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長い読書 の商品レビュー

4.2

30件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2024/11/10

ひとり出版社の「夏葉社」を創業した著者のエッセイ。 同世代で子どものころからの心の支えになっているものが共感できる。 なつかしくせつない何と言えない感覚。 著者のやさしく芯のある想いが心に響く。 「沖縄の詩人」「団地と雑誌」は特に心に残る。

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2024/11/09

同世代の島田さんの人柄が伝わる良書だった。恥ずかしい思い出も楽しい思い出も優しくて温かで美しい言葉遣いで語られる。息子さんとのやりとりが温かい「宿題」が特にいい。

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2024/10/31

読書に対する向き合い方に共感した。 学生時代に感じていたことを読みながら、自分の思い出も蘇ってきた。 読みやすい本だった。

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2024/10/13

2024.12 最初からすごく面白かった。 それなりに分厚いのにあっというまに読み終えた。 共感できる部分があったり、 なるほど、と思う部分があったりした。 最後に「長い読書」でおいおい泣いた。 === P9 映画館に行けば映画ははじまるし、横浜アリーナに行けばコンサー...

2024.12 最初からすごく面白かった。 それなりに分厚いのにあっというまに読み終えた。 共感できる部分があったり、 なるほど、と思う部分があったりした。 最後に「長い読書」でおいおい泣いた。 === P9 映画館に行けば映画ははじまるし、横浜アリーナに行けばコンサートははじまる。でも、本はページを開いたところで、読者の意志と関係なくスタートするわけではない。それはどんなにおもしろい物語でも同じ。本を読みすすめるには、ほんの少しの意志が要る。 P150 彼が回答していることはすなわち、人はこれから先に時間があると思うから、本を買うのであって、今後の人生において時間がないのであれば、人は本を買わない、ということだ。〜 いまは八方塞がりでどうにもならないけれど、とりあえず明日あの本を読もう、と思う。明日が難しいようであれば、来週こそあの本を紐解こう、あるいは、来年こそあの長編小説にチャレンジしてみよう、と思う。ぼんやりとそう思いながら、歯を磨く。ネクタイを締める。電車に乗る。ぼくの二十代から三十代はおおよそ、そのようにして過ぎていった。 P192 ぼくが尊敬する書店の店主は、「本は弱者のためのものだ」といった。ぼくはその言葉に勇気づけられるし、そこに自分の仕事の価値を求める。ぼくもまた、こころが沈み込むような暗い時期に、本屋さんに、図書館に救われた。〜世の中にはたくさんの本があるのだ、という事実が、ぼくの暗いこころを慰めたのだ。それはつまり、世の中にはたくさんの人間がいて、たくさんの考え方があり、生き方があり、言葉があるということだ。 p198 人間のなかには、そういうデリケートな性質の人がいるのだ。世界を美しくしてくれるのは、そういう人だ。

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2024/10/12

本への向き合い方は人の数と同じだけあると思ってるけど、本に鋭くも優しく、深いけど重すぎない著者のような人は初めて。その想いが一人でひとり出版という生き方を支えていると伝わってきた。 著者の言葉ではないけど、「本は弱者のためのもの」、そこで紹介された「アンネの日記」。 一冊を読むだ...

本への向き合い方は人の数と同じだけあると思ってるけど、本に鋭くも優しく、深いけど重すぎない著者のような人は初めて。その想いが一人でひとり出版という生き方を支えていると伝わってきた。 著者の言葉ではないけど、「本は弱者のためのもの」、そこで紹介された「アンネの日記」。 一冊を読むだけで終わらせず、その含意を読み取って自分の人生に時間をかけて溶け込ませていく著者の読み方がひしひし感じられました。 だから「長い読書」というタイトルがぴったり。

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2024/10/07

著者の島田さんは吉祥寺のひとり出版社「夏葉社」を創業した方。団地で過ごした子ども時代、文芸研究会での先輩たちとの交流、作家を目指しアルバイトで生計を立てていた頃など、著者の側にはいつも本と音楽があった。飾らない文章が心地良いエッセイ集。初めて手に取った村上春樹の作品を読了するのに...

著者の島田さんは吉祥寺のひとり出版社「夏葉社」を創業した方。団地で過ごした子ども時代、文芸研究会での先輩たちとの交流、作家を目指しアルバイトで生計を立てていた頃など、著者の側にはいつも本と音楽があった。飾らない文章が心地良いエッセイ集。初めて手に取った村上春樹の作品を読了するのに数ヶ月を要した末に本を読むコツを習得。本や雑誌を所持するということは「いつか」と思うことで読み手の生活やこころを支えること、読書がもたらしてくれる想像力の話が心に残った。タイトルにもなった義父との話が寂しさを覚える。

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2024/09/23

この本は人にとって読書とはどのような意味を持っているのか分かりやすく伝えてくれる本です。エッセイを集めたもので、軽い文体ですが、魂が震える部分がありました。 書き下ろしの「長い読書」(248P)は義父との交流を描いています。義父の体調が思わしくないため、筆者が週に3回、電車を利...

