夜明けのカルテ の商品レビュー
医療従事者でありながら小説も書く、凄い方々の短編集。どの話も知識と経験をもとに書かれているので、現実感アリアリ。「魚類譚」、「パイナップルがある光景」、「闇の論文」、「空中テント」が面白かった。
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9人の作家(医師)による9篇の物語 それぞれの作家自らの経験なのかはわからない ただ、それぞれの作家の医療への思いが短い作品の中に散りばめられていると感じた
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
9人の現役医師による医療小説アンソロジー。 医師作家でしか表現できないと思われる臨場感あふれる詳細な描写、ヒューマンでミステリアスなストーリーが魅力の作品集だ。 1〈研修医ヒナノの洞察〉 上司からパワハラを受けている研修医が患者の膠原病を見つけ上司を見返す痛快な話 2〈魚類譚〉 封建的で理不尽な医大の内部構造、詳細な手術シーンにミステリーとホラーの要素を取り入れた作品 3〈パイナップルのある光景〉 同じような引きこもり系の精神疾患でも、一方は入院治療、一方は家族による対処という示唆をする精神科医。専門的な見解が押し付けなく、ふわっと伝わってくる秀作 4〈救いたくない命〉 救急外来に運び込まれてきた瀕死の男はとんでもない犯罪者。しかも、手術助手を務める医師には憎むべき理由があった。救急救 命手術場面の描写がすごい 5〈春に綻ぶ〉 コロナ病棟で働く内科医の日常と苦悩をリアルに描く。苦闘の果てに主人公はかすかな希望を見出だす 6〈闇の論文〉 がんを見極める生検の際、傷ついた血管からがん細胞が侵入し、転移を招くことを証明した論文。これが世間に知れた場合の混乱を避けようと医療界の重鎮は論文を闇に葬る。現実世界ではどうなっているのか気になる 7〈言葉が消えるまえに〉 過去に同じ脳神経外科の医局員だった男の裏切りで医局を追放された主人公。そこへ、その男がグリオーマ患者としてやって来る。主人公のヒューマンな姿勢が光る 8〈空中テント〉 唯一、医師の視点ではなく、女性看護師を主人公にした作品。肉親が認知症になった時の介護を巡って、エゴむき出しの親族や主人公に訪れる修羅場、介護サービスを考えるまでの経緯がリアルに描かれる 9〈峠を越えてきた命〉 伊豆半島にある産科救急に特化した病院の若手医師が主人公。切迫早産の妊婦が救急車で揺られながら険しい天城峠を越えて病院に向う様子、待機して万全の体制を取る医療スタッフ、分娩室での対処の様子が実に生々しく描かれる。危険にさらされる新しい命を懸命に救おうとする産科スタッフの努力と救急隊との密接で的確な連携が読み手の心を打つ。秀逸で感動的な人間ドラマだ
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副題に惹かれ購入。 解説にもあるように「病気は苦しい、死んだら悲しい、治ったら嬉しい…というような短絡的ドラマ作り」ではない現場のリアルが盛り込まれている。 どれも個性豊かな作品で飽くことなく一気に読了。 それにしてもどの世界も敵は同じ人間であることが多いものだ。他者により深く...
副題に惹かれ購入。 解説にもあるように「病気は苦しい、死んだら悲しい、治ったら嬉しい…というような短絡的ドラマ作り」ではない現場のリアルが盛り込まれている。 どれも個性豊かな作品で飽くことなく一気に読了。 それにしてもどの世界も敵は同じ人間であることが多いものだ。他者により深く傷つくがそれを癒してくれるのもまた人間だったりする。 肉体的ハードな仕事の上にそれではメンタルやられてしまう人も多いのではと心配になる
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フィクションなんだけど 現実にあってもおかしくないくらい リアルなストーリーばかり。 医療は全てが完璧じゃないから 理想と現実にギャップがありすぎて 理不尽過ぎることを言われることもあるし 誰のために頑張ってるのか よく分からなくなることもある。 だけどこの本を読みながら 自...
フィクションなんだけど 現実にあってもおかしくないくらい リアルなストーリーばかり。 医療は全てが完璧じゃないから 理想と現実にギャップがありすぎて 理不尽過ぎることを言われることもあるし 誰のために頑張ってるのか よく分からなくなることもある。 だけどこの本を読みながら 自分の捉え方次第かましれないとか もう少し頑張ってみようかなぁとか 前向きに考えられるような気がしました。 背中を押してくれる本って素敵ですよね。 医療に関わる人も関わらない人も ぜひ読んで欲しい1冊です。
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医師が描く小説はリアリティがあります。専門的な用語も飛び交うがそれもまた面白い。本短編集はよく知った医師作家が多かったので、新たな面も見れて楽しめました!
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最後の短編は感動致しました!素晴らしい。 題名は、峠を越えてきた命、です。皆さんもぜひお読みになって下さい。
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流石全員医師だけあって、医療現場の描写は迫力あるし、過労死ライン超過等の働き過ぎ問題や様々な課題が浮き彫りにされているが、小説としての上手さや完成度は、やはり久坂部氏以外は然程でもない。南杏子氏は出版社勤務から医師になった変わり種らしく、文章のセンスはなかなかだった。
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現役の医師たちが綴る医療小説ということでどれも手に汗握るような臨場感で溢れていた。 まだ読んだことのなかった作家の方も含まれていたので、また読みたい本が増えて嬉しい。
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