1,800円以上の注文で送料無料

明日、晴れますように の商品レビュー

3.7

41件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2026/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前作『七夜物語』の主人公鳴海さよと仄田鷹彦の二人は、冒険のあとそれぞれの人生を送り、大人になった。 そしてさよの息子の絵(かい)と仄田君の娘(りら)は小学4年生、同じ学校のクラスメートである。 りらは、クラスの女子三人組にいじめられている。 父親の仄田くんもそうだったように、頭はいいのに空気を読まない、少し変わったところがあるからだ。 絵はりらがいじめられている事に気付いても、しばらくは何もしなかった。 どうしたらいいのかわからなかったし、そのことについて考えるのも気が重かったからだ。 ふたりが冒険に出るきっかけはそういうことだったのだけど、そこに至るまでの絵の日々、りらの思いなどが丁寧に、薄紙を重ねていくように少しずつ描写されるので、本人たちにも気付けないふたりの戸惑いやもどかしさが、かつて子どもだった大人にもじんわりと伝わってくる。 りらは、お父さんはりらのことをわかろうとする人だと思っている。お母さんはわかるより、安心したい人なのだと思っている。 だから、りらはいじめられていることをお母さんではなく、お父さんに話した。 そして、お父さんは「二人で冒険に行こう」と言った。 思った通り、二人はそこでグリクレルに会い、お父さんは子どもの姿になっていた。 なぜだか絵も子どもの姿に戻ったお母さんと合流することになって、りらと絵は「大切なもの」を探しに出かけることになる。 その中で、二人が気づいたこと。 ”えらい気持ちになると、いろんなことが、見えなくなっちゃう” ”たしかに、自分がえらい、っていう少しいばった気持ちになると、こまかいことをかんさつするより、自分がすごい、っていうことをうれしがることがいそがしくて、それだけでいっぱいいっぱいになる” つまり、自分の自尊心を守るために、他人を貶めたりいじめたりするのではないか、と。 それに対抗するための「大切なもの」とは。 冒険が終わった時、絵は、自分のまわりにいる人たちのことを大切だ、と気づくのだが、しかしそれはずいぶん安易な結末だな、とも思っている。 安易ではダメなのか?とグリクレルに聞いてみたら、いいとかダメとか決めるのも安易じゃないのか?と返ってきた。 深いね。 でもって、その後、絵は「大切なものはね、いっぱいあって、一つだけじゃないっていうことを、見つけた」 そうだね。 自分の中に「大切なもの」がたくさんあるとわかっていれば、相手にも「大切なもの」があると思えれば、人間関係が時にこじれても、自分を大切に思っていられるね。 そして、生きていれば「大切なもの」って変わっていくこともある。 ぬいぐるみが一緒じゃなくても眠れるようになったり、親友が替わったり、離婚したり。 自分の核になる「大切なもの」、自分を成長させる「大切なもの」。 最終章は、りらと絵のその後。 明日は、よく晴れたいい日でありますように。

Posted byブクログ

2025/07/27

七夜物語についてはあまりポジティブな感想だった記憶がないのですが(好みの問題で)、こちらは面白かった。いじめの「いいきみ」の気持ちとか、途中から参加するメイちゃんとその家族のエピソードもいい。小4で第二次性徴期を迎える主人公たちの描写はどうしてこんなに上手いんだろうなあ、と思いま...

七夜物語についてはあまりポジティブな感想だった記憶がないのですが(好みの問題で)、こちらは面白かった。いじめの「いいきみ」の気持ちとか、途中から参加するメイちゃんとその家族のエピソードもいい。小4で第二次性徴期を迎える主人公たちの描写はどうしてこんなに上手いんだろうなあ、と思いました。あと、ちょうど鈴木先生のシジュウカラの本を勧められた当日に読み終わったのもセレンディピティで面白かった

Posted byブクログ

2025/07/06

七夜物語の続編であり完結編。 前回登場した少年少女が子を持つ親となり、今度は支える立場になる。 児童文学のようであり読みやすく出来ており、大人も楽しめる内容になっている。 面白かったです。

Posted byブクログ

2025/05/18

ジャンルで言えば異世界ファンタジーなのだが471pある本書で「夜」の世界に行くのは300pあたりである、和製ファンタジーって異世界に行くまでめちゃくちゃ長いがちよね。グリクレルにまた会いたくて七夜物語のちょっとした後日談かな?ぐらいの気持ちで読み始めたのだが哀しくも清々しい読後感...

