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日蓮の思想 の商品レビュー

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2025/04/30

 一口に仏教と言っても、その教えは多種多様だ。そのうち仏教の本質(と著者が信じるところ)である法華経にフォーカスして、日蓮の思想を解説している。同じ内容を手を変え品を変え様々な表現で繰り返し説明しているため、非常にわかりやすい。ある程度仏教についての知識があり、特に法華経を詳しく...

 一口に仏教と言っても、その教えは多種多様だ。そのうち仏教の本質(と著者が信じるところ)である法華経にフォーカスして、日蓮の思想を解説している。同じ内容を手を変え品を変え様々な表現で繰り返し説明しているため、非常にわかりやすい。ある程度仏教についての知識があり、特に法華経を詳しく知りたい人にはピッタリの良書である。  ただ、日蓮を宗祖とする宗派(日本に39団体あるそうだ)にありがちな独善的原理主義がチョイチョイ垣間見えるところが気になる。南方の上座部仏教を異教と融合した小乗仏教と見下したり、阿弥陀如来や大日如来を誰も見たことのない架空のスーパーヒーローとして切り捨てる。それを言うなら久遠の過去から永遠の生命を持った釈尊がたまたまヒトの形に仮借して教えを説いたというストーリーも想像上の産物でしかない。また極楽浄土の存在もファンタジーとして一蹴するが、法華経でも地獄の存在は想定しており、その違いがわからない。畢竟宗教とは「信仰」で成り立つものであり、他人が何を信じていようが余計なお世話である。

Posted byブクログ

2024/10/10

読みやすい。 よくも悪くも著者の価値観、倫理観が色濃く出ている。 著者は学者であると同時に説法者でもある。珍しいケース。 ところどころ、仏教学以外の分野への言及で勇み足を感じてしまった。 身分差別を超克した不軽菩薩の教え。男女の差別を乗り越え、男性原理、女性原理の両方の面で人...

読みやすい。 よくも悪くも著者の価値観、倫理観が色濃く出ている。 著者は学者であると同時に説法者でもある。珍しいケース。 ところどころ、仏教学以外の分野への言及で勇み足を感じてしまった。 身分差別を超克した不軽菩薩の教え。男女の差別を乗り越え、男性原理、女性原理の両方の面で人格の完成ができるとした日蓮。 その普遍的な価値観は、思想レベルでの平等性は分かるが、現実に身分、性別で差別されているものを厳しく言えば見捨てていることになり、放逐すべき物を放置していることにならないだろうか。苦悩に満ちた現実を忘れ、完成された思想に酔っているかのようだ。 袴谷憲昭の『批判仏教』を再読したくなった。

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