核燃料サイクルという迷宮 の商品レビュー
半藤さんの著書を読んだ後では、特に彼の言葉が身に染みる。「起きては困ることは起きない」「底知れない無責任」 関わっている人間誰一人として責任逃れをさせない、というような気迫、怒りを感じる。そして、本書を読んでしまった私自身も責任からは逃れられない。
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私が核燃サイクルの危険性を初めて認識したのは1988年の春だった。当時創刊されたDaysという雑誌に広瀬隆氏がラ・アーグとセラフィールド、両再処理工場付近のタンポポが異常に巨大化していることを告発する内容だった。その記事に大きな衝撃を受け、それ以来ずっと関連記事を追っている。私...
私が核燃サイクルの危険性を初めて認識したのは1988年の春だった。当時創刊されたDaysという雑誌に広瀬隆氏がラ・アーグとセラフィールド、両再処理工場付近のタンポポが異常に巨大化していることを告発する内容だった。その記事に大きな衝撃を受け、それ以来ずっと関連記事を追っている。私が原発に反対するのは事故の過酷さよりもむしろ廃棄物処理が技術的に不可能であることが第一の理由だ。たった数十年のエネルギーを賄うために、数千年、数万年後の子孫にまで廃棄物の処理を委ねるのは、著者が言う通り犯罪的だと思う。まさに「今だけ、金だけ、自分だけ」。 本書は専門外の人にもわかりやすく核燃サイクルの問題点が解説されており、理解しやすい。1988年当時に比べて今では格段に原発に対する意識や関心が深まっているが、もっと多くの人にこの本に書かれている真実を知ってもらいたい。 ただ不満もある。原発は決して安い電源でなく、CO2排出においてもマイナスになるという。これはそのとおりで、原発は包括原価方式でなければ経済的にペイしないというのは30年前から指摘されているところではあるが、本書の記述には具体性がない。こういうものは数字で示さなければ納得感は得られない。 いま一つは、高速炉から出た使用済燃料からのプルトニウム抽出の何が難しいのか、参考文献を示すだけで本文に書かれていない。ここは主題の核心にあたる部分なので詳しく説明して欲しかった。
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核ナショナリズムを突き進んでしまった日本は、3.11後も引き返すことができなくなっている。 この負の遺産を未来の国民にどう引き継いでいくつもりなのか。
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