吾妻鏡 の商品レビュー
素晴らしい一冊
鎌倉専門に扱うそこらへんのインチキ学者本郷などより、全然まともな学論をもって実証した。
tk
鎌倉時代にはあまり興味がなかったのですが。この本で吾妻鏡は面白いと教えてもらいました。読みながら「賢者は歴史に学ぶ」が頭をよぎり、「歴史は勝者によって描かれる」ことを再認識しながら、「盛らない話はつまらない」と腑に落ちました。つまらない歴史ストーリーは語り継がれず残らない…敗者の...
鎌倉時代にはあまり興味がなかったのですが。この本で吾妻鏡は面白いと教えてもらいました。読みながら「賢者は歴史に学ぶ」が頭をよぎり、「歴史は勝者によって描かれる」ことを再認識しながら、「盛らない話はつまらない」と腑に落ちました。つまらない歴史ストーリーは語り継がれず残らない…敗者の歴史も残らない…偏った歴史から学ぶことになる…でも面白いからそれは良い。ただ、虚実あるフィクションだと頭の片隅に!
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「歴史とは過去の事実の羅列ではない。事実同士があるいは虚構を交えつつ関係づけられ、一定の意味を与えられ、ストーリー性を付与されて初めて歴史となる」 論争の絶えないテーマであるが、研究室の片隅で認定される事実だけが歴史であるなら、それにどれほどの意味があるのだろうとの疑問も拭えな...
「歴史とは過去の事実の羅列ではない。事実同士があるいは虚構を交えつつ関係づけられ、一定の意味を与えられ、ストーリー性を付与されて初めて歴史となる」 論争の絶えないテーマであるが、研究室の片隅で認定される事実だけが歴史であるなら、それにどれほどの意味があるのだろうとの疑問も拭えない。本書では非常に成功した歴史書である「吾妻鏡」が次々と起こる事件に付与したストーリーの意味とは何か、誰を顕彰し誰を貶めねばならなかったか、一つ一つの記述に切り込みながら解き明かされる。
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歴史とは事実ではなく後世の人々による解釈と創造であることを教えてくれる。 鎌倉幕府の正史といえる「吾妻鏡」が北条氏を正当化するための虚構が含まれていることを指摘する良著。
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鎌倉幕府の「正史」『吾妻鏡』の編纂と叙述に潜む意図と 事実の改変、虚構等を詳細に考察し、検証する。 ・はじめに 序章 『吾妻鏡』とは何か 第1章 頼朝挙兵――忠臣たちの物語と北条氏の優越 第2章 平家追討――頼朝の版図拡大と利用される敗者たち 第3章 奥州合戦――幕府体制の確立を...
鎌倉幕府の「正史」『吾妻鏡』の編纂と叙述に潜む意図と 事実の改変、虚構等を詳細に考察し、検証する。 ・はじめに 序章 『吾妻鏡』とは何か 第1章 頼朝挙兵――忠臣たちの物語と北条氏の優越 第2章 平家追討――頼朝の版図拡大と利用される敗者たち 第3章 奥州合戦――幕府体制の確立を語る軍記物語 コラム 空白の三年間 第4章 比企氏の乱――悪王頼家の退場と逆臣の排斥という虚構 第5章 和田合戦――頼朝の政道を継ぐ実朝と北条泰時 第6章 実朝暗殺――源氏将軍断絶と得宗家を導く神意 第7章 承久の乱――執権政治の起源を語る軍記物語 第8章 宝治合戦――北条時頼による得宗専制の開始 終章 歴史像の構築 ・あとがき、参考文献一覧、関連略年表 鎌倉幕府の正式な記録であり、歴史的叙述である『吾妻鏡』。 だが「六代勝事記」や「愚管抄」「玉葉」「明月記」など、 当時の日記や記録と照らし合わせると、齟齬が見つかる。 『吾妻鏡』と呼ばれたのは1370年代以降。 当時の執権・北条貞時の世であり、彼が中心となって、 編纂に直接関わった者たちが保持していた所蔵文書や記録、 家伝的史料、入手できる「平家物語」等の本を利用して、 作り上げられたと思われる。しかも作為的な編集や虚構、 不都合な事実は省筆し、神仏と天変地異の作用も入れる。 そう、頼朝の政権と源氏将軍家から後継である北条得宗の 立場を正当化するための編纂が行われた正史なのだ。 『現代語訳 吾妻鏡』吉川弘文館を読了しているので、 『吾妻鏡』への疑問に答えてくれる内容のこの本は とても面白かったです。 奥州合戦や比企氏の乱、和田合戦、承久の乱、宝治合戦等の 軍記物語に潜む虚構。死人に口無しな感じで悪玉にされた 人物たちの検証は、なかなか興味深いものでした。 記録だらけの終盤や宗尊親王の帰洛で正史が終わる理由は、 それから35年経過の編纂時期に、利害関係者が多く存命していた かららしい。元寇や霜月騒動、平禅門の乱とかあるからね。
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”はじめに”から抜粋 『吾妻鏡』を信じずべき「記録」の枠から解放し、事後の視点から振り返って歴史を叙述する一種の「物語」として読み直していきたい。 なるほど。 2代将軍頼家の悪王化は当然?として3代実朝も悪王化されているという指摘が興味深かった。 徳を失った源氏将軍から有徳の...
”はじめに”から抜粋 『吾妻鏡』を信じずべき「記録」の枠から解放し、事後の視点から振り返って歴史を叙述する一種の「物語」として読み直していきたい。 なるほど。 2代将軍頼家の悪王化は当然?として3代実朝も悪王化されているという指摘が興味深かった。 徳を失った源氏将軍から有徳の泰時~得宗家と言う流れ。 面白かった! 先日読んだ同じく中公新書「日ソ戦争」に続いて久々に読んだ新書2冊が大当たり!
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吾妻鏡がどのような目的、意図で作成されたのかの解説本。歴史は勝者によって語られ、如何に今の系譜が正しいかを証明するもの、ということがよく分かった。ある程度、歴史の流れが分からないと誰?誰の子孫?となる。大河ドラマを見ていて良かった。
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01432657
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虚実とあったので、興味を持って拝読。知らない研究の最先端結果も書いてあって勉強になった。 どちらかというと、これまでの先行研究をまとめてくれているという印象だが、素人には勉強になってちょうどよい。 関心持てたところは、原文なり先行研究を直接読んでもいいかなと思った。
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鎌倉時代を舞台とするドラマで描かれる挿話の多くは『吾妻鏡』に基づく。史料に潜む虚構を洗い出し、隠された意図を明らかにする。
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