万両役者の扇 の商品レビュー
24/11/02読了 一人の役者が周りを狂わせる。六編の連作短編だが、つくりがたいへんうまい。読みにくいわけではないがするする読めなかったな。狂気にあてられたかな。
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扇五郎は歌舞伎役者で当代1の人気を誇っている。しかし、その妻を初め周囲が彼の役者魂に引き込まれて人生の危うい方向に流れていく。途中グロテスクな描写もあり、最初は役者への興味から読み進めたが、後半は狂気の部分についていけなくて離脱しそうになりながら結末まで読んだ。
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扇五郎に惚れぬいた芝居周りの人達の熱さはしっかり伝わってくるんだけど…。 確かにホンモノの犬の血を絞って舞台で使うって、スゴいしエグいしインパクトあるけど、肝心の扇五郎本人の描写が少なくて。どれ程どうなのかを読者の想像力に丸投げしてる感が強いなあ。とは言え、ミステリお約束のどんでん返し、しっかり堪能させて戴きました。マジかあ。でもまあ、万両役者が余りにも頓馬な死に様を世間様に晒すわけにいかない…その気持ちはわかる。 あと、「目に綺羅を入れる」って表現が頻出するんだけど、個人的に馴染めなかったー。カタカナやびっくりマークやオノマトペを多用しない、テンション低めで淡々とした文章のスタイルは好みなんだけどなあ。
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『#万両役者の扇』 ほぼ日書評 Day800 実は半分しか読んでいないが、図書館本で期限が来たため返却する。 狂気の歌舞伎役者が主人公。 芝居のためなら、手段を問わない。人殺しの場面をリアルに見せるため、血糊ではなく、犬の血(何匹も殺して集めたもの)を舞台で使う等。 本...
『#万両役者の扇』 ほぼ日書評 Day800 実は半分しか読んでいないが、図書館本で期限が来たため返却する。 狂気の歌舞伎役者が主人公。 芝居のためなら、手段を問わない。人殺しの場面をリアルに見せるため、血糊ではなく、犬の血(何匹も殺して集めたもの)を舞台で使う等。 本当にやったら臭いやら、掃除やら、大変だろう等と、ついついツッコミを入れたくなることもあるが、文体自体が読みづらい。 同じ作者のこれまでのところの最高作品という評もあるようなので、時間をかけて最後までゆっくり読んで行けば、そうなのかもしれないが、自分はいったん離脱。 https://amzn.to/3MBAgaU
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芝居に魅入られ、身も心も芸に打ち込む狂気を描く連作短編集 文章の隅々まで、芝居が息づいている 連作として通読すると、時代小説ザ•ベスト他で短編として拝読していた時とはまた違う迫力ある (残酷描写あり 苦手、弱い方は気を付けてください)
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江戸三座 中村座の次は森田座が舞台。 千両役者の上をいく万両役者、森田座気鋭の役者今村扇五郎に魅せられた者たちの狂いゆく歯車。 芝居のためなら犬を殺しその血を搾り取る、扇五郎、そして扇五郎の芸を支えるため己の「女」を捨てて尽くす妻のお栄。 火に惹かれる虫のように集まりくる人々。日常から外れて踏み込む甘美で辛酸な罠。 扇五郎に惚れぬき、惹かれゆく心の危うさを蝉谷めぐ実の筆が艶やかに妖しく描いていく。
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大店の娘お春、饅頭屋茂吉、仕立て師お辰、木戸芸者狛助と金太、そして鬘屋柳斎と役者今村扇五郎に惚れ込んだ面々はそろって狂う。扇五郎に狂わせられる。明らかに常軌を逸した役者の所業なれど、贔屓熱は高まり、職人気質が捩れていく。芝居であって狂言なんだよ、どれだけ追求しようと虚であり現じゃ...
大店の娘お春、饅頭屋茂吉、仕立て師お辰、木戸芸者狛助と金太、そして鬘屋柳斎と役者今村扇五郎に惚れ込んだ面々はそろって狂う。扇五郎に狂わせられる。明らかに常軌を逸した役者の所業なれど、贔屓熱は高まり、職人気質が捩れていく。芝居であって狂言なんだよ、どれだけ追求しようと虚であり現じゃあない。わかっているはずが、扇五郎のささやきで倫理が崩壊していく。芸のため、技のため、犬にとどまらず人の命をも犠牲を厭わず。挙げ句、己の命をも…。好みによるんだろうけど扇五郎視点で描く一話が欲しい。あの狂気を直に聞きたい凡凡読者。
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化け物シリーズがあんな感じなので今度は人が死なない話かな?と思ったら違ったよ! 芝居に、衣装に、鬘に、それぞれ取り憑かれた人たちの連作短編集。 カバー裏の犬饅頭かわいい。
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著者の既刊は全部読んでいて、化け物心中のコンビが一番好きなことに代わりはない。が、今回は研ぎ澄まされた連作短編で、完成度が一番高いような気がした。 おんなの女房や、他の方の作品だが、木挽町のあだ討ちも合わせて読むと、どんどん芝居小屋やその小ネタに詳しくなれる。 作品数が増える...
著者の既刊は全部読んでいて、化け物心中のコンビが一番好きなことに代わりはない。が、今回は研ぎ澄まされた連作短編で、完成度が一番高いような気がした。 おんなの女房や、他の方の作品だが、木挽町のあだ討ちも合わせて読むと、どんどん芝居小屋やその小ネタに詳しくなれる。 作品数が増えるにつれ、これが著者の世界だというものは確立したが、ずっと同じままというわけにもいかないだろうから、これからがさらに楽しみ。 現代の作品も書いたらどんな感じなんだろう。
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