ひとつの祖国 の商品レビュー
...で、何なんだ。長いストーリーのわりにまったくカタルシスを得られなかった。そもそもプロローグの段階で「これはまずいぞ(面白くなさそうだ)」と思ったのだがその勘は的中。様々な歴史的背景から東日本と西日本に歴然たる格差が生まれた仮想ディストピア。東日本→下級国民。西日本→上級国民...
...で、何なんだ。長いストーリーのわりにまったくカタルシスを得られなかった。そもそもプロローグの段階で「これはまずいぞ(面白くなさそうだ)」と思ったのだがその勘は的中。様々な歴史的背景から東日本と西日本に歴然たる格差が生まれた仮想ディストピア。東日本→下級国民。西日本→上級国民。東日本民の不満はパンパンに膨れ上がり、テロリスト軍団が誕生。そのテロに巻き込まれた主人公の数奇な運命とは。「日本の未来は暗い」と厭世観をもたらすのが目的なら成功かもしれないが、何の解決策もなく虚しい読後。私の不満もパンパンだ。
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日本国が東日本と西日本に分断され、また統合され今のような日本国になった。「高い城の男」のアメリカが日本とドイツに分断統治されたような話。北朝鮮と韓国のような話。 この設定に高い興味を持って、買ってきた。 プロローグで一番興味深い分断の設定について。しかし6ページで終わり。 本編で...
日本国が東日本と西日本に分断され、また統合され今のような日本国になった。「高い城の男」のアメリカが日本とドイツに分断統治されたような話。北朝鮮と韓国のような話。 この設定に高い興味を持って、買ってきた。 プロローグで一番興味深い分断の設定について。しかし6ページで終わり。 本編ではテロリストにされ逃走しながら日本国の本当の姿を考える日々。 衝撃的な設定では、その設定を超えられない。
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2人の幼馴染の視点で物語が進む緊張感ある展開。後半に嫌な予感がしたが的中。真相有耶無耶&海外逃亡の尻切れトンボ。こんなに厚い本なんだから結末書き切ってほしかった。続編あり?
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東京都知事選、小池百合子圧勝のニュースを見ながら、本書を読み終えた。 人間の闘争本能は文明の進歩をもたらしたのか? 世界の至るところで、戦争が続き、平和を求める声は力を持たない。空虚なものとして響き渡っているだけなのか? 闘争本能のない人間社会はあり得るのだろうか文明の発展とは人...
東京都知事選、小池百合子圧勝のニュースを見ながら、本書を読み終えた。 人間の闘争本能は文明の進歩をもたらしたのか? 世界の至るところで、戦争が続き、平和を求める声は力を持たない。空虚なものとして響き渡っているだけなのか? 闘争本能のない人間社会はあり得るのだろうか文明の発展とは人間の発展と結びついているのだろうか?
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空想と笑えない。実際、この国は怒りと不満が充満。だけど、誰もが息潜め、様子見。格差と資本主義テーマの小説多くなってきたなぁ。「なぜ格差がある。平等でない理由。人には上に立ちたいという欲がある。自尊心を保つために誰かを見下さずにはいられない。それが人間の本質」「人間らしく生きるには...
空想と笑えない。実際、この国は怒りと不満が充満。だけど、誰もが息潜め、様子見。格差と資本主義テーマの小説多くなってきたなぁ。「なぜ格差がある。平等でない理由。人には上に立ちたいという欲がある。自尊心を保つために誰かを見下さずにはいられない。それが人間の本質」「人間らしく生きるには闘争本能必要。捨てたら家畜同然」闘争本能が地球を壊しているにしても…。
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第二次大戦後、日本は米露によって東と西に分断、格差が生まれ統合後もその差は埋まらず独立運動が燻る。そんな中、テロリストに巻き込まれた男と自衛隊員の男、幼馴染の二人を軸に物語が進む。長編の割になかなか話が深まらず二人の関係も描ききれていない。不完全燃焼のままに読了。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第二次大戦の最後、ソ連が日本に侵入。天皇陛下を京都に逃して天皇家滅亡を防いだ日本。 東日本と西日本に分断。ソ連が崩壊。東日本は資本主義になるが西日本との格差拡大。東大をでても差別され就職できず時給のいい肉体労働者になる。自衛隊に就職すればまともな暮らしができるが差別は残る。父が自衛隊勤務だった東日本の辺見と西日本の一条。28才になり友情は続く。 一条がテロ組織MASAKADOに誘われる。穏健派との会合。その時にふれた鍋蓋に一条の指紋がつく。爆弾テロで鍋蓋蓋が使用。一条はテロリストの疑い。組織に加入させられ整形手術をうける 内ゲバに巻き込まれる。スパイとみなされたメンバーは殺された。一条が誘われたのは大学でバイオな研究をしていたから。人間から闘争本能をなくす薬品を開発して水源から流す計画を打ち明けられる。組織から逃げる。辺見は自衛隊の特殊任務として一条を追う。公安とも協力。 テレビカメラに一条が写ってしまうことにより潜伏していたホテルがばらてしまう。組織のメンバーが横須賀に逃してくれる。 横須賀では12才の少女が米兵の犯され、住民の怒りで暴動が起きる寸前。その暴動で一条は辺見を見つけて電話。アメリカに亡命しない、逃げる。辺見は組織から守る。電話が切れる 一条はインドネシアににげたらしいと辺見は上司から教えられる
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日本が大日本国(西日本)と日本人民共和国(東日本)に分断されて、ベルリンの壁が崩壊する頃に日本もひとつの国に統一される…。 その後、四半世紀を過ぎたが西日本と東日本の格差は埋まらず、再び東日本の独立を目指すテロ組織が暗躍する。 意図せずにテロ組織に関わってしまった一条を幼馴染の自...
