吉本隆明詩集 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
私にとって、吉本隆明氏の生きてきた時代は社会の教科書や映像を通して知ることはできても、肌感覚はなく、想像するくらいしかできない。 この本の編者である蜂飼 耳氏と年代が近い。今生きている人にも普遍的な詩、心に響く作品があるのではないか、そのことばが光となった。何せ難しい 何度も何度も読んで、、今のところの感想にはなるがいくつか挙げてみる 精神の内閉的な危機に陥っていた時期の詩として、 〜固有時との対話〜 〈わたしはむしろ生存の与件よりも虚無の与件をたづねてゐたのではなかったか!〉 ・・・・ 〈ああ いつかわたしはこの忍耐を放棄するだろう そのときわたしは愛よりむしろ寛容によってわたし自らの睡りを赦すであろう〉 ・・・ 過去を咎めず人を許す 受け入れることって 誰かが救われること以上に自分のためでもあったりするのかも、、と感じた そして!歴史的現実との対話に以降した〈転位〉 ・・・ 愉しさはぼくらの内にこしらへなければ 永遠に愉しさはぼくらを訪れないとするならば 何という暗い夜の国であろう ・・・ 現代社会にも通じるような気がする 90年代最後の詩 2篇のうち 「17歳」は 1度読んだだけで 矢のようにと私の胸の堰を壊そうとした ことばがとめどなく溢れてしまう17歳の自分はいつか来るのか、、、 蜂飼耳氏のことばの光に導かれて、とりあえず今はここまで。
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