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月草糖 の商品レビュー

3.6

12件のお客様レビュー

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2024/09/03

『居酒屋ぜんや』の子世代シリーズも、もう六作目。 今回は凶悪な事件は一応収まり、若い人たちの成長に筆が割かれる。 年齢や事情が少しずつ異なるものの、思春期を抜けて青年期に差し掛かる微妙な心理が描かれている。 女子たちの間では、お梅が一番しっかりしているかなあ。そのうち、熊吉の雇...

『居酒屋ぜんや』の子世代シリーズも、もう六作目。 今回は凶悪な事件は一応収まり、若い人たちの成長に筆が割かれる。 年齢や事情が少しずつ異なるものの、思春期を抜けて青年期に差し掛かる微妙な心理が描かれている。 女子たちの間では、お梅が一番しっかりしているかなあ。そのうち、熊吉の雇い主の奥様になるのである。どんな関係性になるのかな。 只次郎の姪のお栄は、幼い頃からたいそう聡明に描かれていて、先が楽しみだなあ、どんな人生を歩むのかしら、と思っていた。大奥に勤めることになった時は、んんんんん・・・?と思ったのだけれど、そこには様々な仕事があると知り、一応は納得、しかし将軍からお声がかかるという、望まない方向に行ってしまった。 やはり、女である限り避けて通れないのは、まだまだこの時代、誰かに嫁ぐこと。 お栄は決断をして・・・そして夢を遥か遠くへと先送る。 熊吉だが・・・相変わらず、自分の力ではどうにもならない事に心血を注いでしまう。何もしてやれないのなら、その優しさは残酷でしかない。なのに本当に、本当に一生懸命なのだ。この辺りが非常に危ない感じがする。 そして、今回は若者たちを描くために表舞台への登場を抑えられた大人たちだけれど、その中で、「成長」していると感じるのは、升川屋のお志乃。上方から嫁いできて、江戸に馴染めず食ものどを通らなかったという新婚時代から見てきて、ずいぶん立派な女将になったものである。しかし・・・立派になり過ぎてモンスター化していかないか、いささか心配。 そして、その息子・千寿の将来がどうなるのか・・・ 個人的に、おかやは嫌。ふさわしい人が突然登場しないだろうか。気が揉める。 ちなみに、タイトルの『月草糖』あおいろが美しいつゆ草は、染まりやすい。 『月草に衣は摺らむ朝露に濡れてののちはうつろひぬとも』は、女郎のお万の気持ちでもあるのかなと思うと少し切ない。

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2024/08/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりにお栄の元気な姿を楽しませてもらったけど、やっぱりお話がパッとしないなあ。お妙の話は全然出てこないし…夜は只次郎と過ごすようになったから子ども出来るかなあと期待してたけどまだそんな話出ないし。熊吉はお花が好きになったし。予想はついてたけど、お花が可愛くないから本当にお花持ち上げる話は要らないなあと。このまま読み続けてもお妙の話は出てこないのかなあ。それなら読み続ける意味ないなあ。

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2024/07/16

居酒屋ぜんやシリーズ最新作! お栄ちゃんの選択、俵屋の若旦那とお梅ちゃんとの関係やら色々と問題解決した今作。 ずっと見守ってきたお花ちゃんと熊ちゃんが大人になっちゃって、嬉しいような淋しいような。 今後も楽しみ!

Posted byブクログ

2024/07/16

「居酒屋ぜんや」のセカンドシリーズ、“花暦 ”・第六弾。 美人女将・お妙が切り盛りする居酒屋〈ぜんや〉を舞台に、お妙と只次郎の養女・お花と薬種問屋〈俵屋〉に奉公する熊吉を中心に描かれる人情噺、連作五話が収録されています。 大奥勤めを辞めて〈ぜんや〉に身を寄せていた、只次郎の姪...

