼差しが秀逸。鎌倉幕府の正史とされる『吾妻鏡』の虚々実々と同書の真意を考察する一冊です。   <こんな方にオススメ> (1)鎌倉時代が好き (2)源平合戦から源頼朝による鎌倉幕府創設までの歴史に興味がある (3)執権・北条得宗家による鎌...

勝者によって後から描かれる「歴史」への批判の眼差しが秀逸。鎌倉幕府の正史とされる『吾妻鏡』の虚々実々と同書の真意を考察する一冊です。   <こんな方にオススメ> (1)鎌倉時代が好き (2)源平合戦から源頼朝による鎌倉幕府創設までの歴史に興味がある (3)執権・北条得宗家による鎌倉幕府支配について知りたい   <概要> 本書では、人々に陰に陽に自らの正統性を浸透させようとする「吾妻鏡」に対して、客観的立場から批評する歴史的視点に立ちつつ、さらに物語化を基軸とする文学上の分析と考察により、同書の背後にある真の目的を浮かび上がらせようとしています。 本書は序章と終章を含めて全十章で構成されています。 序章では「吾妻鏡」の全体的な説明がなされ、終章では総括的に歴史書で語られる「歴史」についての考察と「吾妻鏡」の後半部について簡潔にまとめられています。 また第1章から第8章では、鎌倉幕府における大きなトピックを時系列的にそれぞれ取り上げてその事象が「吾妻鏡」にどのように(どのような視点や作為をもって)描かれているかを分析しています。   そのほか詳細等は別途、note『読書感想:歴史』に掲載しております。よかったら併せてご覧ください。   https://note.com/rekishi_info/n/n7a915e2ea7bf   (2024/12/31 上町嵩広)

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2024/12/09

鎌倉幕府による正史・吾妻鏡について、歴史学の成果を元に記述の虚実を示すと共に、その成立過程や時代背景が分析される一冊。物語としての構成論や、一つの歴史観が形成される様相などが興味深かった。

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2024/12/07

鎌倉幕府草創から中期までの事績を記し、従来、鎌倉時代史の根本史料とされるとともに鎌倉時代を描く小説やドラマの種本とされ、鎌倉幕府の「正史」とも言われる『吾妻鏡』について、頼朝挙兵、平家追討、奥州合戦、比企氏の乱、和田合戦、実朝暗殺、承久の乱、宝治合戦という合戦を中心としたトピック...

鎌倉幕府草創から中期までの事績を記し、従来、鎌倉時代史の根本史料とされるとともに鎌倉時代を描く小説やドラマの種本とされ、鎌倉幕府の「正史」とも言われる『吾妻鏡』について、頼朝挙兵、平家追討、奥州合戦、比企氏の乱、和田合戦、実朝暗殺、承久の乱、宝治合戦という合戦を中心としたトピックを取り上げ、歴史学の進展により明らかになってきた鎌倉時代の実像に照らし、その誤りや改変、曲筆を検証して、事後の視点から振り返って歴史を叙述する「物語」として読み直す。 非常に読みやすい構成で、教科書や大河ドラマなどで得ていた鎌倉時代の知識・イメージを刷新しつつ、振り返ることができた。 『吾妻鏡』は、鎌倉時代の正史的存在として、北条得宗家に都合のよいように編纂されたものとは思っていたが、このように北条得宗家の支配の正当性を歴史的に紐づけるために練られた「物語」となっているというのは、本書を読んで認識を新たにした。また、『吾妻鏡』が『平家物語』や『明月記』などの原史料をパッチワーク的に組み合わせて作られたものだといったことも初めて知り、興味深かった。 著者は、日本中世文学を専門とする国語科教師ということだが、本書は、歴史学の基本手法である史料批判の良い素材となっているとともに、人間が過去を語り直し、意味づけ、更新してゆく営みとしての「歴史」について考えさせられる良書だと感じた。史料批判に当たって、事実誤認や虚構を明らかにするだけでなく、何を語っていないかや、事実であってもどのような配列等で語っているかなどに着目することも大切だということを感じさせられた。また、歴史の持つ「物語性」を自覚することの重要性を再認識した。

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2024/11/11

鎌倉時代にはあまり興味がなかったのですが。この本で吾妻鏡は面白いと教えてもらいました。読みながら「賢者は歴史に学ぶ」が頭をよぎり、「歴史は勝者によって描かれる」ことを再認識しながら、「盛らない話はつまらない」と腑に落ちました。つまらない歴史ストーリーは語り継がれず残らない…敗者の...

鎌倉時代にはあまり興味がなかったのですが。この本で吾妻鏡は面白いと教えてもらいました。読みながら「賢者は歴史に学ぶ」が頭をよぎり、「歴史は勝者によって描かれる」ことを再認識しながら、「盛らない話はつまらない」と腑に落ちました。つまらない歴史ストーリーは語り継がれず残らない…敗者の歴史も残らない…偏った歴史から学ぶことになる…でも面白いからそれは良い。ただ、虚実あるフィクションだと頭の片隅に!

