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わたしは食べるのが下手 の商品レビュー

4.3

10件のお客様レビュー

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2025/01/21

食べることは生きること。 中学生の給食について、の話のような帯のあらすじは、半分間違えてるなと思います。 そんなに簡単な内容ではなく、食べること、生きること、それぞれの家庭の事情、心の悩み。 給食を食べないといけない強要する学校の制度、給食の良さ。 優しく書かれているので、...

食べることは生きること。 中学生の給食について、の話のような帯のあらすじは、半分間違えてるなと思います。 そんなに簡単な内容ではなく、食べること、生きること、それぞれの家庭の事情、心の悩み。 給食を食べないといけない強要する学校の制度、給食の良さ。 優しく書かれているので、重い内容にはなっていないが知ってて損の無いこと。中学生向けかな?

Posted byブクログ

2025/01/16

児童書のコーナーに置かれてるのがもったいない。 ほんとにもったいない。 生きづらさを抱えている大人にこそ読んだら深く味わえるお話だと思った。 食べること、と、生きることは、どうしたって切り離せなくて、でも、「たかが食事」のはずなのに、いろいろな要因で食べるのが下手になる。 会食...

児童書のコーナーに置かれてるのがもったいない。 ほんとにもったいない。 生きづらさを抱えている大人にこそ読んだら深く味わえるお話だと思った。 食べること、と、生きることは、どうしたって切り離せなくて、でも、「たかが食事」のはずなのに、いろいろな要因で食べるのが下手になる。 会食恐怖症、宗教上の理由、経済面、過食嘔吐… 心理について最近学んでいるから、そのどれもが背景まで見える。分かる。なんでそうなるのか。 中学生って、そんな、自分の家庭環境とか、置かれた状況に対してどう思っているか、他人に上手く説明出来ないよね。いや、大人でもそうか。 というか年齢関係なく、上手く伝えられるか否かは個人差があるか。 橘川先生の対応が良かったと思う。子供扱いしないで、大人に合わせて大人のやり方でやってきなさい、と助言するあたりが。 会食恐怖症については、「作りたい女と食べたい女」という漫画でも出てくる。少食の人も。 反面、がっつり食べたい人もいるだろうし、食べたいのにお金を気にして食べられない人もいる。 ハラールのこと、「食べられない」って表現するのは、「食べられる方が良いことである」と無意識に刷り込まれていることの現れだって読んで、ドキッとした。 何も考えずに口からペロッと出した言葉によって、実は自分はどんなことを良しとしていて、どんなことを悪としているのか、根底の価値観が浮き彫りになる。 自分だってある分野ではマイノリティで、分かってもらえない悲しさや、分かろうとすらしない姿勢に傷付いてきたというのに、こうしたところに無意識が出る。 知らぬ間に「私はマジョリティですけど?」「それが正しいんですけど?」何か?って。 だから小説や漫画で、誰かのセリフで聞くたびに、そうだった、無意識に差別してたと気付く。 あぁ、なんかうまく言えない。 キャラとしてはラマワティが一番好き。でも、一番感情移入したのは、咲子。 私の両親は放任主義よりは過保護寄りだし、状況的には葵の家庭に近い。でも、なぜか咲子の心情がすごく共感できる。 きっと、お母さんは私のことを見てくれない、話を聞こうとすらしない、って、「寂しい」思いが重なったと感じたからかな。 でも咲子のお母さんはちゃんと咲子を守ってエラいね。あそこでも変わらないと思ってた。リアルだったら、きっとお父さんについて行っているだろうな。 自分の存在意義が美しさで、そのために子供をないがしろにして整形してるんだから。 …マズい、実母への思いが歪んで咲子のお母さんに八つ当たりしてしまった。 このお話ではハッピーな見えるところで終わってるけど、現実では続いていく。 吐き出せないし飲み込めない。喉のところにつかえて取れないしこりをどうするか。 「そのままにしておけばいいんじゃないですか」 これと似たシーンを、「純喫茶ねこ」の何巻だったか忘れた巻数で見た。(調べたら9巻でした) そのままにしておく。 けっこう勇気のいることだよなぁ。 なんとかしようと焦ってしまうし、動いている方が改善に向かっているような気がしてしまうから。 咲子も言っているように、欠けたままの自分でそのまま生きていくしかない。 何もしてなくても、何を持っていても、私は綺麗だ。 生きているだけで、美しいんだ。 もうほんと、単なるお話には留まらなくて、読んでて涙が出てきた。ゆえに言葉が上手く出てこない。 病気を治すには時間がかかるだろう。その根本となった環境を変えるには、もっと時間がかかるだろう。 傷付いた自分を癒すためにも、莫大な時間がかかる。 けれど、咲子や葵はもう既に進んでいる。回復へ。 葵に至っては病名を知れただけで進んでいる。なにせ自分が人前では上手く食べられない、食欲がないことで自分を責めて、病名を知るまでに何十年とかかる人が多いだろうから。 病名を知るだけでも、そして自分はそういう病気があるんだと受け入れるだけで、もう客観的に自分のことを見られている。それがもう素晴らしい。 咲子は、過食嘔吐のことを知っている人が2人もいる。身近に。そして、否定してこない。ま、肯定も当然しない。 そして赤ちゃんの胎動に触れて、命に感動して、食べることと生きることが結びついていく。 嫌なことから逃げるための餌ではなく、食べたものが自分の身体を作っていることを体感する。 料理もやってみる。そうして拒絶していた自分の世界に、今までと違う温かい世界を取り入れていく。 2人とも少しずつ変わっていく。その様を見られて、なんて幸せな時間を過ごせたんだと、読後に感じる。

