1,800円以上の注文で送料無料

原爆裁判 アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子 の商品レビュー

3.8

11件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/11/01

NHKの朝ドラ「虎に翼」の三淵嘉子がメインで原爆裁判の判決文を書いたのかと誤解して、読み始めてしまいました。 本書後半は三淵嘉子の弁護士、裁判官としての活動、歩みが書かれていますが、前半に書かれたアメリカの原爆開発から日本への原爆投下、戦後のアメリカの現地被爆調査やビキニでの水爆...

NHKの朝ドラ「虎に翼」の三淵嘉子がメインで原爆裁判の判決文を書いたのかと誤解して、読み始めてしまいました。 本書後半は三淵嘉子の弁護士、裁判官としての活動、歩みが書かれていますが、前半に書かれたアメリカの原爆開発から日本への原爆投下、戦後のアメリカの現地被爆調査やビキニでの水爆実験と被爆迄の記述が同書のメインなのかなとの印象でした。 広島、長崎の原爆投下にジェノサイドであると反対する時の軍人や科学者がいたにも拘わらずも、国際政治の圧倒的力を獲得したい時の権力者の欲望やアジア人に対する人種差別もあり、原爆投下に突き進むアメリカ。 民主主義や人権尊重と声高に叫ぶアメリカの 裏の醜い実態が露になります。 核抑止力の理論が無限ループの核開発を引き起こし、世界の平和が一層困難になるとの記述は今の世界情勢を写していて、暗澹とします。 後半のパートで「男性が女性に対する思いやり、さらにそれを受け入れる女性が性差別を引き起こしている」との指摘がありますが、まさにその通りと肯首。

Posted byブクログ

2024/10/26

最近のNHKのドラマに便乗したもので中身が浅い。ベルギーの会社によるコンゴのウラン鉱石の独占的採掘とそれがアメリカによる原爆の開発に繋がる流れと三淵さんの生涯の概説、最後に判決文そのものを載せるだけでページを稼いでいる。 しかもその判決文について、本裁判の最終局面で左陪席として参...

最近のNHKのドラマに便乗したもので中身が浅い。ベルギーの会社によるコンゴのウラン鉱石の独占的採掘とそれがアメリカによる原爆の開発に繋がる流れと三淵さんの生涯の概説、最後に判決文そのものを載せるだけでページを稼いでいる。 しかもその判決文について、本裁判の最終局面で左陪席として参加した高桑昭さんが、インタビューで”自分が骨格を作り草案を書いた”と言っているのに、この本のサブタイトルは”アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子”としている。しかも、結審時、三淵さんはこの裁判からは離れていたとのこと。ちょっと商売気が過ぎるのでは?この裁判自体、一審で確定しているが、その説明もなく、物足りなさが残る読後感だった。

Posted byブクログ

2024/10/27

NHKドラマで近年高評価だった「虎に翼」の主人公を掘り下げたもの。▶︎戦争は国際法の制限を受けている。原爆は被人道的な兵器と考えられるから許されないとの安易な類推は許されていない。その典型が、1868年のセント・ペテルスブルグ条約であり、重量400g以下の爆弾投下を禁じている。小...

NHKドラマで近年高評価だった「虎に翼」の主人公を掘り下げたもの。▶︎戦争は国際法の制限を受けている。原爆は被人道的な兵器と考えられるから許されないとの安易な類推は許されていない。その典型が、1868年のセント・ペテルスブルグ条約であり、重量400g以下の爆弾投下を禁じている。小さい殺傷能力なら、銃弾を持ち得るべきで、敢えて非人道的なものを使用する意味がないとある。また軍事兵器の使用は軍事的必要性有用性と人道的感情との調和の上に成り立っているという。▶︎「戦争は悪である」なんて声高に叫んでいるのは、どっかの誰かさんだけなのである。そんな単純な論理で世界が成り立っているわけではない。▶︎「大罪を裁いた三淵嘉子」というサブタイトルが適切かどうかは疑問が残る。

Posted byブクログ

2024/10/24

★★★☆☆三淵嘉子さんのことが書いてあるのかと思って読みましたがほとんど出てこなくて残念でした。裁判までの話も原子爆弾のことが続いてちょっと疲れてしまいました。

Posted byブクログ

2024/09/02

三淵嘉子さんについての本というよりは、原爆が作られた経緯や投下にあたってのやり取りが書かれた本。放射能が島原半島や熊本にまで達していたことは知らなかった。女性や子供を狙った無差別殺人ですね。

Posted byブクログ

2024/08/31

全263頁の内135頁を占める前半は、原爆の開発、実験、広島・長崎での投下、その後の影響調査、報道等におけるアメリカ内の動きについて、後半の内54頁が三淵嘉子の生い立ち、女性初の弁護士、裁判官就任から退官までのエピソード、残り68頁は原爆裁判の判決文という構成。本書のタイトルが「...

