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日本外交の劣化 再生への道 の商品レビュー

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2024/08/19

「劣化」とあるが、筆者も書くように、真珠湾攻撃の宣戦布告を遅延させた野村駐米大使を始め、外務省の不手際、国益意識の低さは以前からつとに指摘されてきた。 本書の第一部の指摘は尤もなものばかり。 第二部、第三部は筆者の思い入れの強さのあまり筆が滑っていると感じる箇所もあるが、外交...

「劣化」とあるが、筆者も書くように、真珠湾攻撃の宣戦布告を遅延させた野村駐米大使を始め、外務省の不手際、国益意識の低さは以前からつとに指摘されてきた。 本書の第一部の指摘は尤もなものばかり。 第二部、第三部は筆者の思い入れの強さのあまり筆が滑っていると感じる箇所もあるが、外交を司るはずの外務省職員が、外交官ではなく単なる公務員となっているような印象を受ける。 日常業務や省内政治に精一杯で、国を代表し、他国と国益を巡ってのギリギリの交渉を行う余裕や覚悟を持てないということか。 基本的な語学力不足、自国や赴任先の社会・文化・歴史に対する理解不足、赴任先で有効な人脈を作れない、自国の利益に沿った主張・行動ができないなど、外交官としての基本的な資質・姿勢に欠ける人物も決して例外ではなさそうだ。 海外に赴任するビジネスマンは否応なく自国の文化を客観的に見つめ直し、赴任先との違いの根本について常に考えさせられる。 公的な立場で赴任する外交官が感じる圧力は何倍も強いはずなのだが。 筆者の批判がすべて的を射ていると言えないとしても、名指しされた面々の行状は確かに褒められたものではない。 四半世紀も前に書かれたテリー伊藤の「お笑い外務省機密情報」から何も変わっていない。 一方で在外公館を増やす動きもあるらしい。 外務省の立て直しは急務だが、病巣は外務省に限らない。 この国はエリート教育を根本から見直す必要があるのではないか。

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2024/04/16

【「本書は外交官としての私の遺言だ」前駐豪大使 覚悟の手記】なし崩しの北方領土交渉、腰の引けた対中外交、慰安婦像乱立の大罪……。日本外交を劣化させてきた外務省幹部と政治家の責任を問う。

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