スイマーズ の商品レビュー
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国は違っても母はあまり違わないこともあるのだなあと。ひびの話がものすごく説得力があった。最後は死。それだけは共通。平和な時代の話、になるのだろうけれど。
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うーん。 途中まで、プールの「ひび」事件までは良い。 そこから何か展開するのかという気持ちに読む側がなる。 その後は肩透かしを食らったような展開でなんだかぼんやりして終わる。 プールはどこへ行った? 訳者あとがきにその理由のヒントがあった。 『自分は「十年に一冊」の作家だ、というオオツカは、最初はプロットもアウトラインもなく、物語がどこへ行くのかさっぱり見当がつかないまま書きはじめ、その「声」にしたがって書き進んでいく。言葉のリズムを大切に、これだと思える表現が見つかるまで何度も書き直し、そぎ落とし、濃縮していくという。そうやって磨き上げられた結晶のようなこの物語を、最後に置かれた情景のあたたかいきらめきを、ぜひじっくり味わっていただきたい。ちなみに次作については、書き始めてはいるものの、まだどんな作品になるか皆目見当がつかず、ただ、より自分自身へ目を向けるものになっている、とのこと。』 「ああ、そういうことか」と納めることにした。 泳いでいたのか、と。 読んでいる最中、日本についての記述があるのは興味深く、また著者の「オオツカ」という名も気になった。 何故日本の話が。 この点についても、あとがきに記載があった。
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作家ごとに文章のスタイルは色々あるが、自分の好みのスタイルではなかった。例えば最終章には「彼女」「あなた」「あなたの父親」「母親」「彼女の母親」が出てくるが、混乱してしまい、読むリズムがうまくつかめなかった。良かったのは第1章のスイマー達の描写と、表紙カバーのイラストです。
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ネットで紹介されてておもしろそうと思った。が、何のことだか何を言いたいのかよくわからなかった。 というか似たような文章の羅列がひたすら続く文体で頭に入ってこず、斜め読みになってしまったので理解できず当然だったかもしれない。 これを面白かったという人のレビューを読んで理解することに...
ネットで紹介されてておもしろそうと思った。が、何のことだか何を言いたいのかよくわからなかった。 というか似たような文章の羅列がひたすら続く文体で頭に入ってこず、斜め読みになってしまったので理解できず当然だったかもしれない。 これを面白かったという人のレビューを読んで理解することにする。
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序盤はアリス視点、後半はアリスの娘視点で物語が語られていく。自分の頭の中では俯瞰的ではなく主観的な目線で描写で進んでいく(伝え方が難しい…)。 アリスの人生とか日常をリアルに感じられる文体で、あまりお目にかかれなく、珍しい。 不思議な小説ではあったけれども、登場人物の感情、雰囲気...
序盤はアリス視点、後半はアリスの娘視点で物語が語られていく。自分の頭の中では俯瞰的ではなく主観的な目線で描写で進んでいく(伝え方が難しい…)。 アリスの人生とか日常をリアルに感じられる文体で、あまりお目にかかれなく、珍しい。 不思議な小説ではあったけれども、登場人物の感情、雰囲気が如実にここまで感じられる小説は他にはあまり無いのでは。
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中編1篇 認知症気味のアリスが地下プールで泳ぐ.なんと言うことのない日常の変わらない毎日の積み重ね,泳ぐ人たちのそれぞれのスタイルがある日プールの4レーンに微かなヒビが入ることで徐々に壊れていく.そしてプールの閉鎖.進行するアリスの認知症.ちょっとした癖,習慣,行動が少しずつ失われていき施設に入ることで加速する.そして等しく訪れる死.淡々と語られる事実の羅列にアリスの人生が浮かび上がって,夫や娘の見守る目は優しい. 介護する人のためのテレビなど低賃金労働への言及もあって施設の運営者の言葉に気付かされることも多かった.
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川の流れを見つめているような2 泳ぎ人の本かと思いきや母の記憶につながってゆく。 泳げないけど泳ぎたくなった
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出版社からの新刊案内で知った、カーネギー賞を受賞したこの作品が今の私が読むべき内容のように思えて、図書館にリクエストしました。 物語の前半は、様々な職種の人々が、黙々と泳ぐ独特のコミュニティを持ったプールで、認知症の初期症状がみられる「アリス」はこのプールで「親切にすること」を...
