黄昏のために の商品レビュー
「板上に咲く」を読み終え、「黄昏のために」のページを開いた。驚いたことに、この作品も芸術家の話だった 版画と絵という違いはあるが、なんと奇遇 たまたま、選んだ本 北方謙三作品も久しぶり この作品は絵描きの話だが、もしかしたら北方謙三氏が小説を描くとき、すなわち自分を絵描きとして描...
「板上に咲く」を読み終え、「黄昏のために」のページを開いた。驚いたことに、この作品も芸術家の話だった 版画と絵という違いはあるが、なんと奇遇 たまたま、選んだ本 北方謙三作品も久しぶり この作品は絵描きの話だが、もしかしたら北方謙三氏が小説を描くとき、すなわち自分を絵描きとして描いた自伝ではと思った
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10代後半から20代前半まで、この作家の書くハードボイルド作品を貪るように読んだ。いつしか熱は冷め(あまりに多すぎた)、氏も別のジャンルに転向したが、14年振りの現代ものだというので読んでみた。 本書に収められた18篇の短篇(ショートショート)には、原稿用紙15枚という枷が課せら...
10代後半から20代前半まで、この作家の書くハードボイルド作品を貪るように読んだ。いつしか熱は冷め(あまりに多すぎた)、氏も別のジャンルに転向したが、14年振りの現代ものだというので読んでみた。 本書に収められた18篇の短篇(ショートショート)には、原稿用紙15枚という枷が課せられている。その枷の中で50代後半の画家が日々の出来事を一人称で語っていく。絵の素材を探しに出たり、スケッチをしたり、酒を呑んだり、料理をしたり……。 ハードボイルドというより純文学っぽいかな。残念だが、ぼくにはこの作品はピンとこなかった。
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新刊の場所に置いてあったので手に取ったが目につかなければ読まない作家。 難しい文章なのかと思ったが小説だけど終わりがない自伝ぽい1人の画伯と呼ぶには若い考え方。年齢を経ても、どれだけ売れていても納得できていない初老が何気ない日常や画に対する感情、考え方をつらつらと書いているが文章...
新刊の場所に置いてあったので手に取ったが目につかなければ読まない作家。 難しい文章なのかと思ったが小説だけど終わりがない自伝ぽい1人の画伯と呼ぶには若い考え方。年齢を経ても、どれだけ売れていても納得できていない初老が何気ない日常や画に対する感情、考え方をつらつらと書いているが文章に引き込まれていく。優雅で画だけに情熱を燃やす独身貴族。情熱を燃やしていないのか??真摯な姿勢で臨んでいるとは思うが。他人とも関わる事がほとんどない羨ましい生活を送っている。自分もそんな人生を歩んでいきたい。
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連作短編集18篇 短編集とはいえ,全体を通して一人の画家が何かを探しながら自分のスタイルのようなものを確立していく.画商や友人あるいはゆきずりの人との会話も気が利いている.ストイックに奔放に作る料理が美味しそうで,その分量にも圧倒される.男の料理だと感じた.料理だけでなく全体の調子が,探偵ものではないがハードボイルド風でかっこよかった. 再読
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もう読めないと思っていた北方謙三の現代小説。 歴史モノでも十分に気取ったハードボイルドを楽しませてくれていましたが、やっと願いが叶いました。 若い頃の作品と違い、喧嘩もカーチェイスも無ければ、ヤクザも探偵も登場してこない。 指先の絵の具の汚れを極度に気にする初老の画家が主役の気取...
もう読めないと思っていた北方謙三の現代小説。 歴史モノでも十分に気取ったハードボイルドを楽しませてくれていましたが、やっと願いが叶いました。 若い頃の作品と違い、喧嘩もカーチェイスも無ければ、ヤクザも探偵も登場してこない。 指先の絵の具の汚れを極度に気にする初老の画家が主役の気取ったハードボイルド。それが良い。 短編集のため気楽に短時間で読むことができます。
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北方謙三『黄昏のために』。画家である「私」。好きなものを食い酒を呑み料理を作る。そして、ストイックに独り、絵を描く…。ハードボイルドは職業ではない、生き方だ。この作者さん、久々に大河以外の小説を読んだ!
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北方謙三久しぶりの現代小説。作家名を知らずに読んでも北方だとわかる、まさに北方小説。 主人公は中年の画家。一人称で語られる短編集。主人公はまさに北方そのものではないのか。悩みも暮らしぶりも。でも金のある気ままな暮らしというのも、やはりいいものだという気もしてしまう。
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画家である主人公のある日の過ごし方や出来事を淡々と描いている。文体と内容が実に男っぽいのはファン作家の北方謙三氏だった。画家の1日の過ごし方がよく現れている素晴らしい!
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すごく洗練された素晴らしい作品を読みました。小説というより、一つの芸術を鑑賞していたような気分です。 北方謙三が好きだから、この作品に高評価をつけている訳ではなく、まるで純文学を読んでいるかのような、本当に無駄を削ぎ落とした一つの人生の完成形をそこに体感しました。 画家である主人公の一つ一つの行動を通して、人生の深みを覗きながら、物語を読む。そこには画家として当たり前の行動、人として当たり前の行動、個人として当たり前の行動、つまり主人公にとって何気ない時間の流れをただ書いているだけです。その一つ一つの動作から、何を感じ、何を得るのか。人によって答えは違ってくる、その答え次第で、面白いか面白くないかはまた評価は分かれると思います。 自分の気持ちや感情を薄く削り続けた先に辿り着く境地、あまりにも無の衝撃が自分の心を襲っています。 北方謙三のエッセイなどを読んでいれば、この作品はさらに楽しむことができると思います。心が潤ってるや、渇ききっている時ではなく、少し渇いていると実感できた時に読んでみてください。 わかる人にはわかる、その時分からなくても分かる時がいつか来る、そんな作品でした。
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https://www.nikkei.com/article/DGKKZO81546010R20C24A6BE0P00/
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