海のうた の商品レビュー
全視界が海のような感覚になる青い表紙と丁寧な装丁に惹かれて手に取ってみれば、左右社だった。納得。 海を想う感情にもワクワク、しょんぼり、しみじみ…色々あるんだなと思った。 海岸を吹く風を、辺つ風というらしい。
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小さくて青くて、装丁も素敵な短歌集。 つないだ手やわらかかった春の海まぶしいままで終わりにしたい/上澄眠 シーグラス 波にすべては洗われていつか許せる日が来るのかな/岡本真帆 寄せ返す波のしぐさの優しさにいつ言われてもいいさようなら/俵万智 久しぶりに海に行きたくなった。
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もう、トロンですよ。目尻トロン。 眠いんじゃないです。うっとりしてるんです。 深いブルーの装丁や『海 の うた』と、スペースを入れたタイトルからして好き。 小ぶりでしっかりしたハードカバーなのも宝物感増しますね。 この歌集の「海」を感じさせる短歌百首の中から厳選に厳選を...
もう、トロンですよ。目尻トロン。 眠いんじゃないです。うっとりしてるんです。 深いブルーの装丁や『海 の うた』と、スペースを入れたタイトルからして好き。 小ぶりでしっかりしたハードカバーなのも宝物感増しますね。 この歌集の「海」を感じさせる短歌百首の中から厳選に厳選を重ねた16首を紹介。 まったく、個人の趣味です。 * 大丈夫わたしもさっき起きたとこ、ところで この星、海があるのね【鳥さんの瞼】 ゆびとゆびの間に付け根があることを確かめてゆく春の砂浜【長谷川麟】 貝殻の色はきらきらしてきれい 生きてる貝の見てたきらきら【谷じゃこ】 白き線踏めば悔いの多きことゆらりと満ちる 海がみえます【東直子】 はらってもはらっても落ちる砂ならば連れて帰ろう どこに? どこでも【宇都宮敦】 蟹缶を自分のために開けてゐる海がこぼれぬやうにそつと【門脇篤史】 空調の音さざ波に変わりゆく寝不足の午後の図書館の海【戸田響子】 それぞれの海の記憶を持ち寄って夏の匂いのする会議室【辻聡之】 傾くとわたしの海があふれ出す いとこのようなやさしさはいや【田中魁】 この人も嵐のあとの海岸に打ち上げられたかたちで眠る【吉田恭大】 机にも膝にも木にも傷がありどこかで海とつながっている【江戸雪】 いつかくる おわりを みないで すむように さかなは うみから でませんでした【多賀盛剛】 ヘブンズ・ドアー わたくしという一冊に冷たき海の見開きがある【北山あさひ】 もういいね許していいね下敷きを反らせてみたら海に似ている【野口あや子】 海の画を見終へてひとは振り向きぬ海よりいま来たりしやうに【川野芽生】 ただひとり僕のこころのために来た海はそれほど青くなかった【笹川諒】 * 海を自分の外に置くか、内に置くか、つなげるか、つなげないかがポイントかな。 他にもいい歌いっぱいで悩みました。 『海のうた』の次は『山のうた』かな、それとも『空のうた』かな、ぜひともシリーズ化してほしいです。左右社さん。
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海に関する短歌のアンソロジー。 海の歌100首。 意味はよくわからなかったものも多いのですが、いいと思った歌。 <あなたから生まれる前の夢をみた波打ち際の電話ボックス> 藤本玲美 <さあここであなたは海になりなさい 鞄は持っていてあげるから> 笹井宏之 <...
海に関する短歌のアンソロジー。 海の歌100首。 意味はよくわからなかったものも多いのですが、いいと思った歌。 <あなたから生まれる前の夢をみた波打ち際の電話ボックス> 藤本玲美 <さあここであなたは海になりなさい 鞄は持っていてあげるから> 笹井宏之 <人魚伝説のある町 排水の匂いが海だ スカートに風> 初谷むい <もう一度波に差し出すまだきみがわたしの前にいた頃の靴> 岡崎裕美子 <春とあなたの価値は等しい夕闇の海で貰った海の一粒> 堂園昌彦 <いつ死ぬかわからないのにどうやって海へ行く日を決めるのだろう> pha <空調の音さざ波に変わりゆく寝不足の午後の図書館は海> 戸田響子 <面接へゆかず海まで六時間歩いたという その海を想う> 雪舟えま <海だけのページが卒業アルバムにあってそれからとじていません> 伊舎堂仁 <殴り合いみたいなキスをしたこともカウントせずに始発で海へ> 枡野浩一 <かわせみよ 波は夜明けを照らすからほんとうのことだけを言おうか> 井上法子 <つないだ手やわらかかった春の海まぶしいままで終わりにしたい> 上澄眠 <海になつかしさを感じているうちはほんとうのさようならは言えない> 郡司和斗 <果ての果て滅びゆく海のことならば波ではなくて砂に尋ねよ> 牛隆佑 <愚か者・オブ・ザ・イヤーに輝いた俺の帽子が飛ばされて 海へ> 穂村弘 <海を見に行きたかったなよろこびも怒りも捨てて君だけ連れて> 染野太朗 <その海を死後見に行くと言いしひとわたしはずっとそこにいるのに> 大森静佳 <海を背にしていることも強みとし君はやさしい夏を打ち切る> 吉川宏志 <寄せ返す波のしぐさの優しさにいつ言われてもいいさようなら> 俵万智 <心電図の波の終わりにぼくが見る海がきれいでありますように> 木下龍也
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今年の海の日に合わせて発行された、海にまつわる短歌集 海鳥とも白波ともつかないシンプルな抽象画の表紙に、活版印刷風の箔押しのフォントが素敵です 現代日本の歌人の短歌、全100首の掲載がされた海の百人一首でした 改めて歌集って読んでみると、はじめの頁から順々に読むよりは、折りにふれ...
今年の海の日に合わせて発行された、海にまつわる短歌集 海鳥とも白波ともつかないシンプルな抽象画の表紙に、活版印刷風の箔押しのフォントが素敵です 現代日本の歌人の短歌、全100首の掲載がされた海の百人一首でした 改めて歌集って読んでみると、はじめの頁から順々に読むよりは、折りにふれて適当な頁をいくつか眺める方が良いのかもと思えてきた 好きな短歌は、鳥さんの瞼さんの 大丈夫わたしもさっき起きたとこ、ところでこの星、海があるのね
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現代の歌人による海の歌、百人一首。 装丁も素敵でコンパクトなので、持ち歩いて、ぱらっと開いて読めるのがよいですね。ちなみに私は軽井沢への旅の時に持っていき、浅間山のみえるホテルの部屋で読み終えました。 巻末に作者の紹介が掲載されているのも便利です。
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