オパールの炎 の商品レビュー
ほぼ最後まで主人公の榎美沙子が登場しない「ゴドーを待ちながら」最近だと「桐島」スタイル。 相変わらず女にキビシイです著者。 だから中毒のように読んでしまう。 もちろんその昔の中ピ連をなぞった作品。 子どもの頃中ピ連やウーマンリブってな〜に? と母に聞いたけど、まともな答え返ってこ...
ほぼ最後まで主人公の榎美沙子が登場しない「ゴドーを待ちながら」最近だと「桐島」スタイル。 相変わらず女にキビシイです著者。 だから中毒のように読んでしまう。 もちろんその昔の中ピ連をなぞった作品。 子どもの頃中ピ連やウーマンリブってな〜に? と母に聞いたけど、まともな答え返ってこなかったな。 本著の中にもあるけど、時代的に早すぎたのでしょう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
職場の人に「はい読んで」って渡されて読んだ本。 私は女だけど、こーゆう女性解放で戦ったんだぜー的な話はあんまり好きじゃない。 でも、こーゆう人たちがいるから、いまいろんな恩恵を受けているとは思ってる。 塙玲衣子という女性を調べているライターさんが、当時のいろんな関係者に話を聞いている。その関係者さんの証言でできている物語。 私は知らなかったけど、どうやらモデルとなる実在の人物がいるらしい。そのモデルとなったのは榎美沙子。 まだ昭和の頃、副作用や性風俗などの影響を鑑みて、ピルが使用できなかった頃。 塙玲衣子たちが、ピル解禁同盟というのを作った。男性本位の避妊でなく、女性自ら自分の体を守るためにピルを服用すること。そして、もしも妊娠してしまった時は中絶ができること、を目的とした会だったのだが、だんだんおかしくなっていく。 不倫した、一方的に交際辞めた、という男性の職場に行って,ピンクのヘルメットかぶってシュプレヒコールで非難するのだ。 そんな事をしたら、相手は社会的に抹殺される。 会社もたまったもんじゃない。 マスコミは大喜び。 そして、宗教団体を始めたり選挙に出て惨敗したり。 そのうち、ピ解同盟は消滅。 塙玲衣子は行方が分からなくなり、どこかで孤独死きたという噂になっていた。 ってのをジャーナリストがいろんな人に話を聞いて調べている。 調べているのは現代なので、ピルは普通に避妊用でも生理痛軽減などにも使うし、中絶だって禁止されてない。 もしかしたら、これらの活動のおかげで私らが恩恵をいた抱いてるのかもしれないけど、でも、不倫相手の会社に行ってシュプレヒコールするのも,宗教団体つくるのも、 やっぱり、なんだかなぁーって思ってしまうわ。 最後、ご本人の手記的なものが出てきたけどその辺の事がかかれてなくて、もやもや。 そこをしりたかったな
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ライターが関係者たちにインタビューしていく形式。女性の権利のために働いた女性活動家の塙玲衣子が表舞台から消えた後の人生を追っていく。世間から、仲間から、被害者から。それぞれの目線でその人物像は変わっていく。最後はっきりとした結末がないけれどそれは読者から見た「塙玲衣子」はどんな人...
ライターが関係者たちにインタビューしていく形式。女性の権利のために働いた女性活動家の塙玲衣子が表舞台から消えた後の人生を追っていく。世間から、仲間から、被害者から。それぞれの目線でその人物像は変わっていく。最後はっきりとした結末がないけれどそれは読者から見た「塙玲衣子」はどんな人物かと問われているようだとも感じた。
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時代に先駆けてピル解禁を訴えていた女は――突然、姿を消した。謎多き女をめぐる証言から、世の理不尽を抉りだす圧巻の傑作長篇。
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ピルの解禁と中絶禁止の法律の廃絶を訴えた女性の軌跡を追うドキュメンタリー風の作品。 ライター(架空の人物)が取材する面々が多方面にわたっていて、その証言にリアリティーがあるので、ノンフィクションのようです。 特に同じ人のことを語っていても、各人の立場によってこうも人物像が変わるの...
ピルの解禁と中絶禁止の法律の廃絶を訴えた女性の軌跡を追うドキュメンタリー風の作品。 ライター(架空の人物)が取材する面々が多方面にわたっていて、その証言にリアリティーがあるので、ノンフィクションのようです。 特に同じ人のことを語っていても、各人の立場によってこうも人物像が変わるのかという点が面白かったです。 思ためな内容の話ながらも、語り手の切り替わりが早めでページ数もそんなにないのでサクッと読めました。
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SL 2024.8.18-2024.8.20 中ピ連の榎美沙子をモデルにした、インタビュー形式の作品。 人工妊娠中絶やピル服用など、今となればこの人の主張は間違っていなかった。それでも、この時の活動が現状につながっているかというと怪しいところ。作品としても、盛り上がりに欠けるし、...
