ひとつの祖国 の商品レビュー
紛争や格差のない社会を目指し 東日本独立を計る集団と それを阻止しようとする警察、自衛隊。 あまりにも壮大なテーマに ワクワクしながら読み始めたけれど 世界がどんどん小さくなり いつのまにか ひとりの男の逃亡劇になっていた。 そして テロ組織、自衛隊特務連隊、在日米軍など 全て放...
紛争や格差のない社会を目指し 東日本独立を計る集団と それを阻止しようとする警察、自衛隊。 あまりにも壮大なテーマに ワクワクしながら読み始めたけれど 世界がどんどん小さくなり いつのまにか ひとりの男の逃亡劇になっていた。 そして テロ組織、自衛隊特務連隊、在日米軍など 全て放り出したまま どさくさに紛れて終わっていた… 今の日本に対する怒りや嘆きや不満を ただぶちまけたいだけだったのか?
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日本が西日本と東日本で分断されるという設定がおもしろい。 ぐいぐい読んだけど、終盤これどうやってまとめるの!?という気持ちになり、最後はあれ?という終わり方。 一条と辺見の絡みがもっとあったらよかったなあ。
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戦争に負け日本がソ連とアメリカに分断され、再びドイツのように東日本と西日本が統一された”日本”の話。 設定は面白い。 貧しい東日本、権力と経済を支配する西日本との対立は、東日本のMASAKADOと名乗る集団が日本からの独立を画策していた。 テロ集団が東日本生まれの一条を誘い込む深...
戦争に負け日本がソ連とアメリカに分断され、再びドイツのように東日本と西日本が統一された”日本”の話。 設定は面白い。 貧しい東日本、権力と経済を支配する西日本との対立は、東日本のMASAKADOと名乗る集団が日本からの独立を画策していた。 テロ集団が東日本生まれの一条を誘い込む深謀遠慮な工作により、彼は抜き差しならない最悪の事態に陥る。 最初の設定から同国内の貧富の差や人権問題が、結局は着地所を見せないままなのが消化不良な感じで終わってしまった。 500ページもあり本当に長く感じた。
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ぬっくんの新作です! まず、設定が面白いので、いきなり引き込まれ、ぬっくんの読みやすい文でグイグイいきます。 面白かった〜〜!! ただ、ラストまで読むと、 「えーーっ!続編があるの⁈」 と強く思う!(あるのか?) 意図せずテロ組織を関わってしまった、一条昇と、その行方を追うこと...
ぬっくんの新作です! まず、設定が面白いので、いきなり引き込まれ、ぬっくんの読みやすい文でグイグイいきます。 面白かった〜〜!! ただ、ラストまで読むと、 「えーーっ!続編があるの⁈」 と強く思う!(あるのか?) 意図せずテロ組織を関わってしまった、一条昇と、その行方を追うことになる幼馴染で自衛隊特務連隊に所属する逸見公佑。 この2人が、それぞれ、なかなかいい奴なだけに、もうちょっともうちょっと・・・・と思いながら・・・残りページが少なくなるにつれ、ええ〜〜どうやって終わるのよ?とハラハラしました。正直、期待した終わり方ではない。でもそれが、現実なのかなあ? そういう意味でも、続編が読みたいわ! とはいえ、いろいろと考えさせられる話で、リーダビリティ抜群。私は楽しめました。 なんにせよ、テロは最悪。でもって、どうやって仲間に引き込むか、というプロセスが怖い怖い。 そして格差社会。もしかしたらあったかもしれない日本、という設定だけど、やっぱり、今現在の日本にも通ずるところがある。いろんな場面で、自分が生きてきた時間を、いくつもの視点で思い出しながら読んでいました。 印象に残ったところ少し。 ーーーーー 昨日と同じように普通の人生が続くのだと、信じると表現する必要もなく無条件に思い込んでいた。(中略)実は誰もが、一歩間違えば日常を失う危険な状態に気づかずに生きているだけなのではないか。 運命を恨むのではなく、意義を見いだしたいと考えていた。 巡り合わせの悪さ、ただそれだけが一条の人生をねじ曲げたのだった。 人間の自由意志を踏みにじるような真似は、誰であろうと、どんな政治体制であろうと、許されない。 屈辱にまみれて死ぬくらいなら、屈辱に首まで浸かったまま生き続けてやる。 人間は自分の感情すら、意のままにならないのだ。それが、感情というものだ。 ーーーーー ちょっと笑ったのが・・・ 「賢い人って、ひとつのこと話してる間に連想が各方面にぱーんって広がるんよ。だから話が逸れちゃうんよねー。アホやからこんな喋り方してるんやなくて」 ってところ。私は全然賢くなくて、ただのお喋り女だけど、話してる間に連想がぱーんって飛ぶって感じがわかって、おかしかった〜〜笑 貫井さん(ぬっくんなんて呼んでごめんなさい)ぜひ、続編を書いてくださいませ。一条と辺見のその後が知りたいです〜!!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ありえたかもしれないもうひとつの戦後。 第二次大戦後に分断され、再びひとつの国に統一された日本。だが東西の格差は埋まらず、東日本の独立を目指すテロ組織〈MASAKADO〉が暗躍する。 ……… ありえたかもしれない日本ではなくて、今の日本だよね。東西に分けられなくても…… 途中から架空の世界とは思えなくなってくる。 こうやって書かないと、書けなくなっているのかとすら疑ってしまう世界観。 それにしても一条が巻き込まれる経緯が理不尽で、それだけでも、自らを「穏健派」とする〈MASAKADO〉の一派はおかしいと思う。 好書好日https://book.asahi.com/article/15268616?utm_source=newslette1015_asahi&utm_medium=email&spMailingID=8698838&spUserID=Mzg0ODczNzE1MTk4S0&spJobID=2200248912&spReportId=MjIwMDI0ODkxMgS2
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壮大な舞台設定と大胆な歴史のIF解釈で、貫井作品で今までにない挑戦的な小説。民主主義と自由経済の閉塞感を描いているが、自分の中で貫井作品だからこそのハードルの高さがあるが、本作は貫井作品らしい文章の上手さは目立つが、ストーリと展開の物足りなさが最後まで残った。ここまでの長さは必要...