ジャンルで言えば異世界ファンタジーなのだが471pある本書で「夜」の世界に行くのは300pあたりである、和製ファンタジーって異世界に行くまでめちゃくちゃ長いがちよね。グリクレルにまた会いたくて七夜物語のちょっとした後日談かな?ぐらいの気持ちで読み始めたのだが哀しくも清々しい読後感に包まれる良い小説だった。川上弘美先生のキャラクター達は本当にお別れになるのが寂しくなる。 あとがきで笑った、ピーツピジジジジ、鈴木博士の研究をみて以来野山でカラ系の声を少しばかり聞き分けられるようになったのだが、私が近づいた途端警戒鳴きをさせることが多々有りちょっと傷つく

Posted byブクログ

2025/05/06

さよと仄田くんの物語が心の成長を描いたものならば、りらと絵くんの物語は体の成長を描いているように思われる。 だから少し、気持ち悪い。 時代は移り変わって、物語は少なくなったのかもしれないと思う。 さよと仄田くんはもともと友達ではなかったけれど、りらと絵くんは友達で、だから着地点...

さよと仄田くんの物語が心の成長を描いたものならば、りらと絵くんの物語は体の成長を描いているように思われる。 だから少し、気持ち悪い。 時代は移り変わって、物語は少なくなったのかもしれないと思う。 さよと仄田くんはもともと友達ではなかったけれど、りらと絵くんは友達で、だから着地点も違うわけで。 でも二人に限らず、恋愛とは違うところでの結びつきがどんどん広がっているようだ。 麦子と南生が夜の冒険を潜り抜けてきたのかどうかは分からないけれど。 夜の冒険が結びつけることもあるし、そうではない時もあるかもしれない。 さよと仄田くんの冒険とその結末は、希有なものだったのかもしれない。

Posted byブクログ

2025/05/04

「七夜物語」の続編。 大人になったさよと仄田くんに出会えた! 大人になった仄田くんは小学生の頃よりしっかりしたなぁ。大人になったのね、仄田くん!と思いました。 夜の世界のことを覚えていないさよと仄田くんが悲しかった。 2人の子供である絵とりら。それぞれの親の性質を受け継いでいる感...

「七夜物語」の続編。 大人になったさよと仄田くんに出会えた! 大人になった仄田くんは小学生の頃よりしっかりしたなぁ。大人になったのね、仄田くん!と思いました。 夜の世界のことを覚えていないさよと仄田くんが悲しかった。 2人の子供である絵とりら。それぞれの親の性質を受け継いでいる感じがしました。

Posted byブクログ

2025/03/16

七夜物語と続編。 リンクしているけど そこまでファンタジーではなく。 みんなのその後が知れて良かった!

Posted byブクログ

2025/02/10

達観した小学生男女のやり取りや、周りの大人の人間関係が、小学生たちの目線で書かれている本作は、日常系なのに不思議な出来事も絡み合って、頭の中で光景を浮かべながら読んでいた。 終始、何かが始まって終わるわけでもない、不思議感じだった。

Posted byブクログ

2025/02/09

前作と全く違うように見えて、魂を同じくするような物語。 好き、嫌い、苦手、楽しい、自分で考えて自分の言葉で表そうとする少年少女の成長譚。 変わっていく自分。変わっていく相手。本当に大切なものは何なのか。静かに心に染み込む物語。

Posted byブクログ

2025/01/12

川上弘美さんの話は、いつもファンタジーだが、懐かしい。子どもの頃、冒険をしたことや、想像の世界に浸っていた頃の忘れいた気持ちを思い出す。 ひとの気持ちは多面的で、難しい四字熟語のように。 『大切なもの』を探して来るんだよ 子どもの時にあったできごとは、きっと忘れないよね。でも...

川上弘美さんの話は、いつもファンタジーだが、懐かしい。子どもの頃、冒険をしたことや、想像の世界に浸っていた頃の忘れいた気持ちを思い出す。 ひとの気持ちは多面的で、難しい四字熟語のように。 『大切なもの』を探して来るんだよ 子どもの時にあったできごとは、きっと忘れないよね。でも、自分の気持ちは、おぼえてるか、わかならい。だって、大人になったら、ちがう気持ちはになっているかもしれなくて、そうすると、もっと前の気持ちをいつまでもおぼえてて、いちいちそのことを思い出していたら、気持ちが決まるのに、すごく時間がかかっちゃうじゃない? なんだ、大切なものって、それじゃあ、最初からぼくのすぐそばにあったんだ。 「その結論だと、まるで『青い鳥』の話みたいで、わかりやすすぎないかい?」 「大切なものはね、いっぱいあって、一つだけじゃないってことを、見つけた」

Posted byブクログ