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万両役者の扇 の商品レビュー

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23件のお客様レビュー

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2026/01/10

江戸歌舞伎の世界がお得意の作家さんの作品、たぶん読むのは三作目。 森田座・名題役者の今村扇五郎を巡っての不穏な事件の数々。 第一話は扇五郎の大ファンを通り越して扇五郎の妻になるという野望を持つ大店のお嬢様、お春。 扇五郎の妻と芝居の客席で知り合い、見窄らしい妻お栄から扇五郎を奪...

江戸歌舞伎の世界がお得意の作家さんの作品、たぶん読むのは三作目。 森田座・名題役者の今村扇五郎を巡っての不穏な事件の数々。 第一話は扇五郎の大ファンを通り越して扇五郎の妻になるという野望を持つ大店のお嬢様、お春。 扇五郎の妻と芝居の客席で知り合い、見窄らしい妻お栄から扇五郎を奪うつもりで近付くが…。 芝居のためなら何でもやる夫婦の姿はホラー。お春にも危険が及ぶのかとハラハラした。 第二話は芝居客に饅頭を売っている茂吉。 細々した商売だったのが、あるきっかけで饅頭が爆発的ヒットに。だが一方で茂吉の心に異変が…。 第三話は衣装の仕立て職人の女弟子お辰。 彼女のアイデアは誰かの真似でしかないため、誰も彼女に仕立てを頼んでくれないのだが、師匠の指示で初めて衣装を仕立てることに。 しかしついに殺人事件が。 第四話は木戸芸者と呼ばれる男たち。 さきの殺人事件の犯人が扇五郎だとの噂を消すため、真相に迫っていく。 第五話は鬘作りのレジェンド職人。だがどうも年のせいか、頑な態度が気になる。 ここではなんと、扇五郎が殺され首がない遺体になっている。 最終話は扇五郎の妻お栄にもどる。 扇五郎の死から1ヶ月が経つが、いまだ事件は謎のまま。お栄は扇五郎と対立していた役者・寛次とともに真相に迫る。 芝居に浸かり芝居に狂わされていく人々を描くのが上手い。ここまで浸からなければ芝居は上手くなれないのか。 夢と現との境目を危うく歩くのが芝居国の人々なのか。 だが夢だけで生きていけないのは辛いところ。 扇五郎が死んでひと月しか経たないのに、彼のトレードマークのグッズは森田座から消え、客も芝居を支える人たちも視線は次の役者に向けられている。 扇五郎の渾身の芝居も夢何処。

Posted byブクログ

2025/09/16

江戸の歌舞伎創成期。人気歌舞伎者の舞台裏から始まる物語は、人に潜む妬みや恨みによって殺害事件へと発展し、下手人を暴いていく筋へと展開する。だが最後には、人気役者が名を残す芝居をもって物語は締めくくられる。 人気の陰に潜む人間関係を巧みに描きながら、歌舞伎役者は最後まで「歌舞伎魂」...

江戸の歌舞伎創成期。人気歌舞伎者の舞台裏から始まる物語は、人に潜む妬みや恨みによって殺害事件へと発展し、下手人を暴いていく筋へと展開する。だが最後には、人気役者が名を残す芝居をもって物語は締めくくられる。 人気の陰に潜む人間関係を巧みに描きながら、歌舞伎役者は最後まで「歌舞伎魂」を守り抜こうと舞台に立つ。己の過ちによって死に至ってもなお、芝居を貫くその生き様は圧巻である。 上方言葉や江戸訛りを交え、当時の華やかな雰囲気を余すところなく描いた作品であるが、やや読みづらさを覚える部分もある。しかし、職人気質を貫き、誇りを持って日々精進する江戸の職人の姿勢には強く心を打たれる。現代の転職時代とは、まさに天と地の差といえるだろう。 「肝の底の底、腑のひだの間まで芝居が詰まっていやがるんだ。どこを突いても、どこをめくっても、芝居浸しで芝居色さ」

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2025/05/15

お初の蝉谷めぐ美。江戸の芝居小屋を舞台にした、何とミステリーだ。ひねりの効いた展開に惹きつけられること間違いなし。 ある登場人物がしゃべったり動いたりするというのが小説の普通の順序だが、この作中ではいきなりしゃべったり動いたりする。誰がしたのかはその後に明かされる。 読者はその「...

お初の蝉谷めぐ美。江戸の芝居小屋を舞台にした、何とミステリーだ。ひねりの効いた展開に惹きつけられること間違いなし。 ある登場人物がしゃべったり動いたりするというのが小説の普通の順序だが、この作中ではいきなりしゃべったり動いたりする。誰がしたのかはその後に明かされる。 読者はその「誰」を気にかけながら読む。ハラハラ感に繰り返しおそわれるという技巧だ。初めての表現法である。 賢い人だ。

Posted byブクログ

2024/12/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【収録作品】 一春 役者女房の紅 一茂 犬饅頭 一辰 凡凡衣裳 一狛 狛犬芸者 一柳 鬘比べ 一栄 女房役者の板 演じることに取り憑かれた役者の狂気が周囲の人々の視点で描かれる。彼の妻の執着、彼の贔屓たちの狂気と移り気も気持ちが悪い。 我に返って距離を取った人たちの真っ当さにほっとする。ただ、扇五郎にそこまでの魅力を感じなかったので、周囲の熱狂ぶりに今ひとつついていけなかった。

Posted byブクログ

2024/12/09

うわ すごい本に出会ってしまった 役に魂を絡めとられてしまった扇五郎とその周囲の者達の狂気を描く 己の役をつきつめるやりかたに、気色悪くも感動すらおぼえる

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2024/12/09

森田座の人気役者扇五郎の魅力に取り憑かれた人々を主人公にした6つの連作短編集。 胸焼けを感じてしまうほど濃厚。

Posted byブクログ

2024/11/30

現代の推し概念に通じるような、人を狂わす芝居に行きた人の話。短編のようでいて、繋がっていて、いろんな側面があって面白かった。知らない歌舞伎の世界を垣間見れた気分になる

Posted byブクログ

2024/11/22

山風賞受賞作ってことで。前に読んだ”化け物~”がそれほど好きでもなかった記憶があり、本作もどうしようかと思ったんだけど、同受賞作はやっぱり読んでおこう、と。結果、やっぱりそこまで好きじゃないんだよな~。つまらなくはないんだけど、時代背景とか舞台とか、その辺の趣味の問題ですわな。

Posted byブクログ

2024/11/03

24/11/02読了 一人の役者が周りを狂わせる。六編の連作短編だが、つくりがたいへんうまい。読みにくいわけではないがするする読めなかったな。狂気にあてられたかな。

Posted byブクログ

2024/10/18

扇五郎は歌舞伎役者で当代1の人気を誇っている。しかし、その妻を初め周囲が彼の役者魂に引き込まれて人生の危うい方向に流れていく。途中グロテスクな描写もあり、最初は役者への興味から読み進めたが、後半は狂気の部分についていけなくて離脱しそうになりながら結末まで読んだ。

Posted byブクログ