君の余命、買い占めました の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルから気になり、この本を読みました。 短編小説なのに綺麗な言葉や描写がところどころに散りばめられているだけでなく、内容も短編とは思えないほど濃密で読み終わったあと、じん。と来ましたし、自分の人生、そして余命について考えさせられました。 最後の「君の命は僕の命だから。」その言葉に買い戻した53年間を章吾は楚良を想って生きて来た事がぎゅっと詰め込まれており、二人でいられた時間は少なかったものの、その少ない時間が二人にとってかけがえのないものなのだと思いました。 大切なものは何か。幸せとは何か。そして、この先の人生をどう生きるか。それを考えさせられる暖かく優しいお話しです。すっと入り込んでくる言葉も読みやすく、どの年代の方にも、そして普段小説に触れて来ていない人でも読みやすい小説になっていると思います。ぜひ、たくさんの方に読んでほしいと思いました…!
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読み終わった後に、切ない爽やかさが心に残る短編集です。 タイトル作の「君の余命、買い占めました」が特に私のお気に入りです。 章吾と楚良の純粋な心に胸が締め付けられました。 また、もし自分がこの世界に生まれたら、自分の人生をどう生きるか考えさせられました。 お金と命を天秤にかけら...
読み終わった後に、切ない爽やかさが心に残る短編集です。 タイトル作の「君の余命、買い占めました」が特に私のお気に入りです。 章吾と楚良の純粋な心に胸が締め付けられました。 また、もし自分がこの世界に生まれたら、自分の人生をどう生きるか考えさせられました。 お金と命を天秤にかけられるとしたら、自分が本当に大切にしたいものがもっとシビアに見えてくるのかな。そんなことを思いました。 題材にされている問題はヘビーなものもありつつ、読みやすくとてもきれいな文章で描かれているため、スッキリした気持ちになりました。 生きづらさを感じている人、生きている意味を考える余裕もなくただ日々を過ごしている人にぜひ読んでいただきたい一冊です!
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非常に読みやすく、どこから読んでも物語の世界に入りやすい本でした。 ですがただ読みやすいだけではない。短い中にも登場人物の心情が沢山散りばめられていて、読み終わったときにはじんわりと切ない中にほんの少しの希望や救いやほっこりした気持ちが生まれる、素敵な小説です。 特にタイトルから...
非常に読みやすく、どこから読んでも物語の世界に入りやすい本でした。 ですがただ読みやすいだけではない。短い中にも登場人物の心情が沢山散りばめられていて、読み終わったときにはじんわりと切ない中にほんの少しの希望や救いやほっこりした気持ちが生まれる、素敵な小説です。 特にタイトルから気になっていた『君の余命、買い占めました』は、自分や他人の命、人生について考えさせられました。 他の作品もぜひ読んでみたいです!
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現実的な日常の自然な会話と、非現実的なワクワクハラハラする展開のバランスがちょうどよく、あっという間に読み切りました。 12編どのお話も情景がクリアに思い浮かべられて、読み切るのに時間もちょうどよく、読書をあまりしない方でも入り込める作品だと思います。 「君の余命、買い占めま...
現実的な日常の自然な会話と、非現実的なワクワクハラハラする展開のバランスがちょうどよく、あっという間に読み切りました。 12編どのお話も情景がクリアに思い浮かべられて、読み切るのに時間もちょうどよく、読書をあまりしない方でも入り込める作品だと思います。 「君の余命、買い占めました」 研究や技術の進歩により余命さえも流通する、命が機械的に扱われるようになったと感じてしまう世の中で、こんなにも献身的な気持ちが連鎖するものかと胸が熱くなりました。 「車椅子のナンパ師」 タイトルからはまるで想像できないラストでした。 ナンパが題材のお話では、こんなあたたかい気持ちは絶対に得られないなと。 ぜひこのじんわりとした不思議な感覚を味わっていただきたいです。 ドラマや映画を観ているような感覚もありつつ、小説ならではの自由に想像して楽しめる要素も十分にあり、読み終えたあとに心があたたかくなりつつも、スッと軽く楽になれる、そんな作品です。
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高校の社会見学で見た「死刑執行」。 密かにそれをスマホで撮影した高校生(裕紀)の身の上に起きる不思議な物語です。 リアルな死刑場の描写、無実を叫ぶ死刑囚、拘置所の外で見た死刑反対派の市民団体と一人の少女、マスコミの報道と少女とのやり取り、そして明らかになる真実と少女の正体。 これ...
