ミステリー小説集 脱出 の商品レビュー
阿津川辰海さんの屋上からの脱出。悪意なき犯罪者。 織守きょうやさんの名とりの森。ファンタジーの一種かな。 斜線堂有紀さんの鳥の密室。中世の魔女裁判の残酷なお話。無実の人達を無惨に拷問死させたキリスト教。 空木春宵さんの罪喰の巫女。怖い!で、最後にどんでん返し。ひゃ~。 井上真偽さ...
阿津川辰海さんの屋上からの脱出。悪意なき犯罪者。 織守きょうやさんの名とりの森。ファンタジーの一種かな。 斜線堂有紀さんの鳥の密室。中世の魔女裁判の残酷なお話。無実の人達を無惨に拷問死させたキリスト教。 空木春宵さんの罪喰の巫女。怖い!で、最後にどんでん返し。ひゃ~。 井上真偽さんのサマリア人の血潮。極秘の研究施設からの脱出劇。吸血鬼の要素が物語を盛り上げる。そこに主人公の揺れ動く心情。短いながらもよく考えられてると思います。
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あなたはここから出られるか? 人気作家たちが仕掛けた五つの物語から、脱け出す鍵を見つけ出せ。没入感溢れる新感覚小説集。
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「脱出」というタイトルで勝手に密室からの脱出ミッションのような短編が入っているのかと思っていたけど、密室に限らず、でした。 同じ一文の書き出しから始まる系もそうだけど、同じテーマでも個々でそれぞれの色がありおもしろい。表紙にミステリー小説集とあるけど、これはミステリー小説集なの…...
「脱出」というタイトルで勝手に密室からの脱出ミッションのような短編が入っているのかと思っていたけど、密室に限らず、でした。 同じ一文の書き出しから始まる系もそうだけど、同じテーマでも個々でそれぞれの色がありおもしろい。表紙にミステリー小説集とあるけど、これはミステリー小説集なの…?という気持ちはありますw 個人的には一番最初の「屋上からの脱出」がイメージしていた内容に近く一番読みやすかった。 阿津川辰海「屋上からの脱出」 天文部の合宿で、学校の屋上に閉じ込められ……? 井上真偽「サマリア人の血潮」 目を覚ますと、見知らぬ研究所で記憶を失っていた。 空木春宵「罪喰の巫女」 人を喰う巫女が棲むという神社を訪れた女の目的は? 織守きょうや「名とりの森」 その森に入るものは、「主」に名前を奪われる。 斜線堂有紀「鳥の密室」 魔女狩りが横行する町で囚われた女の秘密とは――
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【収録作品】 「屋上からの脱出」 阿津川 辰海 「名とりの森」 織守 きょうや 「鳥の密室」 斜線堂 有紀 「罪喰の巫女」 空木 春宵 「サマリア人の血潮」 井上 真偽 「屋上からの脱出」中学の天文部仲間の結婚披露宴。招かれた一ノ瀬は、十年前の合宿のときに、ここにいる6人が屋上に閉じ込められた事件を思い出す。 「名とりの森」小学生のタネチンは友だちのノキに名とりの森に誘われる。そこは立ち入り禁止で、夏至から十日の間に入ると、帰ってこられなくなるという言い伝えのある場所だった。 「鳥の密室」魔女狩りの狂気。監禁されていた「魔女」が塔から消え失せる。 「罪喰の巫女」罪人の罪を喰らうという巫女の噂。ミステリというよりホラー。 「サマリア人の血潮」研究所内での逃走劇。何が起きているのかがなかなかわからない仕掛けになっている。
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脱出をテーマにした5つの短編集。始めの「屋上からの脱出」が1番この本の趣旨に合ってたよう。少しホラーも混じっていたし、作家さんの得意分野も楽しめた。
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「屋上からの脱出/阿津川辰海」 「名とりの森/織守きょうや」 「鳥の密室/斜線堂有紀」 「罪喰の巫女/空木春宵」 「サマリア人の血潮/井上真偽」 5話収録の短編集で全編書下ろし。 息を吞むようなキレッキレの脱出劇を期待していたので、ちょっと肩透かし。 印象に残ったのは、阿津川...
「屋上からの脱出/阿津川辰海」 「名とりの森/織守きょうや」 「鳥の密室/斜線堂有紀」 「罪喰の巫女/空木春宵」 「サマリア人の血潮/井上真偽」 5話収録の短編集で全編書下ろし。 息を吞むようなキレッキレの脱出劇を期待していたので、ちょっと肩透かし。 印象に残ったのは、阿津川さんと織守さん。 『屋上からの脱出』出入口が箒で塞がれ、極寒の屋上に取り残された天文部員達。 トリックもオチも想像の範囲内だったけれど、ドラマチックな展開で面白かった。 『名とりの森』はホラー寄り。 立ち入り禁止の森に踏み込んだ少年達の脱出劇にヒヤヒヤ。
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脱出 脱出をテーマにした短編ミステリー集 阿津川辰海 屋上からの脱出 とあるカップルの結婚式。友人として招かれた一ノ瀬。結婚式に参加しながら、二人の馴れ初め、そして彼らと共通の部活で起きたとある事件について、同じく招かれていたハルと話しながら詳細を思い出していく。 性格柄か、何...
