ビリー・サマーズ(下) の商品レビュー
誰も死なないで・・・って願ってたのに めっちゃハードボイルドで ハートウォーミングで キングのこういうお話は大好きです 長さが気にならなかったし 終わらないで!!って強く思ってた
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動かなかった前半に比べて後半は怒涛の展開。特に最後は前半に書いていた劇中作が効果的に使われる。「物語が持つ力」をこんな風にストレートに書くとは思わなかった。読んでいる(書いている)間は現実、ほんとそう。 景観ホテルの読者サービスも嬉しいけど、どれだけ禍々しいホテル(土地)なんだ。...
動かなかった前半に比べて後半は怒涛の展開。特に最後は前半に書いていた劇中作が効果的に使われる。「物語が持つ力」をこんな風にストレートに書くとは思わなかった。読んでいる(書いている)間は現実、ほんとそう。 景観ホテルの読者サービスも嬉しいけど、どれだけ禍々しいホテル(土地)なんだ。 ビリーのブックガイド欲しい。
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たまに見かけそうなジャンルを、まあよくありそうな結末で描いているだけのはずなのに、読んでいてずっとおもしろい。さすがスティーブン・キングというところ。 「小説」が地の文での最新近況に追いついてしまった時点で嫌な予感はしたが、「作者」が信じたかった展開をはらはらしながら追いかけているうちに、ふと最後に待つ現実を忘れてしまった。書くことについて書かれたことの説得力は抜群で、書かれた人物が書かれたままに生きているという説の正しさは、ここまで夢中になって読み続け、架空の登場人物でしかない存在の生き死ににこだわっている読者だからこそ実感できるという、上下巻2冊もかけてのおもしろい仕掛けだった。さすキン。 そしてここまで読みやすかったのはやはり訳者の方のおかげだとも思う。さす朗!
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ネタバレになるほど具体的なことは書いていないがなんとなくフィルター付けておこう。 読み終えてからじわりじわりと心に沁みてくる。アリスの心を占めるビリーの存在と、読み終えた読者の心を占めるビリーの存在はきっと同じくらいになっているんじゃないかな。そんなことを感じる読後感だった。 ビリーは殺しの仕事を遂行するために身分を偽る必要があり、小説家として地域に溶け込む。その小説で描かれた内容を読み進めたらきっと上記のような感想を少し分かってもらえるのではないかと思う。そして、この小説が後半のビリーのある描写でとてもグッとくるし、アリスの行動と気持ちにとても心を揺さぶられる。なんだかさらにじわじわと心を占めてくる。 善人も悪人もどちらも多く登場するが、良くも悪くも「悪人」を色々と意識されられる。殺し屋であるビリーや犯罪組織に所属しているもの達は善人ではない。だが、型通りに当てはまらない魅力ある人物たちが多い。そんなところも最初の感想に至った要素だと思う。ただ「悪人」には嫌悪しかない。真実が明らかになった時の不愉快さは相当なものだった。 そんな感想を抱いたが、読む人によって感じることは様々だと思う。でも、もしかしたらこれだけは一緒かもしれない。ビリーは絶対に大喜びしてると思う。
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読み終わったときに、どんな人でも本を書くべきと思わせてくれるような1冊。 長年のキングファンとしては、子供の頃に見たあの場所を数十年ぶりに訪問させてくれて、キングをずっと追い続けていることの喜びを感じさせてくれました。
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下巻に入ってから物語は過去と現在を行き来し、そしてだんだん近づいていく。115ページからアレ?と思い、121ページでその名前を目にして思わずニンマリ。それからのもう一つの物語が頭をチラつきだす。上巻ではまったくそんな様子がなかったのに、そうだった、Sキングの本を読んでいるのだと気づく。壁の絵、赤ちゃんのピンクの靴、フラミンゴが不気味に交差してしまった。ホラーの巨匠だなぁと感じる。物語のラストもまた秀逸で美しかった。寝袋の死体ではレイの顔を、最後のシーンでキャリーの腕を思い浮かべてしまった。もなや何もない暗がりに何かを見てしまう。それこそがキングの仕掛けなのかと。面白かった!
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あーこんな結末になるなんて。 ”くそったれマージ”のせいで。息子をやられた腹いせの執念とは恐ろしい。 できるならアリスが書いた小説のラストであってほしかった。 上巻のラストではナイフをビリーの向けてたけど(あの状況下ではやむ無し、多分ビリーがレイプしたんだと勘違いしたんだろうし)...
