三国志 新装版(七の巻) の商品レビュー
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うーん。 初めて読む三国志が、この北方謙三の三国志だった人は、『赤壁の戦い』ってなんでそんなに有名なの?って戸惑っちゃうんじゃないかな。 そのくらい、あっさり。 しかも、すべてが周瑜目線。 諸葛亮はただ「風が強いですな」と言っただけ。 ここで活躍しないと、ほぼ諸葛亮の軍師としての活躍の場はないのでは? 私が思うに諸葛亮は内政と外交の腕があるだけで、軍師としては不向きだったのではないだろうか。 だけどあまりにも劉備のもとに人材がないために、「さいてーげんこのくらいは考えとけよ」レベルの戦術で、劉備軍の調子を上げただけ。 軍師としての戦略家ではないような気がする。 『赤壁の戦い』については、事前の周瑜の思いが延々と書かれていて、しかもやったことと言えば、黄蓋(こうがい)が寝返るという偽情報を曹操に掴ませたことのみ。 で、風の向きが変わったピンポイントのその日、黄蓋は曹操の船に小舟を連ねて向かう。 次の瞬間、曹操が船に衝撃を受けたことですべてを察知し、脱兎のごとく陸路を敗走。 これが赤壁の戦いのすべてですって言われましても…。 中国の歴史を知っている作者の眼を借りているかのごとく、先を見通した発言を繰り返す周瑜や曹操。 少し鼻に付くようになってきた。 赤壁の前から曹操は、そしてそれ以後の周瑜は、体調が悪い。 そのすきに漁夫の利を得た劉備が着々と拠点を築き上げ、さらに西方では張衛と馬超が互恵関係を結ぶ。 作者のお気に入りと思われる周瑜はもう先がない。 張衛も、たぶん五斗米道に未来がないので、今まで通りの活躍は望めない。 諸葛亮のことは好きではなさそうだ。(こすっからいからね) 関羽、趙雲もあまり活躍の場は与えられていない。 曹操、劉備、孫権のようにトップに立つ者を書くのも、あまり好きではなさそうだ。 だから今後はしばらく馬超の巻になるのかな。 そして曹操亡き後は司馬懿がメインになるのかな。
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