この本は人にとって読書とはどのような意味を持っているのか分かりやすく伝えてくれる本です。エッセイを集めたもので、軽い文体ですが、魂が震える部分がありました。 書き下ろしの「長い読書」(248P)は義父との交流を描いています。義父の体調が思わしくないため、筆者が週に3回、電車を利用して義父の家まで見に行っており、家にいれば、子どもが寄ってくるため、なかなか読めない本(収容所群島など)も往復の電車の中でゆっくり読めたという内容です。義父は筆者の顔を見ると満面の笑みで迎えてくれたようです。義理の関係とはいえ、配偶者を失っているということもあり、親族の方が来てくれるというのは嬉しかったと思われます。そのような生活も義父が1年経たずに亡くなったことから終了したという内容でした。義父が安らかに眠られることを願っています。 読書について書かれている部分がありました。「読書も(走ることと)同じで、本を読むのを一日休むと、続きを読むのがおっくうになる。あらすじを思い出すのに、その著者の論旨を思い出すのに、倍の時間がかかるからだ。休んでいる期間があまりに長いと、自分の記憶のなかから、その本の思い出がきれいそっくり無くなっているということもある。だから、本を読むコツというものがあるとすれば、それは毎日続けることなのだ。眠くてしかたない日も、仕事が忙しい日も、こころが乱れている日も、すこしでいいから本を開く。それが頭の中に入ってこなくても、共感できるところがすくなくても、一ページでも、二ページでも読んでおく。そうすると、本を読む体力がつく」(10P)しっかりと肝に銘じたいと思いました。 筆者が大学を卒業してセブンイレブンで働きながら小説家を目指していた頃のことを書いています。「充実していたわけではなかった。それよりも、毎日苛々していた。目に見える結果がほしかったし、恋人もほしかった。マクドナルドで同じくらいの女の子が近くに座ると、気が散って、原稿を読めなくなった。ちらちらとその子の顔をのぞき見て、しばらく経って、彼氏らしき男の子が彼女の隣の席に座ると、自分でも心配になるくらいに気持ちが落ち込むのだった。ぼくはそのあと決まって、憂さを晴らすように近くの古本屋さんで安い本やCDを買った。」(98P)という部分が、私自身も大学生活の時に恋人が欲しかったという思いが蘇って来て、心に沁みました。筆者には幸せな生活を送って欲しいと願う自分がいました。 また、筆者は言います。「文学は社会的な「意味(概念)」を揺さぶり、それにあたらしい意味を与える。」(214P) この本は、本とは何か、読書とは何かということを教えてくれます。読書好きな方にはお薦めします。

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2024/09/22

本書は、2009年に夏葉社というひとり出版社を立ち上げた著者の読書体験を、1冊の本にまとめたもの。文学をこよなく愛する著者が、人生を振り返りながら、その時々に自分に影響を与えてきた本とエピソードを記す。

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2024/09/20

ネットで話題になっていたのでよく内容も確認せず手に取りました。きっと本のことをこよなく愛する著者が、過去のことや日常のあれこれを語ったエッセイです。 強い言葉を使わず、穏やかな印象でした。 星2つです。

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2024/08/23

本にまつわるエッセイ集。 私も”本読み”のひとりとして、共感したり、新しい世界があったり。 本好きが高じて出版社まで作ってしまう著者には感服。 冒頭のほうにあったが、 本は読み始めるまでが大変。乗ってしまえばぐんぐん行ける。 ある意味ランニングと一緒。初めにエネルギーがいる。 あ...

本にまつわるエッセイ集。 私も”本読み”のひとりとして、共感したり、新しい世界があったり。 本好きが高じて出版社まで作ってしまう著者には感服。 冒頭のほうにあったが、 本は読み始めるまでが大変。乗ってしまえばぐんぐん行ける。 ある意味ランニングと一緒。初めにエネルギーがいる。 あ、これは何でもそうかな。自転車も最初のひと漕ぎが重い。 おかげさまで書を開くことに何の抵抗もなくなっている自分がいる。 電車に乗り、網棚に荷物を置けば、そこからは読書タイム。 本社が移転して、帰りの電車は始発なので座れるのはありがたい。 いずれにせよそこから40分弱が読書タイム。 本社が以前より遠くなって読書タイムが延びたのは、よかったような、 困ったような、、 読む本には事欠かない。 都内と地元の図書館から借りるからだ。予約して。取りに行く。 日比谷京橋みなと根津谷中金町、、、 いまブクログに過去の読書履歴を蓄積している。 2005年から書き溜めていたウェブリブログが2018年に廃止になり、 テキスト保管しているのだが、これをWEB上に復活させる動きを地道にしている。 2018年からはアメブロ。 2023年3月から前述のブクログを始めて、過去の転載とあわせ、800冊の感想を挙げている。 まだまだある。 結構読んできた。 本は、他人の頭の中をお借りすること。 ひとりでは経験しきれないことを、エッセンスであるが疑似体験できる。 後はそれを自分の生活にどう生かすか。 それを教養と呼べるかどうかは、私次第だ。 本を読むまで 本を読むまで 大きな書棚から 家に帰れば 『追憶のハイウェイ61』 バーンズ・コレクション 江古田の思い出 遠藤書店と大河堂書店 大学生 『風の歌を聴け』 本を読むコツ 文芸研究会 Iさん すべての些細な事柄 「アリー、僕の身体を消さないでくれよ」 大学の教室で 本と仕事 『言葉と物』 『なしくずしの死』 『ユリシーズ』がもたらすもの 沖縄の詩人 リフィ川、サハラ砂漠 遠くの友人たち 『魔の山』 H君 団地と雑誌 本づくりを商売にするということ 「ちいさこべえ」と「ちいさこべ」 アルバイトの秋くん 本と家族 リーダブルということ 『アンネの日記』 『彼女は頭が悪いから』 子どもたちの世界 宿題 ピカピカの息子 声 そば屋さん 山の上の家のまわり 長い読書

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