ロシア文学の教室 の商品レビュー
課題本を読んでから各章を読もうかな、と思って本を探してみると手に入れるのが大変なものもあったりして、小説のように読み進めることにしました。ニーナとユーラのこれからが気になるし、『銀の時代』だって、まだあることだから続編に期待です。トルストイの復活と、チェーホフの短編集、レールモン...
課題本を読んでから各章を読もうかな、と思って本を探してみると手に入れるのが大変なものもあったりして、小説のように読み進めることにしました。ニーナとユーラのこれからが気になるし、『銀の時代』だって、まだあることだから続編に期待です。トルストイの復活と、チェーホフの短編集、レールモントフの悪魔、読んでみたい。ニコライ・ミンスキーのセレナーデという詩は、エルガーが美しい合唱曲として作曲しています。あまり知られていない名曲のようで、好きになりました。 https://youtu.be/8w6ojDCNxcc
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すごく面白い。 ユニークなロシア文学案内。 何せ、主人公は授業を出席すると、その課題作品の中に入り込んでしまうのだ。そして、ひそかに思いを寄せる同じクラスの女性が、その作品の中の人物として現れる…青春恋愛小説のカタチで進む。 新たな戦争の時代にあって、なぜ文学をやるのだろう。戦...
すごく面白い。 ユニークなロシア文学案内。 何せ、主人公は授業を出席すると、その課題作品の中に入り込んでしまうのだ。そして、ひそかに思いを寄せる同じクラスの女性が、その作品の中の人物として現れる…青春恋愛小説のカタチで進む。 新たな戦争の時代にあって、なぜ文学をやるのだろう。戦争、国家、恋、喜劇、愛、悲劇、死、時間…。「社会とは、愛とはなにかを考える」。本書の中で展開される授業の目標だ。最後の作品「復活」を読み終えた学生たちは、その意味をかみしめる。主人公・湯浦葵は「怖いのは考えるのをやめてしまうことだ」(p359)と考えるにいたる。 文学を通して、言葉を鍛え思考を豊かにし、この社会をとらえ、そして可能ならば、この社会をほんの少しでも良くしていく。あらためて、文学をすることの意義をかみしめさせてくれる本だ。 しめくくりの「作者」をめぐる考察がさらにひねられていて面白い。
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好き嫌いは別れるかもしれないが、ユニークなロシア文学案内。 ウクライナへの侵略をきっかけにロシアに文学や文化を学ぶ者が抱える〝引っかかり〟を踏まえつつ、作品世界に入り込んで発見する学生たちに共感できる。
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なんと表現するのかわからないが、素晴らしい「読書案内」の本。 村上春樹ふうにいうならデタッチメントの文芸が好きな者だが、コミットメントの文芸にも興味ゼロではない。 というか、デタッチメント側の人間にとって、時事ネタにコミットメントするって文芸作品くらいでしか果たせないという直感がある。 いい橋をかけてくれた。 @ 「ロシア文学の教室」から小説の世界へワープ――異色の体験型・文学教室! 青春小説にして異色のロシア文学入門! 「この授業では、あなたという読者を主体とし、ロシア文学を素材として体験することによって、社会とは、愛とは何かを考えます」 山を思わせる初老の教授が、学生たちをいっぷう変わった「体験型」の授業へといざなう。 小説を読み出すと没頭して周りが見えなくなる湯浦葵(ゆうら・あおい)、 中性的でミステリアス、洞察力の光る新名翠(にいな・みどり)、発言に躊躇のない天才型の入谷陸(いりや・りく)。「ユーラ、ニーナ、イリヤ」と呼ばれる三人が参加する授業で取り上げられるのは、ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』、ドストエフスキー『白夜』、トルストイ『復活』など才能が花開いた19世紀のロシア文学だ。 社会とはなにか、愛とはなにか? この戦争の時代を考えるよすがをロシア文学者・翻訳者の著者が真摯に描く 「ロシア文学の教室」。 ◎目次 シラバス・初回ガイダンス 第1講 大通りの幻 ニコライ・ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』 第2講 仄暗い森のなか アレクサンドル・プーシキン『盗賊の兄弟』と抒情詩 第3講 孤独な心のひらきかた フョードル・ドストエフスキー『白夜』 第4講 距離を越える声 アレクサンドル・ゲルツェン『向こう岸から』 第5講 悪魔とロマンティック ミハイル・レールモントフ『悪魔』 第6講 布団から出たくない イワン・ゴンチャロフ『オブローモフ』 第7講 恋にめちゃくちゃ弱いニヒリスト イワン・ツルゲーネフ『父と子』 第8講 土埃に舞う問い ニコライ・ネクラーソフ『ロシヤは誰に住みよいか』 第9講 やり直しのないこの世界 アントン・チェーホフ『初期短編集』 第10講 心の声の多声 マクシム・ゴーリキー『どん底』 第11講 温室の夢 フセヴォロド・ガルシン『アッタレア・プリンケプス』ほか 第12講 よみがえるときまで レフ・トルストイ『復活』 成績評価――夏休みの名探偵?