壮大な舞台設定と大胆な歴史のIF解釈で、貫井作品で今までにない挑戦的な小説。民主主義と自由経済の閉塞感を描いているが、自分の中で貫井作品だからこそのハードルの高さがあるが、本作は貫井作品らしい文章の上手さは目立つが、ストーリと展開の物足りなさが最後まで残った。ここまでの長さは必要ないと思うし、幼馴染の二人の交錯が上手く描けていないように感じた。求めるレベルが高いため評価は辛め。。
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第二次世界大戦後、東西に分割された日本という設定の歴史改変小説。すでに分断は解消されているが、首都は大阪に移り標準語が関西弁となっている。ソ連によって管理されていた東側の人達は再統合後も社会的地位は低く、それを不満としたテロ組織が暗躍していた。巻き込まれてテロ組織に身を置くことに...
第二次世界大戦後、東西に分割された日本という設定の歴史改変小説。すでに分断は解消されているが、首都は大阪に移り標準語が関西弁となっている。ソ連によって管理されていた東側の人達は再統合後も社会的地位は低く、それを不満としたテロ組織が暗躍していた。巻き込まれてテロ組織に身を置くことになった一条と、彼の親友で自衛隊特務連隊の辺見が、テロの闇に迫る。 貫井さんはSFの人ではないので、こちらの期待した方向での展開にはならず残念だった。というか、都合のよすぎる設定と詰めの甘さに読んでいて白けてしまった。ラストも尻切れトンボで、うーん……となる。
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感想 発展と限界。同じ国の中に違う考えは同居しない。国は力を失う。国民は対立する。歴史で学んだことは他人事。我が身に降りかかるのか。
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読了 第2次大戦後、東西に分割してしまった日本。 統合されそれから30年が経過した日本が舞台。 東側は経済的に衰退し、首都は大阪。 公用語は関西弁。そんな世界。 全部、現実とは違う創造の産物だけど、 妙なリアリティーを感じてしまって凹んだ。 この物語の東日本は近未来の日本み...
読了 第2次大戦後、東西に分割してしまった日本。 統合されそれから30年が経過した日本が舞台。 東側は経済的に衰退し、首都は大阪。 公用語は関西弁。そんな世界。 全部、現実とは違う創造の産物だけど、 妙なリアリティーを感じてしまって凹んだ。 この物語の東日本は近未来の日本みたいだなと。
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第二次世界大戦後、東日本と西日本に分断されソ連とアメリカに統治された世界。その後、ソ連邦の崩壊、東西冷戦の終結に伴い再び統合された日本は、格差が固定化し、貧困が蔓延る旧共産主義国である東日本の独立を標榜するテロ組織が暗躍していた。 意図せずしてテロ組織に関わることになった一条と彼...
第二次世界大戦後、東日本と西日本に分断されソ連とアメリカに統治された世界。その後、ソ連邦の崩壊、東西冷戦の終結に伴い再び統合された日本は、格差が固定化し、貧困が蔓延る旧共産主義国である東日本の独立を標榜するテロ組織が暗躍していた。 意図せずしてテロ組織に関わることになった一条と彼の幼馴染で自衛隊特務連隊に所属する辺見。立場をことにする二人の友情の行方は…… 戦後日本が2国に分断されたら、という割とよくある設定のSF的手法によりながら、富裕層と貧困層の格差の固定、資本主義の行き詰まり、文明の発展と人間の進化、希望が失われた社会の行く末など、現代社会の諸問題を余すところなく描き切っているという点で現実的な物語になっている。 テロリストの目論見は少々無理筋な気もするが、人間の闘争心というものに焦点を当てた試みは面白い。 ミステリではないので、広げた風呂敷は畳まれないし、目に見える解決策も、読後のカタルシスもない。これは作者の問題提起で、「考えろ、考えることをやめるな!」という強いメッセージと受け取った。 「今日を生きるのに精一杯で、夢を持つことすら贅沢になってしまった日本人。文明を発展させ、地球を破壊してまで手に入れた生活がこれか。人間は愚かだ、と思う。」 ラストの3行が響いた。
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