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2024/11/06

「歴史とは過去の事実の羅列ではない。事実同士があるいは虚構を交えつつ関係づけられ、一定の意味を与えられ、ストーリー性を付与されて初めて歴史となる」 論争の絶えないテーマであるが、研究室の片隅で認定される事実だけが歴史であるなら、それにどれほどの意味があるのだろうとの疑問も拭えな...

「歴史とは過去の事実の羅列ではない。事実同士があるいは虚構を交えつつ関係づけられ、一定の意味を与えられ、ストーリー性を付与されて初めて歴史となる」 論争の絶えないテーマであるが、研究室の片隅で認定される事実だけが歴史であるなら、それにどれほどの意味があるのだろうとの疑問も拭えない。本書では非常に成功した歴史書である「吾妻鏡」が次々と起こる事件に付与したストーリーの意味とは何か、誰を顕彰し誰を貶めねばならなかったか、一つ一つの記述に切り込みながら解き明かされる。

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2024/10/12

歴史とは事実ではなく後世の人々による解釈と創造であることを教えてくれる。 鎌倉幕府の正史といえる「吾妻鏡」が北条氏を正当化するための虚構が含まれていることを指摘する良著。

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2024/09/29

鎌倉幕府の「正史」『吾妻鏡』の編纂と叙述に潜む意図と 事実の改変、虚構等を詳細に考察し、検証する。 ・はじめに 序章 『吾妻鏡』とは何か 第1章 頼朝挙兵――忠臣たちの物語と北条氏の優越 第2章 平家追討――頼朝の版図拡大と利用される敗者たち 第3章 奥州合戦――幕府体制の確立を...

鎌倉幕府の「正史」『吾妻鏡』の編纂と叙述に潜む意図と 事実の改変、虚構等を詳細に考察し、検証する。 ・はじめに 序章 『吾妻鏡』とは何か 第1章 頼朝挙兵――忠臣たちの物語と北条氏の優越 第2章 平家追討――頼朝の版図拡大と利用される敗者たち 第3章 奥州合戦――幕府体制の確立を語る軍記物語 コラム 空白の三年間 第4章 比企氏の乱――悪王頼家の退場と逆臣の排斥という虚構 第5章 和田合戦――頼朝の政道を継ぐ実朝と北条泰時 第6章 実朝暗殺――源氏将軍断絶と得宗家を導く神意 第7章 承久の乱――執権政治の起源を語る軍記物語 第8章 宝治合戦――北条時頼による得宗専制の開始 終章 歴史像の構築 ・あとがき、参考文献一覧、関連略年表 鎌倉幕府の正式な記録であり、歴史的叙述である『吾妻鏡』。 だが「六代勝事記」や「愚管抄」「玉葉」「明月記」など、 当時の日記や記録と照らし合わせると、齟齬が見つかる。 『吾妻鏡』と呼ばれたのは1370年代以降。 当時の執権・北条貞時の世であり、彼が中心となって、 編纂に直接関わった者たちが保持していた所蔵文書や記録、 家伝的史料、入手できる「平家物語」等の本を利用して、 作り上げられたと思われる。しかも作為的な編集や虚構、 不都合な事実は省筆し、神仏と天変地異の作用も入れる。 そう、頼朝の政権と源氏将軍家から後継である北条得宗の 立場を正当化するための編纂が行われた正史なのだ。 『現代語訳 吾妻鏡』吉川弘文館を読了しているので、 『吾妻鏡』への疑問に答えてくれる内容のこの本は とても面白かったです。 奥州合戦や比企氏の乱、和田合戦、承久の乱、宝治合戦等の 軍記物語に潜む虚構。死人に口無しな感じで悪玉にされた 人物たちの検証は、なかなか興味深いものでした。 記録だらけの終盤や宗尊親王の帰洛で正史が終わる理由は、 それから35年経過の編纂時期に、利害関係者が多く存命していた かららしい。元寇や霜月騒動、平禅門の乱とかあるからね。

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2024/09/24

”はじめに”から抜粋 『吾妻鏡』を信じずべき「記録」の枠から解放し、事後の視点から振り返って歴史を叙述する一種の「物語」として読み直していきたい。 なるほど。 2代将軍頼家の悪王化は当然?として3代実朝も悪王化されているという指摘が興味深かった。 徳を失った源氏将軍から有徳の...

”はじめに”から抜粋 『吾妻鏡』を信じずべき「記録」の枠から解放し、事後の視点から振り返って歴史を叙述する一種の「物語」として読み直していきたい。 なるほど。 2代将軍頼家の悪王化は当然?として3代実朝も悪王化されているという指摘が興味深かった。 徳を失った源氏将軍から有徳の泰時~得宗家と言う流れ。 面白かった! 先日読んだ同じく中公新書「日ソ戦争」に続いて久々に読んだ新書2冊が大当たり!

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2024/09/29

吾妻鏡がどのような目的、意図で作成されたのかの解説本。歴史は勝者によって語られ、如何に今の系譜が正しいかを証明するもの、ということがよく分かった。ある程度、歴史の流れが分からないと誰?誰の子孫?となる。大河ドラマを見ていて良かった。

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