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何故エリーズは語らなかったのか? の商品レビュー

3.9

22件のお客様レビュー

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2024/06/13

図書館の新刊書コーナーで見つけてどのシリーズかもわからず久しぶりに手にとってみたら、真賀田博士が250歳の未来になっていた。 ストーリーはサイバースペースで展開されるし、最初ちょっと慣れないかんじでしたが登場人物をイメージしながら読みました。 リアルでの戦闘シーンもあります。 そ...

図書館の新刊書コーナーで見つけてどのシリーズかもわからず久しぶりに手にとってみたら、真賀田博士が250歳の未来になっていた。 ストーリーはサイバースペースで展開されるし、最初ちょっと慣れないかんじでしたが登場人物をイメージしながら読みました。 リアルでの戦闘シーンもあります。 そういえばギャロワ博士はなぜ主人公に会いたがっていたんだっけ?あの修道院になにかヒントがあったのかな。 Gシリーズから読み直そう。

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2024/06/13

WWシリーズ8作目。 バーチャルへのシフトが大きなテーマだけど、今もすでにネットへのシフトが活発だと思う。 ネットでは、手間を軽減する方向のサービスが多く生まれているけれど、少し行き過ぎでは?と感じるようになったら老害の始まりだろうか。

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2024/06/10

久しぶりの森博嗣〜!後半のアクションシーン、久しぶりでドキドキした! ヴァーチャルの世界がリアルの世界と同じくらい発達すると、こういう願いに辿り着くのか…こうやって提示されると、そうかもしれない、と思うけど、ぜんっぜん自分では思いつかなくて、最後のグアトの説明を読んでなんかちょっ...

久しぶりの森博嗣〜!後半のアクションシーン、久しぶりでドキドキした! ヴァーチャルの世界がリアルの世界と同じくらい発達すると、こういう願いに辿り着くのか…こうやって提示されると、そうかもしれない、と思うけど、ぜんっぜん自分では思いつかなくて、最後のグアトの説明を読んでなんかちょっと唖然とした。究極の恵み、究極の賜物。自分もそんな境地に辿り着くことがあるのかな。考えさせられるなあ。 p.113 「もはや、人間が役に立つような仕事なんてないんだ。むしろ、足手纏いで、しかも妨害ともいえる邪魔をする。それでも、そんな邪魔から、彼ら人工知能は発想を得ている。だから、けっして人間を排除しない。無駄なことができない連中だから、無駄の塊のような人間に、少しはいてほしい。そんな具合なんだよ」

Posted byブクログ

2024/06/05

「意識というものが、ソフト的に構築されるものであり、経験と判断の積み重ねによる反応のシステム化にすぎない、いわば幻想といっても良いくらいの存在だということを、人間は受け入れざるをえなくなった。まだ、これは全世界、全人類には浸透してない。認めたくないだろうね、スピリットの存在を、単...

「意識というものが、ソフト的に構築されるものであり、経験と判断の積み重ねによる反応のシステム化にすぎない、いわば幻想といっても良いくらいの存在だということを、人間は受け入れざるをえなくなった。まだ、これは全世界、全人類には浸透してない。認めたくないだろうね、スピリットの存在を、単なる観察、あるように見えるだけの幻想だとは、信じたくない。人間がそれに抵抗するうちに、人間以外のものが、どんどん発展を遂げて、人間を凌駕していくことになる。人間が迷っているうちにね、人間以上のものになる。まあ、それもまた、自然淘汰かもしれない。悪くないよ、全然」 「ヴァーチャルで究極の幸せを手に入れることができる確かな手法が完成したのであれば、リアルのボディは重荷だと感じられる、ということかと」 人間は、自分の亡骸を自分一人で処理することができない。誰かに頼むしかない。リアルでは、そんな不自由な制約がある。 死んでも、不自由だということだ。 死は、自由を獲得するものではない。 「人間が幸せを感じるためには、不幸せな状態からの脱却であったり、少なくとも不幸せが想像できる状況が必要なんだろうね。だから、マイナス面をすべて排除してしまったら、幸せを感じられなくなる。空腹だから食事が美味い。食べ続けていたら、食欲もなくなる。平和すぎる社会には、鈍い幸せによって閉塞感が蔓延するはずだ」 どうすれば良いかな、と考える。 何をしてあげられるだろう、と悩んだ。 言葉はいろいろ思いついたけれど、どれもずれているように感じる。 まあ、言葉というものは、そんな程度のもの。 それに、人間って、だいたいずれているんだな。 生まれたときには、そうじゃなかったのに、成長するほどずれてくる。 本当の自分から、周囲に合わせ、社会に合わせ、少しずつずれていくんだ。 それに、ときどき気づいて、泣きたくなる。 だから、泣けば良い。 泣いている彼女を、僕は抱いていれば良い。 それだけのことか、と結論が出た。

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2024/05/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

森博嗣の新刊は漫画を買う感覚で発売日に本屋に走る。 この人の頭の中は何十年、何百年先を生きている? リアルでも死に、ヴァーチャルでも死ねばどうなるのか...。

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2024/05/07

「エリーズ・ギャロワ博士が会いたがっている」 人工知能がグアトに伝えた噂。 しかし面談を求められるような心当たりはない。 そしてその後、彼女は行方不明に。 ギャロワ博士は、ヴァーチャル世界に関する研究を続け、ついに「究極の恵み」と賞される成果をあげたといいます。 博士が消えたのは...