Posted byブクログ

2024/12/26

うちの子達も食べるのが得意ではないので手に取った本 こんな予定じゃなかったのに涙ぐんでしまうシーンがたくさんだった 会食恐怖や摂食障害、貧困などそれぞれ苦しみ悩みがあって中学生たちがお互いにそれを知っていく過程がいい 食べることは生きることで、子どもが巣立つまではそれが家庭と密接...

うちの子達も食べるのが得意ではないので手に取った本 こんな予定じゃなかったのに涙ぐんでしまうシーンがたくさんだった 会食恐怖や摂食障害、貧困などそれぞれ苦しみ悩みがあって中学生たちがお互いにそれを知っていく過程がいい 食べることは生きることで、子どもが巣立つまではそれが家庭と密接に繋がっていることを考えさせられた 悩みが解決するわけじゃないけど、それを抱えながら成長していけそうなラストが爽やか!

Posted byブクログ

2024/11/22

美味しいごはんを食べるのは幸せだ。なんてことばかりではない。会食恐怖症、摂食障害、宗教の違いによる食事事情、貧困により給食に頼ること。中学生の世界でも食に対して困っていることがある。ただのワガママ、好ききらいだと思われ理解されない葵、過食嘔吐に苦しむ咲子、特に咲子の摂食障害の描写...

美味しいごはんを食べるのは幸せだ。なんてことばかりではない。会食恐怖症、摂食障害、宗教の違いによる食事事情、貧困により給食に頼ること。中学生の世界でも食に対して困っていることがある。ただのワガママ、好ききらいだと思われ理解されない葵、過食嘔吐に苦しむ咲子、特に咲子の摂食障害の描写がすごかった。摂食障害ってああいう感じなのかな。ごはんを残すことは今の時代、悪いことなのかもしれない。でもその人にしか分からない苦しみや悩みがあったら?安易に他人を批判しちゃいけないなあと思わされた。