「居酒屋ぜんや」のセカンドシリーズ、“花暦 ”・第六弾。 美人女将・お妙が切り盛りする居酒屋〈ぜんや〉を舞台に、お妙と只次郎の養女・お花と薬種問屋〈俵屋〉に奉公する熊吉を中心に描かれる人情噺、連作五話が収録されています。 大奥勤めを辞めて〈ぜんや〉に身を寄せていた、只次郎の姪・お栄。 町人になって習い事の師匠になりたいと願っていましたが、結局は林家に戻ることを決断します。 ようやくお花とも打ち解けて、仲良くなれた矢先だっただけに寂しいですが、きっとお栄なら“自分の道”を歩んでいけると思います。 いつか〈ぜんや〉でお花たちと再び“女子会”ができると良いですね。 最近お花が徐々にオープンハートになってきて、胸の内を話せるようになり、健やかな成長を見せているのが嬉しいです。 一方、熊吉は売れ筋商品の「龍気補養丹」の製造に携われるようになったのは良いですが、かなり過労気味で心配な状態だったのに加えて、唐瘡に罹った女郎への“親切心”から独りよがりな世話焼きを発動してしまいます。 お陰でお花に“女郎屋通い”を誤解されて塩対応されてしまったり、挙句は〈俵屋〉のご主人に露見してしまう羽目に。 それにしても熊吉って、同僚たちからまんべんなく妬まれていますよね。 これまでも長吉から裏切られたり、留吉から嫌がらせを受けたり、今回も別の同僚から旦那様へチクられるという・・・熊吉自身は頭も切れるしいいヤツではあるのですが、何気に“鼻につく”ところがあるかもしれないなと思いました。 ここは、只次郎や〈俵屋〉の若旦那のような“人好き”するタイプのソフトな物腰を見習った方が良いのでは?と、老婆心ながら思った次第です。 そうそう、〈俵屋〉の若旦那といえば、グズグズしていたお梅ちゃんとの婚姻の件について、やっと心を固めたようでしたね。 そんな訳で、悩める若者たちの成長が眩しいセカンドシリーズですが、今後もお花や熊吉を見守っていきたいと思います~。

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2024/06/27

居酒屋ぜんやのシリーズ。 熊吉、お花、お栄の若い3人の其々。 熊吉はついつい人の世話を焼き苦境に。 お花はそんな熊吉にヤキモキする。 お栄は自分の生き方に決着をつける。 料理は相変わらず美味しそう。 お妙さんや只次郎の出番ももっと見てみたいけどね。

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2024/05/28

武家の嫁になる事を厭い、家出中のお栄の進退、女郎と知り合い放っておけない熊吉の空回り、そしてヒスイの仕上がりに泣き崩れる只次郎(笑) 今巻も楽しく読み終えました。 お栄のその後が描かれると良いな。

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2024/05/26

居酒屋ぜんやに転がりこんできた只次郎の姪のお栄。 只次郎同様、町人となって生きていくことを望みますが、親は当然許さず。 熊吉は世話焼きのせいで、お花に冷たくされてしまう。 独活の穂先と人参のかき揚げ、桃の節句の手鞠寿司、楊梅の金玉羹、青く染めた砂糖など。 お妙の料理がそれぞれの気...

居酒屋ぜんやに転がりこんできた只次郎の姪のお栄。 只次郎同様、町人となって生きていくことを望みますが、親は当然許さず。 熊吉は世話焼きのせいで、お花に冷たくされてしまう。 独活の穂先と人参のかき揚げ、桃の節句の手鞠寿司、楊梅の金玉羹、青く染めた砂糖など。 お妙の料理がそれぞれの気持ちを和らげていきます。 第六弾も良かった。

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2024/05/26

「拙者、妹がおりまして」のお師匠さんは武家の奥方だったよね。お栄さんにもそういう道があるといいけど。

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2024/05/21

前のつばき餡を読み終わってから、時間が経ってしまった。この新刊を買ってきてから、つばき餡をペラペラとめくってから、読み始めた。結果として、登場人物の押さえが甘く、読み進めながら思い出していた。結局、もう一度読み直しかな。主な登場人物の紹介にもう少しページを割いてくれるとありがたい...

前のつばき餡を読み終わってから、時間が経ってしまった。この新刊を買ってきてから、つばき餡をペラペラとめくってから、読み始めた。結果として、登場人物の押さえが甘く、読み進めながら思い出していた。結局、もう一度読み直しかな。主な登場人物の紹介にもう少しページを割いてくれるとありがたい。 11月の新刊を楽しみに待ちます。

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2024/05/19

江戸と料理のキーワードに惹かれて読み始めたがストーリーもとても好きだ。新刊をいつも楽しみにしている。 今回はお花とお栄の友情が微笑ましく熊吉の己の無力さに打ちのめされる姿にも心温まる。 居酒屋ぜんやを取り巻くすべてが好ましい。 私には読後がいつも幸せな本だ。

Posted byブクログ