キリンを作った男 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・87年のスーパードライの登場で、88年からキリン・サッポロ・サントリーの間でドライ戦争 ・麦芽を粉砕してお湯に浸すと、麦芽の中の酵素の働きでデンプンが糖に変わり、甘い糖化液が得られる。これをろ過したのが一番搾り。再度お湯を加えてろ過したのが二番搾り。これら麦汁に酵母を加えて発酵させる。酵母が下に沈む下面発酵でできるのがラガー、上に浮かぶ上面発酵でできるのがエール。 ・ドライビールでは麦汁中の糖の9割以上を酵母が食べてしまうため、アルコール度数とガス圧が高くなる。結果としてキレのある爽快なビールになる。 ・94年にサントリーが発泡酒を発売。翌年にはサッポロも参入し、発泡酒市場が形成されていく。発泡酒は麦芽比率が低いため、コクや味わいが出にくい。淡麗はその弱点を克服するため、大麦を副原料に使っている。 ・アサヒは96年に生ビール売り上げNo.1宣言を出して、キリンを生ビールの土俵に引きずり込む。これはキリンのラガーから客を引き離し、アサヒの得意な生ビールで客を囲い込むという戦略だった。 ・海外では生ビールと熱処理ビールの違いはない ・具体的な事実をもって簡潔に説明するのではなく、複雑で抽象的な概念と向き合うことがマーケティングでは非常に重要 ・ロングセラーの5つの条件は①企業の思い入れ、②オリジナリティ、③本物感、④経済性(お得感)、⑤親しみやすさ。 ・宣伝を効果的に行うには、①一つの商品にたくさんの情報価値を盛り込む、②発信する情報を受け手の身になって考える、③時代を読む、④関与者を多く作る、⑤即効性の高いメディアほど情報感度は低い、⑥追いかけるより追いかけさせる構造を作る
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普段、飲み物って気分に合わせて飲んでるけど、各企業こんな市場競争があってそれぞれの想いがあるなんて、当たり前だけど消費者側はあまり気にしないんだよな。 それを踏まえて読んでみると、キリンの社員の努力と前田さんの人を育てるという姿勢がとても興味深かった。 変化を嫌うのは人間の性なん...
普段、飲み物って気分に合わせて飲んでるけど、各企業こんな市場競争があってそれぞれの想いがあるなんて、当たり前だけど消費者側はあまり気にしないんだよな。 それを踏まえて読んでみると、キリンの社員の努力と前田さんの人を育てるという姿勢がとても興味深かった。 変化を嫌うのは人間の性なんだろう。 そこを突破して、刷新していく意志と行動がマーケティングには大事ということ。学びが多かった。 淡麗、一番搾り、氷結に全て関わってるって普通に凄い笑 キリンの飲み物めちゃくちゃ飲んでるなあ。サラリーマンってやっぱりかっこいい。
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□問い:「一番搾り」、「淡麗」、「氷結」といったいくつものヒット商品を生み出せたのか? □答え:お客様が欲しいもの、必要とするものを徹底的に考え続ける力があったこと、過去の成功体験にあぐらかをかかず次の成功、新しい価値想像を常に追い求めてやり切る粘り強さがあったから
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差別化、戦略について少しヒントをもらいたくこの本を購入。私は体系としてまとまった学問的な学びよりも、ノンフィクション企業小説ジャンルの方が物事を理解しやすいのだと分かった。同様の本を、また探して読んでみたい。
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お酒を全く飲まない自分だが、マーケティングに興味があり読みました。 キリンラガーという会社にとって命とも言える商品の人気に胡座をかき、アサヒビールのスーパードライに追い付かれ追い越され、自分達の会社がいかに内に向いていたかを思い知らされる。 ラガーに変わる商品、常識はずれの手法で...
