#生涯子供なし の商品レビュー
普通に子供がいないと言う事は、個人の自由もあり、他人があれこれ言えるものではないと思っていましたが、国の将来の事などを考えるとどうなるのかと考えてしまいます。その反面、子供を持たないと言う選択もわかる気がいたします。
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自分も「生涯無子」になる可能性が高い当事者として興味深く読んだ。子どもを持ちたくない理由としてアンケートに寄せられた、「生きていることが辛い時代なので、同じ思いをするかもしれない人間を産み出したくない」「自分のことでいっぱいいっぱいで、自分が育てることに自信が持てない」などの声に...
自分も「生涯無子」になる可能性が高い当事者として興味深く読んだ。子どもを持ちたくない理由としてアンケートに寄せられた、「生きていることが辛い時代なので、同じ思いをするかもしれない人間を産み出したくない」「自分のことでいっぱいいっぱいで、自分が育てることに自信が持てない」などの声には共感するばかりだ。子どもを持つことが当たり前ではなくなった現代にあって、安心して子どもを持ちたいと思える社会になっていないことが、日本が未曾有の無子化・少子化の道を突き進んでいる一番の要因であろう。 古代ギリシャ・ローマの時代から少子化対策は行われているが、大きな成果は出ていないという。公権力が出生率を上げることに介入するのではなく、ジェンダー不平等を是正し、男女とも家庭生活と両立できるような働き方を実現した上で、そのうれしい副産物として結果的に出生率が上がるのが望ましいという溝口由己教授の提言に、ごもっともと膝を打った。 女性より男性の方が「結婚したい・子どもを持ちたい」という願望を持っている率が高いというデータは、意外なようでもあり、実際に子を持つことがリスクになるのは女性のほうだもんね、という冷めた気持ちも起こさせる。女性のほうが子を持つことによりシビアであるという側面はありつつも、自発的無子か非自発的無子かの区別は非常に難しいという指摘もある。子どもを持ちたいかどうかという気持ちは年齢によっても変化するもので、確固たる意志を持って子どもを持たない人は1割未満だというから、社会が変われば子どもを持っても良いと思う人も中にはたくさんいるのだと思う。子を持ちたい人が持てなかったり、タイミングを逸してしまうようなことは減らしていくほうが良い。 我が家の場合は、夫も子どもを強く望んでいないため、現状子どもを持とうとしておらず、このまま行くと生涯無子になる可能性が高いが、自分たちが子どもを持たないとしても、安心して子どもを産み育てていける社会をつくることには貢献していきたいと考えている。それは、身寄りのない高齢者となる我々が安心して死んでいける社会をつくることにもつながっていくはずだからだ。
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