脱出 脱出をテーマにした短編ミステリー集 阿津川辰海 屋上からの脱出 とあるカップルの結婚式。友人として招かれた一ノ瀬。結婚式に参加しながら、二人の馴れ初め、そして彼らと共通の部活で起きたとある事件について、同じく招かれていたハルと話しながら詳細を思い出していく。 性格柄か、何をそんなに驚いているのか、事件の真相と隠された事実について、微笑ましいとまで読み取ったのだが、現代の読み手はこの様な事は想いがねじ曲がっていると感じるのだろうか。僕にはとある二人の行動は普通だと思うし、されたら嬉しいのだが。阿津川辰海は歴代短編も漏れなく面白いのだが、今作は登場人物のバッグボーン含めあまり楽しめなかった。 こんな設定でも密室にできるんだなあと感心した。 織守きょうや 名とりの森 ノスタルジーを感じる舞台設計に森に入ると出られなくなると言うオリジナリティ。唯一、自身の名前を呼ぶ事が森の外に出る為のルール。 現実的な要素では無いファンタジー的な要素の組み込みがうまく、あっという間に読み終えてしまった。各キャラクターがまだまだ確立されておらず、それぞれの登場人物の背景を広げながら長編でも読んでみたいと思った作品だ。(ほんの少しだけ、スパイス的にホラー要素があっても良いなぁと思った)主人公の年齢設定とそれに見合った友情が素敵だ) 斜線堂有紀 鳥の密室 魔女狩りをテーマにした作品は、大体が壮絶で聴くに耐えないストーリーになるのだが、今作も例に漏れず胸糞悪い背景の作品だ。 魔女と言われ捕まえられたマリアがあれだけ多くの拷問に耐えた理由に衝撃を感じ、彼女がどの様にして密室から消え去ったのかはある意味ミスリードされたトリックだと思う。僕はそうなっているだろうと予想はしたが、動機は全く違った理由で捉えていたため、動機がわかってからも衝撃は醒めなかった。 空木春宵 罪喰の巫女 文体が難しく読むのが大変な作品だった。その分、雰囲気が充満しており、知らず知らず世界に飲み込まれそうになった。ストーリーも幻想的で、戦後の設定なのでそれ程時代設定が古い訳では無いはずだが異様さに満ちている。 トリックは異様で、そして最後は驚きの結末になっており、この文体で物語を進行させた理由が読み取れる様な気がした。 罪を犯した人々とその罪を喰らう巫女、その巫女を書こう神社と謎に満ちていたが短いなかで見事に伏線を回収している。読みやすければ長編でも面白そうな作品。 井上真偽 サマリア人の血潮 今作で一番面白いのはこの作品だろう。作風へ暗くヒリヒリするが、きちんと物語が完結されており、正しく短編として面白い作品だ。 世界観は最初は理解できないが、徐々に解明されていき、それでも最後の最後まで謎を提供し続けて見事に回収までしている。トオルとカズトの関係性そのものが物語のベースだが、最後とある事実で一気に事件がひっくり返る印象だ。今後、どの様に作中の人々が生きていくのか。久しぶりに余韻に浸れた作品だ。
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短編集。 私の思い描いていた「脱出」より、より広義な意味での脱出がテーマだったかな…。 阿津川辰海さんの屋上に閉じ込められて…というのが最も私の思う脱出に近かったんだけれども、途中何だか策略が読めて、冷めてしまった感がある。 もっとこう、皆が脱出に向けて一丸となってという話が読み...
短編集。 私の思い描いていた「脱出」より、より広義な意味での脱出がテーマだったかな…。 阿津川辰海さんの屋上に閉じ込められて…というのが最も私の思う脱出に近かったんだけれども、途中何だか策略が読めて、冷めてしまった感がある。 もっとこう、皆が脱出に向けて一丸となってという話が読みたい。 織守きょうやさんの森から出られなくなる話は好み。なぜか名前を思い出せなくなってしまうという設定と、真相は分からないがなぜ森が人を離してくれなかったのかその理由を面白く感じた。 私にとって森は神秘的だが恐ろしい場所でもあるので、森に囚われるという話は結構ドンピシャだった。
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『脱出』をテーマにしたアンソロジー。5話収録。学校の屋上、呪いの森、魔女の塔、巫女を祀る神社、地下深く掘られた研究所…など様々な場所とシチュエーションで楽しめた。私的には学園モノやジュブナイルが好きなので、阿津川作品と織守作品が面白くて好き。斜線堂作品は読むほどに苦しい魔女狩りの...
『脱出』をテーマにしたアンソロジー。5話収録。学校の屋上、呪いの森、魔女の塔、巫女を祀る神社、地下深く掘られた研究所…など様々な場所とシチュエーションで楽しめた。私的には学園モノやジュブナイルが好きなので、阿津川作品と織守作品が面白くて好き。斜線堂作品は読むほどに苦しい魔女狩りの話で脱出も切なかった。空木作品は文章が難しいが幻想的でゾワッとした。井上作品は他より頁数が多く近未来を舞台にしていたが失った記憶を取り戻しながらの脱出劇がハラハラ感を覚えて良かった。
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斜線堂有紀の「鳥の密室」は斜線堂らしい痛さを十分感じさせてくれ、インパクトの点からダントツで忘れられない。 「屋上からの脱出」は定番の紐付きトリックではあるが、男女間恋愛の微妙な結末が面白い。 織守きょうやの「名とりの森」のファンタジーミステリー感は、名前さえ忘れてしまう異世界か...
斜線堂有紀の「鳥の密室」は斜線堂らしい痛さを十分感じさせてくれ、インパクトの点からダントツで忘れられない。 「屋上からの脱出」は定番の紐付きトリックではあるが、男女間恋愛の微妙な結末が面白い。 織守きょうやの「名とりの森」のファンタジーミステリー感は、名前さえ忘れてしまう異世界からの脱出というテーマが面白い。最後の友達との邂逅は後味の良い結末だった。
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