絶望からの新聞論 の商品レビュー
政治の劣化とマスコミの劣化、どっちが先か。報道の仕方ばかりでなく、そもそも何が報道されずいるか、も新聞報道だけでは知る由もないようだ。とはいえ、新聞が信頼できないとなると、絶望せざるを得ないのは、私たち国民だ。新聞社が真実を追求する記者を育てなければ、筆力のあるライターを育てなけ...
政治の劣化とマスコミの劣化、どっちが先か。報道の仕方ばかりでなく、そもそも何が報道されずいるか、も新聞報道だけでは知る由もないようだ。とはいえ、新聞が信頼できないとなると、絶望せざるを得ないのは、私たち国民だ。新聞社が真実を追求する記者を育てなければ、筆力のあるライターを育てなければ、いったいどうやって私たちはこの国で起こっていることを知ることができるのか。いまだかつてないほど、私たちのリテラシー、ネット上の玉石混交の情報の洪水の中から、本当のことを見つけていく力が求められているのだろう。怖いですね。
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新聞が大変大変、とよく聞くけど何がどう大変なのか具体的に分かりました。部数が落ちて記者が減らされるとかは表層であって、批判を恐れて記事を過剰にチェックするとか記者の個人の発信を管理するとか政権批判にならないヌルい行動する奴が出世するとか、リベラルの雄である朝日新聞でさえ内部から腐...
新聞が大変大変、とよく聞くけど何がどう大変なのか具体的に分かりました。部数が落ちて記者が減らされるとかは表層であって、批判を恐れて記事を過剰にチェックするとか記者の個人の発信を管理するとか政権批判にならないヌルい行動する奴が出世するとか、リベラルの雄である朝日新聞でさえ内部から腐ってきてるんだなというのがよく分かった。 一方、読売新聞一人勝ちがこんなに進んでるのも知らなかったです。政権に寄り添う全国紙が部数一位とか暗澹たる気持ち。朝日だけで対抗できる訳ないので、毎日や東京新聞あたりと合併してリベラルを守ってくれよ、と思ったけどそんなに簡単には行かないかなぁ。 著者の南さんには内部に残って朝日新聞の砦になって欲しかったという青木理さんの気持ちは多分、本書を読んだ人みんなの感想だと思う。でもたった一人の人間に、あと何年泥水飲めば必ず変わる!と約束できるわけでもないのに、それは無責任すぎるよね。改革の前に、何度も悪事や矛盾を見逃さないといけないわけで。それはこんなに正義感に溢れた筆者には相当きついと思った。だから琉球新報に行かれた選択を支持したいなと思いました。だって沖縄こそ報道されないと行けない場所だもんね、日本が直視を避け続けてる場所ですよ。決して楽じゃない場所を新天地に選ぶ南さんすごいです。応援したい。 最後に。めちゃくちゃ余談ですが。 朝日新聞の内部事情を知って、先日の相談コーナー炎上事件への意見が変わったかというと変わらんかった笑 [世界情勢を憂う相談者に戦地に行けばいい、と野沢直子氏が回答してそのまま紙面にのせた→それを朝日新聞記者がすごいと呟く→ポッドキャストでその記者が「民意に忖度しない記事を上部が出す判断したのはすごい、萎縮してる若手を勇気づけた」的な言い訳を展開] という一連の流れがあったんですよ。 でこの著作読んで、やっぱ朝日の中が変になってるからこんな回答載せたし擁護の方向性も変なんだなって理解しました。おわり。
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