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すべての罪は血を流す の商品レビュー

4.4

14件のお客様レビュー

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2024/09/21

著者の過去作はアウトローが主人公だったけれど今回は真逆の保安官が主人公。 今回の主人公は苦いを通り越して惨い経験をしているせいでかなり自罰的。 舞台も人種差別が未だに残る土地なので爽快感や疾走感はないけれど主人公の交友関係や心理描写が丁寧で読み応えがある。 主人公の性格や思考に共...

著者の過去作はアウトローが主人公だったけれど今回は真逆の保安官が主人公。 今回の主人公は苦いを通り越して惨い経験をしているせいでかなり自罰的。 舞台も人種差別が未だに残る土地なので爽快感や疾走感はないけれど主人公の交友関係や心理描写が丁寧で読み応えがある。 主人公の性格や思考に共感できる部分が多かったのでラストはとても良かった。

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2024/09/09

CL 2024.9.7-2024.9.9 事件の捜査よりこの町に根強く残る偏見と差別、それによる分断と対立を描き出しているようなかんじ。 事件の様相もとてつもなく邪悪なもので、終盤では多くの人が死に、ラストは前を向いているとは言え、重い。

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2024/07/29

黒人差別の残る南部の町。 元FBI捜査官のタイタスが 故郷であるチャロン郡の保安官となって一年、 ハイスクールで教師が銃殺される事件が起こる。 その事件をきっかけに、平凡だった町に次々と おぞましい出来事が。。 正直、黒人差別の問題やキリスト教に関して どれだけ理解しようとして...

黒人差別の残る南部の町。 元FBI捜査官のタイタスが 故郷であるチャロン郡の保安官となって一年、 ハイスクールで教師が銃殺される事件が起こる。 その事件をきっかけに、平凡だった町に次々と おぞましい出来事が。。 正直、黒人差別の問題やキリスト教に関して どれだけ理解しようとしてもしきれない部分はあるけれど、それを上回る物語のおもしろさに 最後までグイグイと引っ張られ読了。 文章が時にロマンチックだったり、 格言的な台詞に説得力があったりと 印象的な箇所が多かった。 主人公はたくさんの苦悩を抱えながらも自分を律し 犯人逮捕に向け、なんとか前に進む。 その姿が痛々しく切ない。 彼の家族を含め、その先の人生に幸あれ! と願ってしまう。 以下、気になった箇所 おもな登場人物以外の、その他の人物が多すぎて 名前のメモは必須。 この人は黒人、はたまた白人?と迷う場面も多く、 この作品については大事な所なので もうちょっとわかりやすかったらもっと良かった。

Posted byブクログ

2024/07/24

相変わらずの勢いで、今回も一気読み。宗教色&地域性強め。アメリカの一部地域でブラックとして生きる過酷さを思い知りました。あまりにひどい事件が次々と訪れて滅入ります。タイタスの新しい人生が幸せであるよう祈らずにいられません。前半なかなか登場しなかった弟、いいやつじゃん、と思...

相変わらずの勢いで、今回も一気読み。宗教色&地域性強め。アメリカの一部地域でブラックとして生きる過酷さを思い知りました。あまりにひどい事件が次々と訪れて滅入ります。タイタスの新しい人生が幸せであるよう祈らずにいられません。前半なかなか登場しなかった弟、いいやつじゃん、と思えましたね。

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2024/07/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・あらすじ アメリカヴァージニア州が舞台。 未だ人種差別が色濃く残る南部の田舎町チャロン郡で保安官をしている元FBI捜査官タイタス。 ある日高校で銃撃事件が起こる。 加害者の黒人男性はその場で射殺されるが、被害者の携帯電話にあったSDカードから加害者と被害者、そして狼のマスクを被った男たちが黒人の少年少女達を拷問殺害しているスナッフフィルムが発見される。 ・感想 流石のコスビー、面白くってあっという間に読み終わってしまった。 1970〜80年代の話なのかと思いきや2000年代が舞台ということで少し驚いた。 南部の人種差別というのはここまで根深いものなんだと些細な描写で実感させられた。 私はアメリカ南部には行った事ないし小説やドラマでしか触れたことがないから勝手な憶測?だけど2000年代にはもうちょっとマシになっているかと思ってたわ。 法律に則り公平・公正であるために常に自分を厳しく律しているタイタスだけど、その信念のためにどの立場の人間からも煙たがられていたり…。 ずっと自分を律してきていたからこそ、最後チャロン郡を旅立つ時に【南部の反逆者 ジョー】という差別の象徴である銅像を引きずり倒して笑う描写にはとても爽快感があった。 タイタスには穏やかな余生(?)を送ってほしい…。 犯人予想に関しては邪道な方法(登場人物一覧の消去法。「こいつ登場人物欄にいる割に全く話に出てこないな?」とか思いながら)絞り込んで読んでたw 犯人の家に突入するシーンから最後の戦闘シーンまでは手に汗握る描写で痛々しくもハラハラしっぱなし…犯人発覚の段階で残りページがほぼ無かったからどう決着させるのかと思ってたけどサクサク進んだ。 南部の強烈で強固な信仰心は私みたいなふんわりテキトーな信仰心(無宗教とは思ってない)しか持ってない人間にはちょっと理解できないところもある。 だからタイタスの「犯人を神格化してはいけない」「悪魔も神もなくただの人間」だというリアリストな部分は読んでて共感した。 コスビー作品はまだ黒き荒野の果てが未読なのでこっちも早く読みたい。

