暁の報復 の商品レビュー
これで彼はおとなしく収監されて 終わりなのか? 不安あり。 来年は2作品が翻訳出版される由、 楽しみに待ちたいと思います。
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『ジョーに恨みを抱くあの男が出所。自分と家族を守れるのか――?』 帯にある文字を見て、まず思ったのは「え、誰のこと?」だった。 「あの男って、誰?」 シリーズ17作目である。 17作目にもなると、主人公ジョー・ピケットを恨む人など 色々いて当然なわけで、シリーズを読んでいる読...
『ジョーに恨みを抱くあの男が出所。自分と家族を守れるのか――?』 帯にある文字を見て、まず思ったのは「え、誰のこと?」だった。 「あの男って、誰?」 シリーズ17作目である。 17作目にもなると、主人公ジョー・ピケットを恨む人など 色々いて当然なわけで、シリーズを読んでいる読者だって、 「誰?」 となって、当然なのだ。 シリーズ15作目『嵐の地平』に出てきた男が「あの男」である。 では『嵐の地平』を読んでいたほうがいいのか? というと、いきさつはこの『暁の報復』に全部書いてある。 だから、いきなりこの『暁の報復』を読んでも問題はない。 ただ、「やっぱり詳しく知りたいな」 「『嵐の地平』も楽しみたいな」 そう思う人は『嵐の地平』を先に読むことをおすすめする。 シリーズを1冊読むと夢中になる人は多く、結局は次々と読み出す人が多いのだから、読んでおいてなんの障りもないのだけれども。 シリーズの魅力は「現代版西部劇だから」につきる。 主人公ジョー・ピケットの、不器用だけどまっすぐな生き方を、読者は「いいな」と思ってしまうのだ。 妻を愛し、娘たちを愛し、友達を大事にし、仕事には熱心にとりくむ生き方に、読者は皆「いいな」と思わざるをえない。 猟区管理官なのに、知事に違反切符を切り、なぜか死体をみつけ、いつの間にか事件のただなかにおり、 車をこわしてしまう仕事ぶりに、読者は苦笑しつつもワクワクしてしまう。 「この話では、ジョーはどう死体に遭遇するんだろう?」 「ジョーはどう事件にからむんだろう?」 「ジョーはどう車を壊すんだろう?」 作者C・J・ボックスにひとつ聞いてみたいことがある。 シリーズの流れや行くつく先を考えているかということだ。 シリーズは全10巻で構成されて、こういう流れで進んでいく。 1巻ごとの話はこんな感じで、シリーズを通しての謎はこんな感じで・・・・・・と、話の始めに作者が考えていそうなシリーズものはある。 それは面白い。 けれども、このジョー・ピケット・シリーズについては、私は、作者はあまり考えていないのではないかなと感じる。 読んでいて感じるのだ。なんというか・・・・・・ライヴ感というものを。 え、この人死んじゃう? この人ここで登場? この人ここで退場? 人の行き来や、物事の巡り合わせに、驚くことが多いのだ。 シリーズ1冊目『沈黙の森』は、作者はシリーズ化を考えずに書いたという。 あれよあれよという間に人気が出て、現在、本国アメリカでは25巻(日本では17巻)も続き、ドラマ化までされているのだ。 シリーズ化を考えずに書いた流れのままに、ジョー・ピケット・シリーズはライヴ感をもって、流れや行き着く先を、考えずに書かれているのではないかなあと、読みながら勝手に想像している。 私にとって、ジョー・ピケット・シリーズはこれだ。 「ライヴ感のある現代版西部劇」 ファンのみなさん、喜んでほしい。 ジョーの盟友、ネイト・ロマノウスキは元気だ。 もう彼は指名手配犯ではなく、仕事も順調で、おかげでちょっとお疲れのようだが、ジョーと動いているときにはいきいきとしている。 そして、なにより一番大事のは、相変わらず格好いいことだ。 そして、ミッシーも出てくる。 ジョーの愛妻メアリーベスの母である。 私は彼女のファンではないし、むしろ嫌いなのだが、シリーズを通してのこの悪役(ヴィラン)が出ると、話が面白くなることは否定できない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十六弾。 何度もこのシリーズに登場し、 何度も危ない目に遭いながらも生き延びて来たフォーカスが、 とうとう殺されてしまう。 「嵐の地平」で刑務所送りになった元ロデオ・チャンピオンが、 自分の家族の死や四肢麻痺の原因だと思っているジョーに復讐しようとしている、 という伝言を残して。 赤外線装置の画面を通して、殺人現場を目撃した幕開けも恐怖だったし、 コミュニティ・カレッジに通い始めたエイプリルの家に衝撃者が現れ、 同居人が間違われて刺されたのも怖かったが、 何と言っても恐ろしかったのは、義母ミッシーの登場だ。 元チャンピオンの弁護士の妻として現れる。 猫なで声で娘と孫娘たちを豪邸に招き入れる狙いは何なのか。 ジョーが支給車を駄目にしてしまうのはいつものことだが、 今回は官舎である自宅にグレードアップ。 放火されてしまった。 馬と犬が犠牲になってしまいかわいそうだった。 面白かったのは、飾ってあったエルクの剥製が袋角の状態であり、 狩猟シーズン前に狩りを行ったことを見抜いたジョーが、 静かに脅して相手から情報を得た場面。 相変わらず手助けをしてくれたネイトは、前作の仕事で容疑を抹消され、 タカ狩りサービスの会社を軌道に乗せていた。 忙しすぎるぐらいに。 そして、新しい州知事がジョーに接触してきた。 彼はジョーが何でも屋ではないことをまだ知らない。
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「大草原の小さな家」の現代ハードボイルド版。 いっつも新刊を待たされ、あっというまに読了して★は五つと決まっている。創元推理文庫さん、何をもったいぶってんの?来春と来秋に、つまり年に二回も新作が出るなんて帯に書いてあったけど喜べない。とにかく出版が遅すぎる。私は行列に並ぶのも人を...