日本が大日本国(西日本)と日本人民共和国(東日本)に分断されて、ベルリンの壁が崩壊する頃に日本もひとつの国に統一される…。 その後、四半世紀を過ぎたが西日本と東日本の格差は埋まらず、再び東日本の独立を目指すテロ組織が暗躍する。 意図せずにテロ組織に関わってしまった一条を幼馴染の自衛隊特務連隊の辺見が追うこととなる。 2人の幼馴染のやりとりが少ないまま、架空の日本でのテロ。 それは東日本対西日本というより、上級国民と下層民の闘いかと思われたが、テロ組織のなかで一条が逃げようとまで思ったのがとんでもない情報を知ったからで… アメリカにも知られてはならない… 中国やロシアまでもが、一条を追うのか… 一条の運命は… 架空の日本を舞台にしてるが、テロからあり得ない話にまで広がっていくのに驚愕過ぎて、脳内でいろんな思いが交錯する。 人間の闘争本能は必要ないのか⁈ あり得ないとわかっているのに何故か荒唐無稽だと思えないのは未来が予測不可能だからかもしれない。 そう思うと怖さを感じた。
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第二次世界大戦後、資本主義国の西日本と共産主義国の東日本とに分断されてしまった日本。やがてベルリンの壁崩壊と同時期に、日本もひとつの国に統一されたものの、西日本と東日本との格差が埋まることがなかった。東日本では独立を目指す組織「MASAKADO」が暗躍し、平凡な生活を送っていた一...
第二次世界大戦後、資本主義国の西日本と共産主義国の東日本とに分断されてしまった日本。やがてベルリンの壁崩壊と同時期に、日本もひとつの国に統一されたものの、西日本と東日本との格差が埋まることがなかった。東日本では独立を目指す組織「MASAKADO」が暗躍し、平凡な生活を送っていた一条は、やむを得ずに「MASAKADO」に引き入れられてしまう。一方で一条の親友である自衛隊員の辺見は、「MASAKADO」を追うことになる。架空の日本ながら、どこかしら絵空事とは思えない物語です。 資本主義にはなったものの依然として貧富の差が大きく、真面目に働いても生活するのがやっと、というのは現代の日本でもあることだし。そんな社会に不満を抱えた人が多いというのもひどく現実的で、フィクションとして気軽に楽しむ気にはなれませんでした。競争は必要なのか、世の中をどのようにすればみんなが幸せになれるのか、その答えは永遠に出ないものなのかもしれません。ただ、どんなに崇高な目的があっても、テロはダメだよなあ、というのは間違いありません。 否応なしに巻き込まれていく一条があまりに気の毒すぎ、しかし彼の利発さは頼もしく思えました。一方で辺見が一条を信じ続ける姿にもほっとさせられます。
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紛争や格差のない社会を目指し 東日本独立を計る集団と それを阻止しようとする警察、自衛隊。 あまりにも壮大なテーマに ワクワクしながら読み始めたけれど 世界がどんどん小さくなり いつのまにか ひとりの男の逃亡劇になっていた。 そして テロ組織、自衛隊特務連隊、在日米軍など 全て放...
紛争や格差のない社会を目指し 東日本独立を計る集団と それを阻止しようとする警察、自衛隊。 あまりにも壮大なテーマに ワクワクしながら読み始めたけれど 世界がどんどん小さくなり いつのまにか ひとりの男の逃亡劇になっていた。 そして テロ組織、自衛隊特務連隊、在日米軍など 全て放り出したまま どさくさに紛れて終わっていた… 今の日本に対する怒りや嘆きや不満を ただぶちまけたいだけだったのか?
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