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メジャーどころ以外も色んな作品が紹介されており、読みたい本が増えて良かった。ただ、入門書にしては入手性の低い作品が多いとか、微妙なノリの青春小説風にしてあるせいで1作品毎に広げられる解釈や話題に紙面が割けなくなっていたりとかは勿体なく感じられた。 だからといって小説として読もうと...
メジャーどころ以外も色んな作品が紹介されており、読みたい本が増えて良かった。ただ、入門書にしては入手性の低い作品が多いとか、微妙なノリの青春小説風にしてあるせいで1作品毎に広げられる解釈や話題に紙面が割けなくなっていたりとかは勿体なく感じられた。 だからといって小説として読もうとするとあれこれキャラクターに喋らせているものの、ゴーリキーじゃないけど「あなた自身が語っている言葉が多すぎる」というか…
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ロシア文学作品の中に実際に入り込んで「体験」した上で、気づいたことや感想をディスカッションする大学の授業、という体で12の文学作品を紹介する本。当時の時代背景や作者が影響を受けていたことなど、注も豊富だし、先生も学生も優秀な設定なので、勉強になるし深い読み取りを知ることができる感じがする。個人的にはファンタジー・アンド・ロマンスなこの本の設定に若干入り込めないのと、いろんな学生たちがディスカッションしているようでいながら、それは筆者の頭の中にあることをいろんな学生に割り振って言わせているだけのようなゴーリキー的な印象もあって、普通の講義形式で語ってくれても、と思う。でもこっちの方が読みやすいのはたしかだとは思うので、あっさりと軽く読めてよかった。 読んだことがあったのはツルゲーネフの『父と子』、ガルシンの『アッタレア・プリンケプス』だけだったので、他の作品も読んでいたらもっと解像度が上がったと思う。アッタレア・プリンケプスは、『紅い花』をロシア語の授業で読んで、ガルシンに興味を持って大学生の頃に読んだ。あの短編集の中で一番好きだった記憶があるけど、改めて読んでそういう話だったか、と。アレクサンドル三世は、労働階級が物を考えたり知識を得たりすることを嫌った。往々にして為政者はそうして、伸びていこうと温室の天井を突き破るものを伐採しがちね。それと同時にアッタレア・プリンケプスの方だって、温室の中でないと生きられない、というのは新たな視点だった。資本主義の限界を憂うる一方でこの資本主義社会でないときっと生きていけないって思う、そんな感覚に似ている? ドストの『白夜』を読んでみたいと思った。 ここでこうしてわかりやすく噛み砕かれて紹介されてると、面白そうだし自分も読めた気になってしまうけど、実際読んでみたらきっと読破できないものたくさんあるんだろうな。トルストイの『復活』もすごくよさそう、って思うけど、トルストイの長編読み通すの結構時間と体力使うから、なかなか手に取りづらい。 あと、オブローモフ的なものって言い回しは井筒俊彦の『ロシア的人間』でもだいぶ聞いたけど、ちょっと共感するところもあり、これも気になる…農民に言葉を与えようとしたというゲルツェンも気になる… 『ロシア的人間』をかなり易しく書いた、っていう感じの本。読みたい本が増える。
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3章まで読んだ。この後も読むかどうか悩む。小説を小説の手法を使って紹介するというやり方は、その大元の小説を適切に料理できていない、という疑念に陥る。手法の方の小説の色(恋愛もの)が強すぎるのだ。2章はプーシキンの本質について触れている部分が最後にあり、得るところがあった。しかし、...