Posted byブクログ

2024/11/18

中学生向けの本なのかもだけど,面白くてすぐに読み終えた。思春期の複雑な気持ちが懐かしかったし、子育ての参考になりそう。

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2024/11/13

☆3.8くらい もう少し大きくなったら子に読んでほしい 今はつっかえたままでもいい 生きるのが上手な人なんていない

Posted byブクログ

2024/11/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

食べることは、生きること。 葵は給食も母の食事も食べ切れない。咲子は食べたい衝動でたくさん食べては吐いてしまう。給食を教室で食べられなくなった2人は、栄養教諭の橘川先生に言われて、給食改革に乗り出すが——。 食べることが大好きな自分だけど、食べることは難しいと思う。自炊するようになって気付けば栄養は偏り、身体が重いのは野菜が足りてないからかなとか思い出す。完璧な食生活をキープするのは難しすぎる。給食は、メニューとして食べれないものはなかったけど、時間内に食べ切れなくて苦手だった。 葵の喉にずっと詰まっていたものは、咲子が吐き出したかったものは、ないがしろにしていた自分。食べるもので自分ができているのならば、食べるものを自分で作るのは、自分を作ること。橘川先生が示した給食改革は、食べるものを自分で考えて、変えること。それはすなわち自分の生き方を考え、変えることも続けることも含めて選ぶこと。 短い給食時間や完食指導のこと、ハラールのことや、給食で栄養を満たす家庭のことも触れられていた。小学校では当然のように存在するのに、給食の問題は、あまりに乱暴に扱われてきたのではないか。確かに残さず食べることは大切で、食品ロスは大きな問題だけど、決められた時間で決められたメニューの決められた量を皆が残さずに食べるのは、不可能なことだと考え直す時期だろう。給食にできることはもっとある。ほんの少しだとしても彼女たちの給食改革が示したような、よい方向に向かっていってほしい。 正しく食べれている人はほんのわずか。それぞれに適したスタイルがあることを、それぞれが理解して、大事にできたらと思う。食べることも、生きることも。

Posted byブクログ

2024/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本のタイトルに惹かれて手に取った。 最近「食べること」について考えることが多かったのも理由に挙げられる。 食は直接身体を形作るもので、命を動かすものだと改めて突きつけられる物語だった。身体は食べたもので出来ているし、生命を維持できるのはその身体あってのもの。それは真実で、当たり前なことだけど残酷に映る瞬間もある。生命に激しく触れるとき、食というものが途端に大きな意味を持つと実感した物語だった。逆に、そうでないとき意味を疎かにしてしまうものだということにも気がついた。 会食恐怖症の人、過食嘔吐の人、宗教上食べ物を選ぶ人、様々な「食べたくない」があり、それぞれに理解しようと努めなければ必ず傷つけてしまうような苦痛や葛藤がある。それは病気を持つ人、持たない人に隔たりなく関係があることで、それを忘れたくないと強く思う。 「『正しく食べる』のは大人でも難しい」というキャラクターの発言に、そう言われてみればそうか、と食べるのが下手な自分がそのときすっと納得していた。

Posted byブクログ

2024/10/26

食べるのが遅い子,好き嫌いが多い子,アレルギーを持っている子,人前で食べるのが怖い子,食べ物が消化吸収されるのが怖い子,家庭で十分な食事ができない子,宗教上の理由で口にできないものがある子 学生時代多くの子供がどれか1つでも経験したことのある壁ではないかと思う。 楽しいはずの食が...

食べるのが遅い子,好き嫌いが多い子,アレルギーを持っている子,人前で食べるのが怖い子,食べ物が消化吸収されるのが怖い子,家庭で十分な食事ができない子,宗教上の理由で口にできないものがある子 学生時代多くの子供がどれか1つでも経験したことのある壁ではないかと思う。 楽しいはずの食が恐怖に変わった時、生きている楽しみが亡くなってしまう。 給食かお弁当か。学期や学年毎に選択できるようになったら良いのにと思う。 児童書ではあるが、大人や先生にも読んでもらいたい本。 咲子や葵たちに真正面から真剣に向き合ってくれる橘川先生のような大人が1人でも多く教育現場にいてくれたらと思う。

Posted byブクログ

2024/07/20

このような本が、小説として登場するようになったことを嬉しく思う。会食恐怖症(当時はこんな名前ついていなかった)の苦しみがピークだった小学時代の私にもそっと差し出してあげたかったな、と読んでいて涙が出た。 でも、自分のことで精一杯で、コッペのような家庭もあることを理解していなかっ...

このような本が、小説として登場するようになったことを嬉しく思う。会食恐怖症(当時はこんな名前ついていなかった)の苦しみがピークだった小学時代の私にもそっと差し出してあげたかったな、と読んでいて涙が出た。 でも、自分のことで精一杯で、コッペのような家庭もあることを理解していなかったり、当時は多国籍社会ではなかったけど「豚肉を食べられない」という表現を私もしてしまう気がしたりで、省みる部分もあった。

Posted byブクログ