「エリーズ・ギャロワ博士が会いたがっている」 人工知能がグアトに伝えた噂。 しかし面談を求められるような心当たりはない。 そしてその後、彼女は行方不明に。 ギャロワ博士は、ヴァーチャル世界に関する研究を続け、ついに「究極の恵み」と賞される成果をあげたといいます。 博士が消えたのは、自らの意志なのか、それとも事件に巻き込まれたからなのか。 「究極の恵み」とは何か? いつも楽しませてくれます。

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2024/05/06

自分が存在した痕跡を消した研究者は何を願っていたのかという話。 グアトは何かを感じるが、具体的には判らないとき、確かに読んでる当方も何か感じるものがある。何だか判らないから、もどかしく感じる。 最終的に答えに行き着くけれど、何がどうつながったのかよく判らなかった。まあ、当方の頭...

自分が存在した痕跡を消した研究者は何を願っていたのかという話。 グアトは何かを感じるが、具体的には判らないとき、確かに読んでる当方も何か感じるものがある。何だか判らないから、もどかしく感じる。 最終的に答えに行き着くけれど、何がどうつながったのかよく判らなかった。まあ、当方の頭が悪いんだろうけれど。 バーチャルに移行すれば身体の軛から逃れ、寿命や病気や様々の面倒な諸々からオサラバできるだろうと思うのだが、作者からの提示には納得しつつ、長い物語の此処で此れが出てくるのかとも思う。 前作から登場人物が増える展開かと思ったが、そうでもなかった。ロジはすっかり人が変わって、本人も戸惑っている。グアトは相変わらず鈍いなと感じる。 3人で暮らしたら、グアトも変わるかな。

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2024/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ーー  独特のリズムと波長でリアルとヴァーチャルの死生観を描き出す、WWシリーズ8作目。  3、4年前から、結構いつ死んでもいいかな、と思っている。  と云って深く考え始めると、家のこととか家族のこととかやりたいゲームとか読みたい本とかいろいろ浮かんできてまぁ頑張るか、となるのだけれど。  枯れたとか、熱量が無くなったというわけでは無くって……後悔は無いなぁ、という感覚。自分の死後に何か残るとして、それはもう自分のものではないな、きちんと誰かのものになっているな、って妙な安心感のようなものがあるのです。  死生観、というふうに、生と死はいつも続き物のように捉えられていて。確かに生きていないものは死なない、という点では生と死は一体なのかもしれないけれど、でも逆はどうだろう? 死なないものが生きていると云えないのならば、永遠の生はもう生きてはいないのかしら。そもそも永遠に生きるなにかが存在したとして、それが永遠に生きているって証明するものはなんだ?  えーっと。こういう話ではないです、決して。  ある種いつもどおりの、けれど前作で迎えた大きなターニング・ポイントから起こる細かな変化が、テーマと良く合致していて読ませる。  不思議なもので森博嗣の小説は音楽を聴きながら読めないことに気付かされた。ふむ。  ☆4.2

Posted byブクログ

2024/04/24

本シリーズは話の筋を追うというより思弁小説だと受け止めている。生成AIが世に出る何年も前から本テーマに取り組み、視点が一切揺らがないため、読者は安心して一冊の享楽に身を任せることができる。我々の社会が均一な人間だけでなくなったときに備えての思考訓練に著者は挑んでいるのだろう。そし...

本シリーズは話の筋を追うというより思弁小説だと受け止めている。生成AIが世に出る何年も前から本テーマに取り組み、視点が一切揺らがないため、読者は安心して一冊の享楽に身を任せることができる。我々の社会が均一な人間だけでなくなったときに備えての思考訓練に著者は挑んでいるのだろう。そして読む者はそれに応えなくてはならない。

Posted byブクログ

2024/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前巻を踏まえて、グアトは子育てやらなそうだなあと思っていたけれど、想像を超えて子供に関わってなかった!何ならロジもあまり関わってなかった! というか、長らく子供の生まれない時代のあと、人類待望の新生児の誕生なら、もっとオオゴトになってないの?とちょっと肩透かし。 貴重な新生児だから、月齢の小さいうちに母体から離して養育してる設定かもしれないけど、父親に話さないってことあるかなあ。 出産・新生児の子育てって、まさにバーチャルと対局の肉体的な出来事だけど、このテーマでそこは全スルーってのは男性作家の限界なのかなという気がした。 逆に、そういう話で生々しさを出さずサラリとする作風が魅力なんだろうかな。 「究極の神の賜物」が死なんだろうっていうのは予測できたけど、それを博士・高度AI揃いの登場人物たちが予測できなかったのも少し疑問。 前巻が人の誕生に触れ、今回は死がテーマ。今後はどうなるんだろう。

Posted byブクログ