お酒を全く飲まない自分だが、マーケティングに興味があり読みました。 キリンラガーという会社にとって命とも言える商品の人気に胡座をかき、アサヒビールのスーパードライに追い付かれ追い越され、自分達の会社がいかに内に向いていたかを思い知らされる。 ラガーに変わる商品、常識はずれの手法で開発した一番搾り、社長自ら卸店に出向く営業、社名を出さないハートランド、メルシャンのM&A、発泡酒の後発、健康志向への先見の明…。会社とはいろいろなことが起こってこその社会の一部だと考えさせてくれる一冊でした。
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この本を読んで考えさせられたのは、今現状は良くても今後どうなるかを常に考える。 これからの時代は何を求めどう動くのか? 人は今後どう考え何を必要とするか? 実際にその環境の人に聞いてみる。 一つの商品に沢山の情報価値=語りたくなる伝えたくなる価値を盛り込む 発信しようと...
この本を読んで考えさせられたのは、今現状は良くても今後どうなるかを常に考える。 これからの時代は何を求めどう動くのか? 人は今後どう考え何を必要とするか? 実際にその環境の人に聞いてみる。 一つの商品に沢山の情報価値=語りたくなる伝えたくなる価値を盛り込む 発信しようとする情報を受け手の身になって考える、整理する 時代を読む 関与者を多く作る 即効性のあるメディアほど情報は鈍い。雑誌→新聞→ラジオ→テレビの順早を意識する 追いかけるより追いかけさせる構造を作る などなど前田さんの人生やストーリーが盛り込まれて感情が入り込みやすく、読み応えのある本でした!
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キリン希代のマーケター前田仁氏の評伝。お客様目線、客観的な視野、妥協しない姿勢、思いやりの心。ここに書かれていること一つ一つを、自分自身、大事にしていかないといけないと感じた。良い作品。
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サラリーマンを奮い立たせる内容だった。明日から頑張るぞと思っても現実は厳しいので、せめて一番搾りを美味しく飲みます。
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最近のキリンのヒット商品をつくった前田仁という人の評伝。寡聞にして知らなかったのだけれど、キリン中興の祖といったところか。しかし酒類の規制緩和は90-00年代の話で、それがなければいまのようにコンビニでお酒が買えるということもなく、さらに大規模小売店法に関する規制緩和がなければ、...
最近のキリンのヒット商品をつくった前田仁という人の評伝。寡聞にして知らなかったのだけれど、キリン中興の祖といったところか。しかし酒類の規制緩和は90-00年代の話で、それがなければいまのようにコンビニでお酒が買えるということもなく、さらに大規模小売店法に関する規制緩和がなければ、街の商店街でお酒を買うことになっていただろうからだいぶマーケットに与える影響も違かっただろうと思う。 アサヒとキリンのつばぜり合いは続いているけれど、感覚的にはアサヒはスーパードライの呪縛から逃れきれていないように思うけどどうなんだろう。キリンの方が新しい商品にチャレンジしているとは思う。
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一番搾りを開発した希代のマーケターの話。市場環境や顧客視点はプロダクト開発などマーケティング、そして組織論のケースとしても面白い。 特に印象に残っているのが、アサヒがスーパードライを開発して猛追してくる時代。プロダクトとしての価値はもちろんだが、それを売る営業マンのある種の気合...
一番搾りを開発した希代のマーケターの話。市場環境や顧客視点はプロダクト開発などマーケティング、そして組織論のケースとしても面白い。 特に印象に残っているのが、アサヒがスーパードライを開発して猛追してくる時代。プロダクトとしての価値はもちろんだが、それを売る営業マンのある種の気合いと根性のような部分も描かれていて、やる気が出る 結局、美しい論理に基づいて戦略やプロダクトを作ってもそれを実行する人の行動力が無ければ絵に描いた餅になってしまう。追うものと追われるもの立場、組織の同一性への危惧など様々な観点でビール業界とプレイヤーが紐解かれている一冊。 マーケティング、営業、組織、こういった点に興味がある人にはおすすめできる。
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