高校の社会見学で見た「死刑執行」。 密かにそれをスマホで撮影した高校生(裕紀)の身の上に起きる不思議な物語です。 リアルな死刑場の描写、無実を叫ぶ死刑囚、拘置所の外で見た死刑反対派の市民団体と一人の少女、マスコミの報道と少女とのやり取り、そして明らかになる真実と少女の正体。 これ以上書くとネタバレになりそうですが、非常に「捻(ひね)りのきいた」短編小説です。 映像に喩えるならば『世にも奇妙な物語』(フジテレビ)で使われそうなストーリーでしょうか。 「命」「想い」が作品の中に描かれ、それに「ホラー」が絶妙な味付けをしています。 高校生(裕紀)、死刑囚、少女、どの登場人物も「命」に向き合う想いがしっかりと(淡々と)綴られている作品です。
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表題作「君の余命、買い占めました」を含めた12編、どれも“生きづらさ”と共に語られることが多い現代的な事象がモチーフになっているものの、つらさの中に“救い”が語られる短編集です。 非正規雇用、孤独死、ハラスメントなどニュースでは社会問題としてネガティブに語られる事象であって...
表題作「君の余命、買い占めました」を含めた12編、どれも“生きづらさ”と共に語られることが多い現代的な事象がモチーフになっているものの、つらさの中に“救い”が語られる短編集です。 非正規雇用、孤独死、ハラスメントなどニュースでは社会問題としてネガティブに語られる事象であっても、そこに人がいる限り生まれる心の通い合いやちょっとした奇跡がうまく描かれていて、ホロリときたりジーンと感動したり、感情が忙しくなりながら引き込まれて一気に読みました。 個人的なお気に入りは「余命告知シミュレーション」、Z世代であろう緩和ケア医の成長譚とも言える作品です。電車の2駅分ほどで読み終わるので成長譚とは大げさかもしれませんが(笑)、余命告知の重責を前にトイレに逃げ込んじゃう心優しき青年医師のキャラクター造形が巧みで、シリーズものとして読みたいくらいです。 しっかり者の看護師とのバディものとしても、クスリと笑える会話劇としてもオススメです。 社会問題の“中にいる”小さき人達への温かい視線を持つストーリーテラー・青井青さん、フォローしていきたいと思います。
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人のやさしさ温かさも感じながら、胸が切なくなるショートストーリーをまとめた小説です。 10代のころの好きなのにうまくいかない恋愛や思春期の家族関係、 感情の間でゆれうごいて悩んで前に進んだり立ち止まったりした昔を思い出して なんだか泣きたくなりました。 技術進歩によって自分の...
人のやさしさ温かさも感じながら、胸が切なくなるショートストーリーをまとめた小説です。 10代のころの好きなのにうまくいかない恋愛や思春期の家族関係、 感情の間でゆれうごいて悩んで前に進んだり立ち止まったりした昔を思い出して なんだか泣きたくなりました。 技術進歩によって自分の寿命を売り買いできる”余命”をお金にかえられるようになった世界。 母一人子一人で貧しいながらも、周りにやさしくできる主人公。 登場する若者はみんなやさしくだからこそ理不尽な世の中、大人の醜さや傲慢さが際立ち 年齢を重ねれば重ねたほど自分の見栄や体裁をきにする大人たちに疑問を抱えた 10代ころの自分が思春期に読んでいたらダイレクトに刺さった内容 だったなと思います。 大人にもおすすめですが20代前後の若者にもぜひ読んでほしい作品です。 全部で12作品収録されておりどれもショートストーリーのため普段本を読まれない方や通勤・通学で何を読むか悩まれている方にも気軽に手に取っていただける作品かと思います。
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心が温かくなるけれど胸の奥がチクリと痛むショートショート作品集です。 「早く次の話も読みたい」と「読み進めたら本が終わっちゃう」という自身の行動に矛盾が起きています。 この気持ちを誰かに共有したい一心で投稿しました。 そして一緒に残りのページが少なくなっていく寂しさを分かち合って...
心が温かくなるけれど胸の奥がチクリと痛むショートショート作品集です。 「早く次の話も読みたい」と「読み進めたら本が終わっちゃう」という自身の行動に矛盾が起きています。 この気持ちを誰かに共有したい一心で投稿しました。 そして一緒に残りのページが少なくなっていく寂しさを分かち合って欲しいです。 どの作品もフィクションのはずなのに、現実の傍にぴったりと寄り添っているものばかりで驚きました。 星新一のショートショートを現代風に温かく描いた作品のように感じています。 ページを捲る度、今の自分と各話の登場人物たちを照らし合わせ、彼らに思いを馳せては息が詰まるような感覚に襲われる。 「生きる」という現在進行形で当たり前のように享受している現実というものは尊いものであると粛々と語り掛けてくる。 登場人物の心境や物語の顛末だけでなく自分の不甲斐なさに対しても、気が付くと涙が溢れていました。 全部で十二作品収録されており一話あたりのページ数は控えめなので、あまり読書慣れしていない方にも読みやすく心のデトックスとしてもオススメしたい一冊です。 好きなように日々を過ごしている自分にとっては、かなり罪悪感を伴っているので読了することには別人のようになっているかもしれません。
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