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失われたものたちの国 の商品レビュー

4.4

7件のお客様レビュー

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2025/02/05

「失われたものたちの本」の完全な続編。 (前作を読んでいないと全く理解不能) ロンドンに住むセレスは一人で8歳の娘を育てている。ある日、娘が交通事故にあい昏睡状態になってしまう。医師の勧めで田舎のケア施設に移るが、その施設のそばに『失われたものたちの本』という物語を書いた作家の...

「失われたものたちの本」の完全な続編。 (前作を読んでいないと全く理解不能) ロンドンに住むセレスは一人で8歳の娘を育てている。ある日、娘が交通事故にあい昏睡状態になってしまう。医師の勧めで田舎のケア施設に移るが、その施設のそばに『失われたものたちの本』という物語を書いた作家の古い屋敷があって…。 主人公セレスの感じる孤独と絶望は痛々しいほど胸に迫ってきます。ただ、前作の主人公ディヴィッドが囚われた喪失感や嫉妬とはベクトルが違う感触がありました。ディヴィッドが少年だったのに対して、本作の主人公セレスは立派な大人として描かれています。前作が書かれてから17年が過ぎ、著者の思考の変遷がここに表れているように感じました。

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2025/01/16

250116*読了 長い旅路から帰還した。セレスとおなじくへとへとである。手に汗にぎる、というよりも、心臓がきゅっとなるほどに恐ろしく、どうか救いを、と願いつづけた物語だった。激しい戦いだけが冒険じゃない。  "あらゆる読者と同じくセレスもまた読み終えたすべての本によっ...

250116*読了 長い旅路から帰還した。セレスとおなじくへとへとである。手に汗にぎる、というよりも、心臓がきゅっとなるほどに恐ろしく、どうか救いを、と願いつづけた物語だった。激しい戦いだけが冒険じゃない。  "あらゆる読者と同じくセレスもまた読み終えたすべての本によって変容し、彼女の人生そのものが読み終えた本の記録になっていたのです。" 本とともに生き、成長してきた自分にとって、そしてすべての本好きにとって、このことばは力強く響くだろう。 著者自身もそうであったように、親として我が子を想う、その他者への愛が胸のうちにあることの幸福と、それゆえのつらさをセレスを通して実感させられた。 すべての物語は読者のこころに蓄積されていくものだけれど、そのなかでも何度も思い出す大切な物語がある。本作はまさしくそれに値する。 幼少期になにかしらの物語を読んだり、読み聞かせてもらった記憶を持っている大人は多いと思う。 特に本が好きな少年少女時代を過ごしそのまま大人になった人にとって、なかでもその後、親になった人にとって、この小説は共感と感動が大きいのではないかな。 もちろんそうでないひとにも、すべてのひとにおすすめはしたい。 前作以上にわたしにとっては意味のある本だった。

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2025/01/03
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前作は見事に完結して見せていたが、そんな作品に見事に続編を生み出させてくれた作品だと思った。 主人公は娘を失われた30代の母親で、ファンタジー世界にはそぐわない人物のように思える。 だが、彼女もまた誰かの娘であり、愛情を注ぐ対象のいる母親であり、現実を生きる冒険者なのだ。 一つ蛇足の感想を。 フロリダはお風呂から離脱する、ではなくお風呂のため離脱する、です。

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2024/10/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

失われたものたちの本の続編! 娘が事故で植物人間状態になってしまった母親のセレスが迷い込んだのは、かつてデイヴィットが迷い込んだ謎の世界? でも少しその世界は違うような… 木こりやデイヴィット、そしてあの忌々しいねじくれ男も再び登場してくる… かなり過激な表現もあるが独特の世界観に引き込まれていく感じがまた味わえるとは。

Posted byブクログ

2024/08/16

書くつもりがなかった続編が書かれて、それを読むことができて嬉しい。 デイヴィッドが去ったあとの世界に迷い込んだセレス。ファンタジーには珍しく成人して母親でもある彼女が主人公となって物語は進んでいく。 相変わらずファンタジックでありながらぎくりとするような展開や言い回しが登場す...

書くつもりがなかった続編が書かれて、それを読むことができて嬉しい。 デイヴィッドが去ったあとの世界に迷い込んだセレス。ファンタジーには珍しく成人して母親でもある彼女が主人公となって物語は進んでいく。 相変わらずファンタジックでありながらぎくりとするような展開や言い回しが登場する。前作と比較して違いや変化を探すのも一つの楽しみ。 人によって本を読んだ時の感想が異なるように、セレスによって世界にも絶妙な変化が出ている。 彼女の物語がどうなるのか、知ることができてよかった。

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2024/08/02
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※このレビューにはネタバレを含みます

失われたものたちの国 よみおわりました。 宮崎駿監督が引退を決めたのに、復活するきっかけになった物語(の続編)になります。 ジョン・コナリーの児童書になりますが、 けっして甘ったれた内容ではありません。 前作は少年ディヴィッドが『ねじくれ男』に招かれ異世界に行ってさまざまな苦難を乗り越えて成長していきます。 続編は事故で植物人間になってしまった娘を看病していた女性が異世界に飛び込んでしまいます。 かなり芯のある(強気)女性セレスですが、なぜか十代の女の子に戻ってしまいます。そして前作の主人公ディヴィッドや色んな人物と出会います。 内容はかなりグロい部分があり、スパイスが強めです。 最後10ページくらいはちょっと泣いてしまいました。 目覚めない娘にただ会いたいために奮闘するセレスがいきついた答え、私なら『ねじくれ男』の誘惑に負けそうだな、と思いました。 植物人間の娘が目を覚ますとなれば...... セレスは凄い人物です。

Posted byブクログ

2024/07/16

32歳のシングルマザー・セレスは交通事故で昏睡状態に陥った一人娘のためにロンドンからケア施設のある田舎に引っ越す。目覚めない娘の看護に疲れたセレスは不思議な力に引っ張られるように異世界へ。何者がどんな目的でセレスを導いたのか。そしてその世界でセレスは半分の年齢である16歳の少女に...

32歳のシングルマザー・セレスは交通事故で昏睡状態に陥った一人娘のためにロンドンからケア施設のある田舎に引っ越す。目覚めない娘の看護に疲れたセレスは不思議な力に引っ張られるように異世界へ。何者がどんな目的でセレスを導いたのか。そしてその世界でセレスは半分の年齢である16歳の少女に若返り、世界の全てを知る木こりと出会い冒険の旅へ…。『失われたものたちの本』続編。作り込まれたダークな世界観に圧倒され中々ページが捲れぬ。これから読む人には是非前作を読んでから手に取ることを勧めたい。

Posted byブクログ