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2024/07/05

過激で悲惨な場面が多すぎてなかなか読み進めなかった。それにしても、差別意識の改善されなさに、改めて自分の胸に問いかけたい。

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2024/06/23

人種差別が色濃く残るアメリカ南部での猟期殺人。新たな殺人が次々と見つかり、黒人保安官の苦悩を感じながら進んでいく。 次々と傑作を打ち立てていくコスビーに次への期待も更に高まる。

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2024/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

S.A.コスビーの3作目。 今作は前2作のノワールから変わり、ゴリゴリの警察小説。 舞台はアメリカ南部の街。拳銃を所持した黒人の高校生を、保安官たちが射殺する。高校生は殺される直前、先生の携帯を見ろと言い残す。教室では教師が殺されていた。この街初の黒人の保安官タイタスは殺された教師の携帯を調べるが、中には目を背けたくなるような残虐な映像が残されており。。。 いくらなんでも前作「頬に哀しみを刻め」より面白いことはないだろうと読み始めたが、すみません、軽々と超えてきました。 正直物語のまとまり方は前作の方が上だけど、今作の警察小説としての手堅さ、完成度は圧倒されるほど良かった。 アメリカ南部の人種差別、独特の宗教感がこれでもかと言うほど描かれており、黒人保安官タイタスの非常に難しい立ち位置がわかりやすい。 若干、ラストが駆け足気味だったが、面白さは抜群だったため、今年を代表する翻訳小説になると思う。 というか、5月と6月は本作に加えウィタカーの新作、ボルトンの10年ぶりの新作、クレイヴンの新シリーズと、とんでもない豊作で嬉しい悲鳴。

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2024/06/15

一切容赦のないグロ描写、緊迫感のある展開、まるで海外ドラマを見ているかのような満足感‼︎ 近年、日本でも田舎での閉塞感や近所問題について話題に上がることが多いが、本作の舞台であるヴァージア州チャロン郡はその比ではない。 黒人差別が根深く残る地域で黒人初の保安官として暮らす主人公...

一切容赦のないグロ描写、緊迫感のある展開、まるで海外ドラマを見ているかのような満足感‼︎ 近年、日本でも田舎での閉塞感や近所問題について話題に上がることが多いが、本作の舞台であるヴァージア州チャロン郡はその比ではない。 黒人差別が根深く残る地域で黒人初の保安官として暮らす主人公タイタスは、様々な人々に囲まれながらも冷静沈着で良きリーダーとして働く一方で誰にも話していない秘密に対して罪悪感を抱えて生きており、今回の猟奇的な事件を追っていく中で少しずつ心が蝕まれていくことになる。 タイタスに救いはあるのか、次は誰が殺されてしまうのかとヒリつきながら読んでいたが、非常に満足のいく結末だった。

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2024/06/14

どうやらS.A.コスビーは傑作しか書かないらしい すでにご存知のことかと思われるが、今年は2024年だ つまりイエス・キリストが生まれてから2024年(あるいは2028年)たっているということだ そろそろ神はこの世界に無関心だということに気付いてもいい頃合いではないだろうか ...

どうやらS.A.コスビーは傑作しか書かないらしい すでにご存知のことかと思われるが、今年は2024年だ つまりイエス・キリストが生まれてから2024年(あるいは2028年)たっているということだ そろそろ神はこの世界に無関心だということに気付いてもいい頃合いではないだろうか どんなに祈っても戦争は終わらないし、どんなに祈っても差別はなくならないし、どんなに祈っても大切な人は奪われていく そしてどんなに祈っても天使たちは助けに現れてくれそうにない それともまだそれも神の計画の一部だと信じろというのだろうか S.A.コスビーが描いた主人公タイタスを突き動かすのは神の教えではなく、公平な世界を実現しようとする人たちの意思だ 窮地に陥った彼を救うのは天使の囁きではなく、彼を愛する人たちの想いだ 人の心に巣食う悪魔と対峙するのは神ではなく、人なのだ

Posted byブクログ