「大草原の小さな家」の現代ハードボイルド版。 いっつも新刊を待たされ、あっというまに読了して★は五つと決まっている。創元推理文庫さん、何をもったいぶってんの?来春と来秋に、つまり年に二回も新作が出るなんて帯に書いてあったけど喜べない。とにかく出版が遅すぎる。私は行列に並ぶのも人を待つのも苦手。ましてや喉から手が何本も出るほど読みたいのに年に二冊刊行とは何事だ!その二冊も含めて未刊行は七作品もあるっていうのに。 「暁の報復」は七年も前にアメリカで出た作品だよ。まだまだメアリーピケットも若いし、三姉妹だって二十歳前後だ。 嗚呼、このままネイトロマノウスキの格好良さもピケットの正義感も三姉妹の成長具合も半年待たなければ分からないなんて、山ヨモギの平原へ打ち捨てられたような、吹雪のビッグホーン山脈を彷徨うような、エルクの群れに囲まれてしまったような、途方に暮れる気分。 兎に角翻訳の野口百合子さん、お願いしますよ。年に三冊は刊行してくれぇ! でないと毎日眺めているグーグルマップのワイオミング州(舞台)だけに穴が開いてしまうぞぉ。 こういう感想は出版社に対する、脳味噌に積年のカスが溜まった、カスタマリハラスメントというのだろうか?
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〈ジョー・ピケット〉シリーズ。『嵐の地平』に登場したダラスが出所し、ジョーとの因縁が描かれている。ジョーの家族が狙われ、ハンターが殺害される事件が起きる。その裏にいるのはダラスなのか。二転三転していく中でジョーの友人のネイトの登場や家族間のつながりもしっかり描かれていてシリーズと...
〈ジョー・ピケット〉シリーズ。『嵐の地平』に登場したダラスが出所し、ジョーとの因縁が描かれている。ジョーの家族が狙われ、ハンターが殺害される事件が起きる。その裏にいるのはダラスなのか。二転三転していく中でジョーの友人のネイトの登場や家族間のつながりもしっかり描かれていてシリーズとしての読みどころもある。ダラスの不気味さや、ジョーに対する憎しみの深さが作品の緊張感となっていてラストまで気が抜けない。来年には二作邦訳されるということでそれもとても楽しみ。
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猟区管理官ジョー・ピケットの留守電に、知人のファーカスから伝言が残されていた。ダラス・ケイツとその仲間が、ジョーを襲う密談をしているのを盗み聴いたという。ジョーの娘の元恋人であるダラスは2年前の事件で家族ともども破滅し、その一因となったジョーに強烈な恨みを抱いていた。その後ファー...
猟区管理官ジョー・ピケットの留守電に、知人のファーカスから伝言が残されていた。ダラス・ケイツとその仲間が、ジョーを襲う密談をしているのを盗み聴いたという。ジョーの娘の元恋人であるダラスは2年前の事件で家族ともども破滅し、その一因となったジョーに強烈な恨みを抱いていた。その後ファーカスの遺体が発見され、犯人を捜しはじめるが、ピケット一家にも次々と危機が襲いかかる。 シリーズ第17作。版元が変わって5作目。毎年紹介が続いていて、本当にありがたい。出来不出来の波があまりなく、いつも楽しんでいる。
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