全263頁の内135頁を占める前半は、原爆の開発、実験、広島・長崎での投下、その後の影響調査、報道等におけるアメリカ内の動きについて、後半の内54頁が三淵嘉子の生い立ち、女性初の弁護士、裁判官就任から退官までのエピソード、残り68頁は原爆裁判の判決文という構成。本書のタイトルが「原爆裁判」、サブタイトルも「アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子」、カバーは三淵嘉子本人のバストショットの写真、などから本書の内容は原爆に対する三淵嘉子本人の強い思い、怒りなどといったものが中心と勝手に期待したが、それらはむしろ殆どなく、少し残念に感じた。 しかしそれは「本書に寄せて」(前坂静岡県立大教授)で触れられている通り「裁判官の守秘義務を果た」すべく「嘉子は、この原爆裁判の経緯、判決について、一切書いたり、述べたりしていない」からなのだろう。 それにしても、前半で描かれるアメリカの原爆関係当事者(マンハッタン計画最高責任者グローブス中将、開発責任者オッペンハイマー、時のトルーマン大統領)達の言動は、まさに“不都合な真実“つまり原爆のもたらす結果の悲惨さ、非人道性から原爆投下は明らかに国際法違反であるという事を伏せんとするものであった事がよく分かる。 例えば ・オッペンハイマーの見解「日本の原爆投下では、地面を放射線汚染から防ぎ、化学戦の様な状況を引き起こさない様に、そして、大きな爆発による以外の恐怖を招かないように、爆発高度を計算して設定した。原爆は地上600メートルという高い地点で爆発したため、放射性物質はせいそうけんまで到達し、地上に落ちてくるのは極めて少量になる。そのため、広島、長崎では人体に影響を与える残留放射線は発生しない」(投下4ヶ月後の1945年12月発行の文書)などというデタラメ。しかもこの見解は未だに否定されていない。 ・「アメリカ政府はアメリカ人記者の広島、長崎への立ち入りを厳しく制限し、言論機関に対しては原爆の惨禍を紙面に載せないよう指導していた」 ・「日本の科学者たちが広範に調査して収集した客観的な結果に示された事実、現実を無いものとして事実上葬り去った」 などなど。 その他心に残った箇所 ・東京裁判インド代表ラダ・ビノード・パール判事の言葉「(原爆投下への犯罪性を不問に付した東京裁判判決に対して)幾千人かの白人の軍隊を犠牲にしないため、を(連合国は)言い訳にしている様だが、その代償として、罪のない老人や子供や女性を、あるいは一般の平均的生活を営む市民を幾万人、幾十万人殺してもいいというのだろうか」「われわはこうした手合いと、再び人道や平和について語り合いたくはない」 ・「(原爆裁判判決文一部)当時日本国は原子爆弾を有しないことはもちろんであり、その敗戦が必至であることは一般のみるところであって、それはもはや時期の問題とされていた。従って、原子爆弾の投下は日本国の戦力破砕の目的に出たものではなくて、日本の官民の闘争心を喪失させる為の威嚇手段であって、米国の防衛手段にでたものでもなければ、また報復の目的に出たものでもない。このことは、当時ジェイムズ・フランク教授を委員長とする7人の科学者から成る原子力の社会的政治的意義に関する委員会が、陸軍長官に対し日本に対する原子爆弾投下に反対する勧告を行ったことからも明らかである。それとともに原子爆弾の研究及び製造計画に関与した64名の科学者からも、同委員会の報告と同趣旨の請願書が大統領に提出されたが、これらの報告及び請願は無視され、原子爆弾は無警告で広島市及び長崎市に投下されたのである。」 トルーマン大統領に投下を決断させたのは、やはりアジア人蔑視という人種差別、パールハーバーへの復讐心だったのだろう。愚劣極まりない。

Posted byブクログ

2024/08/19

前半が、原爆開発から広島・長崎への原爆投下の歴史、後半に三淵嘉子の経歴、そして三淵の担当した原爆裁判の経過と最後に判決文が載っている。 ・1953年 日本の弁護士がアメリカの裁判所で、原版を使用したアメリカ政府をうったえようとするが、1953年は日本が主権を回復した年とあって周...