あーこんな結末になるなんて。 ”くそったれマージ”のせいで。息子をやられた腹いせの執念とは恐ろしい。 できるならアリスが書いた小説のラストであってほしかった。 上巻のラストではナイフをビリーの向けてたけど(あの状況下ではやむ無し、多分ビリーがレイプしたんだと勘違いしたんだろうし) でも、このアリス思わぬ”めっけもん”だったね。 スコットランド症候群ではなく、ふたりがほんとに信頼しあい絆を深めていくのにはそんなに時間がかからなかった。 ビリーの良き相棒になっていくアリス。 ニックの裏にいた大悪党のメディア王のクラークじじいを仕留めるためにティーンエイジャーの振りをして大豪邸に乗り込むシーンは手に汗握る展開。 最後にまさかのマージーが現れて致命傷を負わされるなんて。(もちろんビリーは彼女の頭を一発で撃ち抜いたけど) どうにか怪我(腹部に銃弾される)をしながらも生きぬいて モテールでアリスにあの置き手紙を残してのラストだとおもったら、仕掛けがあったのよ。 あれはアリスがビリーの小説の続きを書いた(ビリーのことを誰よりも理解してから書けた内容だった)アリスの願望で、実際はバッキーの家に向かう車の中で死んでしまっていたこと。 でも、意識が混濁する中で妹のキャサリン、養護施設で初恋の相手だったロビン、絵をプレゼントしてくれたシャニスに会えていたんだろうね。 最後はアリスというプラトニックだけどほんとに大切な女性と出会えたこともビリーは幸せだったんじゃないかな。 自分で”悪人”って言ってるけど読んだ誰もがビリーを愛しく思うだろう。 これは映像化されそう。ハリウッドあたりで。 あーでも連続ドラマでじっくり観たいかも。
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やっぱ4.5くらい? アリスというキャラがマニック・ピクシー・ドリーム・ガールっぽく見えた。結局、恋愛感情に近いところまで持ってくのが都合良いなと感じた。なるのもわからんでもないが、好みじゃない。 家族愛というか、命を預けられる運命共同体の関係はわかる。戦場の彼らみたいな。 アリスという若い女性が終盤協力者として活躍するため、必要なのはわかるが、なんだかな、という感じ。 作中作があるので、アリスが書き上げるのは予想がつく。ビリーの末路から逆算すれば。生きて欲しかった。マージがやってくるだろうなと思ったけど、マジで来ちゃった。 クラークのとこは、ドラマのメディア王華麗なる一族でも見た?という感想。ネトフリ出てくるし。現代アメリカを描写しようとするなら、切っても切れないだろうが。ブラックリストやジョンウィックが出てくるのも面白かった。 シャイニングが出てきた時には、ビリーも狂う?と思ったが、大丈夫だったぽい。もっといたらやばかったのかな。 ペドフィリア関係やメディア王ってのも、近年のアメリカの時事ネタで面白かった。 お金があってそんな趣味があれば欲望を満たせる、満たしている奴がいるというのが大々的に知られたわけだし。 1クールドラマくらいの厚さで映像化して欲しいと思ったが、映画になるんだっけ? 面白く作られると良いな。 キングはよく、老人と子供と中年の主人公出すけど、これもその類型だなという感じ。子供はアリス。庇護しなくちゃいけないが、賢くて機転がきく。老人はバッキー。なにかと手助けして、知恵を貸してくれる。
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前半は、”暗殺”を実行するまでにiいかに地域社会に溶け込むかという展開だったので話が静かで、人物描写・ドラマが中心だったが、後半話が一転する。 連れ合いが出来、依頼の謎と生存をかけた逃避行となりロードムービータッチの物語展開となる。 話の動きに加速度がつき、余韻のあるラストまで...
前半は、”暗殺”を実行するまでにiいかに地域社会に溶け込むかという展開だったので話が静かで、人物描写・ドラマが中心だったが、後半話が一転する。 連れ合いが出来、依頼の謎と生存をかけた逃避行となりロードムービータッチの物語展開となる。 話の動きに加速度がつき、余韻のあるラストまで一気に読める。 ストーリー展開もさることながら、キャラつくりの巧さ、ひいては文章の見事さは当代作家の中でもトップクラスだろう。 このキャラたちにまた会いたいが、無理かな。
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下巻序盤でアリスをレイプした男たちに制裁を加える所は、本当に最高!スカッとした! 本当なら3人ともやっちゃえばいいのにとも思ったけど、主犯のカスにぶち込むのが最高。 中盤からビリーが救われていく話になるのは流れとして納得。 初のスティーブン・キングは最高に面白かった。 年末には既に本国ではめちゃくちゃ売れてるらしい本がまた出るらしいのでそれも読みたいな
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