3章まで読んだ。この後も読むかどうか悩む。小説を小説の手法を使って紹介するというやり方は、その大元の小説を適切に料理できていない、という疑念に陥る。手法の方の小説の色(恋愛もの)が強すぎるのだ。2章はプーシキンの本質について触れている部分が最後にあり、得るところがあった。しかし、全体として手法として小説を採択した意味が分からない。変なメタ性はやめて、直接的に文学に切り結んで欲しいな。
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「自分がふだん暮らしている世界とはまったく違う、はるか遠くに感じられるものごとにじかに触れるためには、いったいどうしたらいいのでしょう。この授業では、あなたという読者を主体とし、ロシア文学を素材として体験することによって、社会とは、愛とはなにかを考えます。」 (シラバスより) 本...
「自分がふだん暮らしている世界とはまったく違う、はるか遠くに感じられるものごとにじかに触れるためには、いったいどうしたらいいのでしょう。この授業では、あなたという読者を主体とし、ロシア文学を素材として体験することによって、社会とは、愛とはなにかを考えます。」 (シラバスより) 本書は“ロシア文学”を学ぶ“教室”で、主人公のユーラ達が本を読むことで考えたり体験する話。 目次だけでも若者世代への簡潔な読書案内になっているのも素晴らしいが、本の世界が一瞬で現実になる演出(それも本の中だけど)も素晴らしい。 人生経験を積んだ世代ならではの発見もきっとあるはず。豆知識や覚えておきたい名台詞もあり紹介された本が読みたくなった。
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こういう本って初めて読んだような!! すごく新鮮でおもしろかった。 ロシア文学の入門書なんだけどそれが小説仕立てになっている。大学でロシア文学を学ぶ日本の男子学生が主人公。ロシア文学の講義に出るたび、なぜかいつのまにか課題作品のなかにワープする感じで登場人物のひとりとしてその作品...
こういう本って初めて読んだような!! すごく新鮮でおもしろかった。 ロシア文学の入門書なんだけどそれが小説仕立てになっている。大学でロシア文学を学ぶ日本の男子学生が主人公。ロシア文学の講義に出るたび、なぜかいつのまにか課題作品のなかにワープする感じで登場人物のひとりとしてその作品を体験する。そして先生の講義があり、学生たちが意見をかわし、主人公もさまざまなことを考える。主人公は同じ講義を受けている女子学生に片思いしていて、それが作品の体験にリンクしたり。 とりあげられているロシア文学はトルストイとか有名作品もあるけど、自慢じゃないけどわたしは一冊たりとも読んだことがなくて、それでもおもしろかった。本当に作品を「体験する」っていう感じがしたし、現代の日本の学生たちの言葉で解釈とか感想を言われると、どういう話なのかがすっと頭に入ってくるようだし。 そして、主人公はウクライナで起きた戦争に衝撃を受け、無力感に襲われているような感じもあるのだけれど、本を読んで考えるうちに、絶望に落ちないとか、周囲に心をひらくとか、行動しようとするとか、他人を尊重するとか、そういう視点に気づいて多少なりとも希望を見出していくっていうようなところがすごくよかった。そういう視点とか考え方とかを、何百年も昔の文学者から手渡しされるというか、そんな感じがするところも本当によかった。 「必要なのは、焦らずそのときまで――心がよみがえるそのときまで、生きて、読んで、考えていくことだ。」
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【「ロシア文学の教室」から小説の世界へワープ――異色の体験型・文学教室!】戦争の時代に文学をどう読むか? ゴーゴリ、チェーホフ、トルストイまで。注目のロシア文学研究者による「愛のロシア文学教室」。
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