前半が、原爆開発から広島・長崎への原爆投下の歴史、後半に三淵嘉子の経歴、そして三淵の担当した原爆裁判の経過と最後に判決文が載っている。 ・1953年 日本の弁護士がアメリカの裁判所で、原版を使用したアメリカ政府をうったえようとするが、1953年は日本が主権を回復した年とあって周囲の理解は得られなかった。 ・1955年、広島と長崎の被爆者5人が大阪地方裁判所と東京地方裁判所で訴えを起こす。弁輪準備などの手続きの後、1960年2月から1963年3月まで、9回の口頭弁論が開かれた。 ・残されている口頭弁論調書の表紙には、審理の日付と担当裁判官の名前が記されるが、右陪席にはすべて「三淵嘉子」の名が記されている。裁判長と左陪席は何度か交代しているが、嘉子だけはずっと担当した。 ・弁論準備だけで27回、4年に及ぶ。1960年からは大阪地裁の訴えも東京地裁に併合された。 ・この裁判に関して嘉子が語ったものは何も残されていない。嘉子は試みや制度について、語るべきことは折に触れ語ってきたが、原爆裁判について沈黙を貫いたのは自分の見解を述べることでわずかでも影響を残すことを恐れたのかもしれない。 ・唯一終盤に左陪席となった当時26才の高桑昭氏は当時を振り返り「三淵さんはおうようなやさしい人。私とは親子ほどの年齢差がありましたが、古関さんとともに私を合議体の一員として遇してくれた」(2024.4.20付け「中国新聞」) ・判決後の古関氏の囲み取材「政治的にどんな効果があるかは考えなかった。また裁判官は考えるべきではない」 <判決> 1963年12月7日  「広島市には約33万人の一般市民が、長崎市には約27万人の一般市民がその住居を構えていたことは明らかである。したがって原子爆弾による襲撃が仮に軍事目標のみをその攻撃の目的としたとしても、原子爆弾の巨大な破壊力から盲目襲撃と同様の結果を生ずるものである以上、広島、長崎両市に対する無差別爆撃として、当時の国際法からみて、違法な戦闘行為であると解するのが相当である」 ・さらに判決は国内法上も国際法上も損害賠償請求権は否定した。 ・最後に、「被告には十分な救済策を執るべきことは、多言をようしない。しかしながら、それはもはや裁判所の職責ではなくて、立法府である国会及び行政府である内閣においてはたさなければならない職責である。しかも、そういう手続きによってこそ、訴訟当事者だけでなく、原爆被害者全般に対する救済策を講じることができるのであって、そこに立法及び立法に基づく行政の存在理由がある。戦後十数年を経て、高度の経済成長をとげたわが国において、国家財政上これが不可能であることはとうてい考えられない。」 ・「われわれは本訴状をみるにつけ、政治の貧困を嘆かずにはおれないのである。」 ・裁判長は最後に「原告の請求を棄却する」と主文を読み上げた。 *原告等の申し立て 原告5人それぞれに対し、金20万円及びこれに対する昭和30年5月24日より支払い済みまで年5分の割合による金員の支払いをせよ。 2024.6.20発行 図書館

Posted byブクログ

2024/08/09

テレビをみない私が唯一楽しみにしている朝ドラ「虎に翼」 そのモデルとなった女性三淵嘉子、新聞の書評から購入 〈「広島、長崎への原爆投下は国際法違反である」 六十年前、戦勝国アメリカに対して驚天動地の判決を下した裁判官がいた!〉 偶然だが読み終えた今日は『長崎の日』 本書の前...

テレビをみない私が唯一楽しみにしている朝ドラ「虎に翼」 そのモデルとなった女性三淵嘉子、新聞の書評から購入 〈「広島、長崎への原爆投下は国際法違反である」 六十年前、戦勝国アメリカに対して驚天動地の判決を下した裁判官がいた!〉 偶然だが読み終えた今日は『長崎の日』 本書の前半は原爆がつくられた過程、投下された事情が詳しく書かれている 巻末には「判決文」も その長いけれど分かりやすい判決文からは、彼女たちの憤りと虚しさが伝わってくる 断じて許されない無差別殺人 そして、その脅威はますます大きくなっている 彼女の偉大さとともに、今を考えなければならないなあと深く思った ≪ 許すまじ あの大罪を 今日もまた ≫

Posted byブクログ

2024/08/07

毎朝「虎に翼」を見ているので、本屋でこの本を見つけて思わず買ってしまいました。 原爆裁判って原告の請求は棄却されてるんですね。この本を読むまで原告の訴えが全面的に認められたのかと思っていました。 私はそもそも国際法も知りませんでした。戦時中は何でもありで、戦後はその国独自の制...

毎朝「虎に翼」を見ているので、本屋でこの本を見つけて思わず買ってしまいました。 原爆裁判って原告の請求は棄却されてるんですね。この本を読むまで原告の訴えが全面的に認められたのかと思っていました。 私はそもそも国際法も知りませんでした。戦時中は何でもありで、戦後はその国独自の制度で守られているのかと思っていました。民間人への攻撃や毒物や生物兵器などは使用禁止で原爆もそれら同様に国際法違反という判決でした。武士道精神みたいなことでしょうか。 戦後にアメリカとの関係を築いていく中で、政治的交渉を司法機関がものともせず、原爆投下の違法性を真っ直ぐに明らかにしたのは清々しさを感じました。

Posted byブクログ

2024/07/15

原爆投下の事実がよくわかりますし、原爆裁判の判決文が全掲載されてます。是非とも、たくさんの人に読んでもらいたいです。もちろん、三淵嘉子が、いかにすごかったかが、理解されますよ。

Posted byブクログ