出版社からの新刊案内で知った、カーネギー賞を受賞したこの作品が今の私が読むべき内容のように思えて、図書館にリクエストしました。 物語の前半は、様々な職種の人々が、黙々と泳ぐ独特のコミュニティを持ったプールで、認知症の初期症状がみられる「アリス」はこのプールで「親切にすること」をルールの一つにしていたが、突如プールに原因不明のひびが判明、いつもの日常が崩れていきます。 すると後半第三章で物語の語り口調が変わり、「アリス」の記憶が失われたこと、40代後半で、作家である彼女の娘「あなた」が、アリスを「彼女」という主語とした文章で彼女が日系2世であること、先ほどのことは忘れても辛い古い記憶が残っていることを語ります。 特に私が辛かったのは、第四章の娘である「あなた」が記憶障害を持つ人のための施設に母親を預け、悪質ではないものの基本ビジネスのようだと施設の内容を描写し、最後母親との思い出、成長するにつれて疎遠だった日々、母の異常に気づいた時既に遅かったという悔いが綴られていることです。 日系3世である著者が、第2次世界大戦での日系人とその家族が受けた傷の深さ、その記憶を最後まで持ち続ける認知症の家族をもつ悲しみを、物語の主語を変化させながら描いている点に驚きつつも、私も悲しくなりました。 私も認知症の母を施設でお世話になっている1人です。面会に度に孫を心配してくれる姿に、申し訳ない気持ちになっています。これから私も娘として何をしてあげられるのか、再考する時が来たようです。
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ええ、ちょっと「スイマーズ」ってプールの話じゃないの!? 違うんだなあ~~ 前半はプール、常連メンバーのおしゃべり、 ついでプールに現われる謎のヒビ・・・それをめぐるあれこれ。 その後は、アリスのもの語り。 アリスは前半から、ちょこちょこ出てくる、 どうやら認知症の始まった高...
ええ、ちょっと「スイマーズ」ってプールの話じゃないの!? 違うんだなあ~~ 前半はプール、常連メンバーのおしゃべり、 ついでプールに現われる謎のヒビ・・・それをめぐるあれこれ。 その後は、アリスのもの語り。 アリスは前半から、ちょこちょこ出てくる、 どうやら認知症の始まった高齢女性。 アリスに優しくすることが、このプールのルールでもあるくらい。 後半はアリスの人生と今が語られる。 アリスは著者ジュリー・オオツカの母親を投影しているそう。 正直、後半の方が物語としては俄然おもしろいのだけれど、 辛い、辛い。 アリスは認知症になり、家庭ではケアができず、老人ホームに入る、 その施設ベルビュー(良い眺め)から言い渡される数々・・・ 他人事じゃないわけ。 当初は、我が母をアリスに重ねたけれど、 とんでもない、自分よ、自分! 「この疾患は避けようのない人生の終焉へあなたを近づけていくだけなのです」 「(もう何にも達成できない)哀しいかな、パーティは終わったのです」 わたしもパーティが終わるときが、刻一刻と近付いているんだよね ・・・と、ここまで、わたしをがっくりさせる、 ジュリー・オオツカってすごい! お初の作家さん。同年輩。 父親は航空エンジニアで、父の移住によりアメリカで誕生。 母は日系二世。 この年代、ちょっと上だけれど、カズオ・イシグロも才能溢れる父親が イギリスに移住したよね。 あの頃、おそらく敗戦後の混乱の頃、多くの優秀な若者が欧米に流れたんだね。 ああ、損失! 今も同じ・・・? 9月25日追記:ジュリー・オオツカの邦訳3冊を読むきっかけになった。 久しぶりに翻訳ものを読むことができ、楽しかった。
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スイミングと人生がどうつながっていくのか興味津々で読み始めて72ページで中断というか、読むのやめ。いちいち「覚えてる」「覚えてない」の言い回しがくどくてうっとおしい。3人称が誰を指しているのかわかりにくい。文体自体が性に合わない。カーネギー賞受賞だっていうではありませんか?!(知...
スイミングと人生がどうつながっていくのか興味津々で読み始めて72ページで中断というか、読むのやめ。いちいち「覚えてる」「覚えてない」の言い回しがくどくてうっとおしい。3人称が誰を指しているのかわかりにくい。文体自体が性に合わない。カーネギー賞受賞だっていうではありませんか?!(知らんけど)。私にとっては無駄な時間でした。
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