航空管制 知られざる最前線 の商品レビュー
航空管制の大まかな流れをつかむことができた。 個人的にはもう少し踏み込んだ内容も知りたかったが、管制に対して知識がほぼない人に向けたものとしては、わかりやすくて良いと思う。
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航空管制の世界を紹介してくれる一冊。知らない世界の話はおもしろい。 ・ライト兄弟が1903年に初の動力飛行を成し遂げた10年後には空中衝突事故が起こっている。 ・駐機場から滑走路までの走行を担当する地上管制と、離着陸を担当する飛行場管制、空域を管理するレーダー管制に役割が分かれ...
航空管制の世界を紹介してくれる一冊。知らない世界の話はおもしろい。 ・ライト兄弟が1903年に初の動力飛行を成し遂げた10年後には空中衝突事故が起こっている。 ・駐機場から滑走路までの走行を担当する地上管制と、離着陸を担当する飛行場管制、空域を管理するレーダー管制に役割が分かれている。 ・ADS-Bは航空機がGPSで取得した情報を地上に共有するシステム、MLATは空港内の地上走行機の位置を監視するシステム。 ・羽田は1日に約1300回の離着陸がある。 ・米軍横田基地上空は高度7000メートル以上で飛行しなければならない。 ・日本の担当空域は福岡FIRと呼ばれ、札幌、東京、神戸、福岡の4か所の航空交通管制部が管制業務を担う。 ・西行きと東行きで巡航可能な高度が区分けされている。 ・管制の原則は「管制方式標準」に定められている。 ・ダイバードとはやむを得ない理由で別の空港に着陸すること。飛行計画書であらかじめ決まっている。 ・管制官になるには、航空管制官採用試験に合格し、航空保安大学校で約8ヶ月の修練を積む必要がある。 ・AIによる機械管制はまだ遠い。パラメータが多すぎるのと優先順位判断が難しく、体系化されたシステムにするのが難しい面がある。
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元管制官の著者が、航空管制に関して極めて具体的な内容をわかりやすく解説。もう少し技術的な事項も知りたかったが、管制官の心理面がわかる貴重な本だ。管制官はあまり表に出てこないから。 さて、管制官を取り巻く環境、仕組みはわかったのだが、では事故はどうしたら防げるのか…?結論はない。...
元管制官の著者が、航空管制に関して極めて具体的な内容をわかりやすく解説。もう少し技術的な事項も知りたかったが、管制官の心理面がわかる貴重な本だ。管制官はあまり表に出てこないから。 さて、管制官を取り巻く環境、仕組みはわかったのだが、では事故はどうしたら防げるのか…?結論はない。 読了60分
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本書を読んでへーっと思ったのは、安全を第一に考えなくてはならない管制業務であっても、事前に決めた指針(ルールではない)に必ずしもがんじがらめに縛られなくてもいい、という部分。マニュアルに100%従っておけば、何かあっても責任は発生しないのだから一番の安全パイではあるのだけど、管制...
本書を読んでへーっと思ったのは、安全を第一に考えなくてはならない管制業務であっても、事前に決めた指針(ルールではない)に必ずしもがんじがらめに縛られなくてもいい、という部分。マニュアルに100%従っておけば、何かあっても責任は発生しないのだから一番の安全パイではあるのだけど、管制業務は限られた時間の中でより多くの航空機の離発着をこなすことを求められている一面もあり、どうすれば効率と安全と両立できるのか、そのためにはどういった工夫をしなければならないのか、そしてその実現のためにはマニュアルからどの程度の逸脱がアリなのか、といった個人の裁量の部分でマストな判断を下せるか否かが、ある意味管制官の腕の見せ所である、と理解した。 でもよくよく考えてみると、それって普通の社会人が従事するプロジェクトにおいても本質的には変わらなくて、求められるミッションを達成するための手段を、個人個人がどういった考えのもとで選択するのか、というのは向上心がある人なら皆考えることだと思う。そういった部分が一般には特殊なお仕事と思われている管制業務の姿と重なって見えて、自分にはとても興味深く感じられた。 もちろん航空管制の基本的な仕組みやシステム等についてもある程度押さえてあるので、その方面のニーズにも答えていると思う。 通常であればスルーするタイプの本で、今回わけあって読むことになったのだけど、期待以上の内容で満足できた。
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