SL 2024.8.18-2024.8.20 中ピ連の榎美沙子をモデルにした、インタビュー形式の作品。 人工妊娠中絶やピル服用など、今となればこの人の主張は間違っていなかった。それでも、この時の活動が現状につながっているかというと怪しいところ。作品としても、盛り上がりに欠けるし、まとまりもないような。桐野夏生さんとしてはなんとなく中途半端な作品だった。
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桐野さんの作品は網羅して全部読むほど大好き・・だけど、これはちょいと、評価が辛くなってしまった。 というのも、インタヴュー形式小説ってあんまり好みじゃないっていう理由が大きいから。 俎上にあがった全ピ連の榎さんが華々しかったのは私の子供時代。うっすら記憶にあった彼女は美人でシュ...
桐野さんの作品は網羅して全部読むほど大好き・・だけど、これはちょいと、評価が辛くなってしまった。 というのも、インタヴュー形式小説ってあんまり好みじゃないっていう理由が大きいから。 俎上にあがった全ピ連の榎さんが華々しかったのは私の子供時代。うっすら記憶にあった彼女は美人でシュッとしており、頭がよさそう‥っていうイメージがあった。 高校、大学と時が流れウーマンリブとは何ぞや、女性の権利標榜という時代の要請が今一つ私の中ではあいまいで・・そのまま結婚したのは、何やら苦い記憶。 この表題は面白い・・まさか、オパール! 大昔、誰に聞いたか記憶にないが「オパールは内燃するような焔に惹かれて購入しても時が経つと薄く、消えていくんだよ」・・聞いた私はフーンのレベル(オパールはそれを聞いて、購入したくないなって思ったもんで) ピンクのヘルメットをかぶって拳掲げんばかり、果ては国会にも参戦した彼女は‥そんな感触を思わせる焔だったのだろう。 群〇、象をなでるじゃないけれど、口々に語る現存の関係者の言葉全てを集めてもどこまで榎さんの実像に迫れるか‥は知る人のみぞ知るといった印象だった。 本人が亡くなった、ましてそれすら事実だろうかというラストの記述がその一部を語っているように思えた。 「生まれるのが〇年早かった」と語られる人は結構いる・・しかし、地球誕生から見ると人類が生きてきた歴史は数秒・・こういった有象無象の民草は所詮埃っていう印象だった。
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女性解放運動と言うとどうにも取っ付き難い印象がある。世間的にはフェミニストは疎ましがられているし、日本はまだまだ女性の地位が低い。それでも現在、人工妊娠中絶やピルの服用が認められているのは、こういう運動があったからこそと思うと、「塙玲衣子」の様な女性たちに感謝しなければと思う。 ...
女性解放運動と言うとどうにも取っ付き難い印象がある。世間的にはフェミニストは疎ましがられているし、日本はまだまだ女性の地位が低い。それでも現在、人工妊娠中絶やピルの服用が認められているのは、こういう運動があったからこそと思うと、「塙玲衣子」の様な女性たちに感謝しなければと思う。 話は、塙玲衣子を知る人たちへのインタビュー形式で行われる。誰も彼女に全面的に好意を持っている人はおらず、何なら悪感情を持っている人の方が多い。新しいことを始めようとする人は大抵は嫌われるものなのだろう。 塙の活動は結局実を結ぶことなく終わった上、ひっそりと世の中から姿を消してしまった。まるで世間を騒がせた罰であるかのように。 塙の晩年の手記に、彼女の寂しい一面を見た気がした。頭の良い人が社会から姿を消してしまうというのは、社会にとっては損失であり残念なことだと思う。
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「中絶禁止法に反対し、ピル解禁を要求する女性解放連合」を設立した榎美沙子氏がモデル。 関係者からの証言で語る構成。実在し、一躍時の人だった中ピ連、榎美沙子氏を全く知らなかったけど。 今でこそ内膜症の治療、月経痛緩和のために私もお世話になっているピルを飲むこと自体、はしたないとさ...
「中絶禁止法に反対し、ピル解禁を要求する女性解放連合」を設立した榎美沙子氏がモデル。 関係者からの証言で語る構成。実在し、一躍時の人だった中ピ連、榎美沙子氏を全く知らなかったけど。 今でこそ内膜症の治療、月経痛緩和のために私もお世話になっているピルを飲むこと自体、はしたないとされていた時代があったのだなと驚き。 彼女の主張に領ける所もあればあまりの突拍子 の無さに好感が持てない所もあったり。時代が彼女に追いついてなかったね。 もう少し深堀して欲しかった。物足りない終わり。
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フィクションといえども、本当に実在した人だったのだとはじめて知る。 もう大人になっていたのに、全く知らなかった。 あの時代は、まだまだ情報に疎かったのか、不思議な気がした。 ともあれ、女性を取り巻く環境、果たして変わったのか、そのままなのか、この小説を通して改めて考える機会にな...
フィクションといえども、本当に実在した人だったのだとはじめて知る。 もう大人になっていたのに、全く知らなかった。 あの時代は、まだまだ情報に疎かったのか、不思議な気がした。 ともあれ、女性を取り巻く環境、果たして変わったのか、そのままなのか、この小説を通して改めて考える機会になればと思う。
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