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ビリー・サマーズ(下) の商品レビュー

4.3

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    4

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2024/08/18

読み終わったときに、どんな人でも本を書くべきと思わせてくれるような1冊。 長年のキングファンとしては、子供の頃に見たあの場所を数十年ぶりに訪問させてくれて、キングをずっと追い続けていることの喜びを感じさせてくれました。

Posted byブクログ

2024/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下巻に入ってから物語は過去と現在を行き来し、そしてだんだん近づいていく。115ページからアレ?と思い、121ページでその名前を目にして思わずニンマリ。それからのもう一つの物語が頭をチラつきだす。上巻ではまったくそんな様子がなかったのに、そうだった、Sキングの本を読んでいるのだと気づく。壁の絵、赤ちゃんのピンクの靴、フラミンゴが不気味に交差してしまった。ホラーの巨匠だなぁと感じる。物語のラストもまた秀逸で美しかった。寝袋の死体ではレイの顔を、最後のシーンでキャリーの腕を思い浮かべてしまった。もなや何もない暗がりに何かを見てしまう。それこそがキングの仕掛けなのかと。面白かった!

Posted byブクログ

2024/07/31

あーこんな結末になるなんて。 ”くそったれマージ”のせいで。息子をやられた腹いせの執念とは恐ろしい。 できるならアリスが書いた小説のラストであってほしかった。 上巻のラストではナイフをビリーの向けてたけど(あの状況下ではやむ無し、多分ビリーがレイプしたんだと勘違いしたんだろうし)...

あーこんな結末になるなんて。 ”くそったれマージ”のせいで。息子をやられた腹いせの執念とは恐ろしい。 できるならアリスが書いた小説のラストであってほしかった。 上巻のラストではナイフをビリーの向けてたけど(あの状況下ではやむ無し、多分ビリーがレイプしたんだと勘違いしたんだろうし) でも、このアリス思わぬ”めっけもん”だったね。 スコットランド症候群ではなく、ふたりがほんとに信頼しあい絆を深めていくのにはそんなに時間がかからなかった。 ビリーの良き相棒になっていくアリス。 ニックの裏にいた大悪党のメディア王のクラークじじいを仕留めるためにティーンエイジャーの振りをして大豪邸に乗り込むシーンは手に汗握る展開。 最後にまさかのマージーが現れて致命傷を負わされるなんて。(もちろんビリーは彼女の頭を一発で撃ち抜いたけど) どうにか怪我(腹部に銃弾される)をしながらも生きぬいて モテールでアリスにあの置き手紙を残してのラストだとおもったら、仕掛けがあったのよ。 あれはアリスがビリーの小説の続きを書いた(ビリーのことを誰よりも理解してから書けた内容だった)アリスの願望で、実際はバッキーの家に向かう車の中で死んでしまっていたこと。 でも、意識が混濁する中で妹のキャサリン、養護施設で初恋の相手だったロビン、絵をプレゼントしてくれたシャニスに会えていたんだろうね。 最後はアリスというプラトニックだけどほんとに大切な女性と出会えたこともビリーは幸せだったんじゃないかな。 自分で”悪人”って言ってるけど読んだ誰もがビリーを愛しく思うだろう。 これは映像化されそう。ハリウッドあたりで。 あーでも連続ドラマでじっくり観たいかも。

Posted byブクログ

2024/07/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やっぱ4.5くらい? アリスというキャラがマニック・ピクシー・ドリーム・ガールっぽく見えた。結局、恋愛感情に近いところまで持ってくのが都合良いなと感じた。なるのもわからんでもないが、好みじゃない。 家族愛というか、命を預けられる運命共同体の関係はわかる。戦場の彼らみたいな。 アリスという若い女性が終盤協力者として活躍するため、必要なのはわかるが、なんだかな、という感じ。 作中作があるので、アリスが書き上げるのは予想がつく。ビリーの末路から逆算すれば。生きて欲しかった。マージがやってくるだろうなと思ったけど、マジで来ちゃった。 クラークのとこは、ドラマのメディア王華麗なる一族でも見た?という感想。ネトフリ出てくるし。現代アメリカを描写しようとするなら、切っても切れないだろうが。ブラックリストやジョンウィックが出てくるのも面白かった。 シャイニングが出てきた時には、ビリーも狂う?と思ったが、大丈夫だったぽい。もっといたらやばかったのかな。 ペドフィリア関係やメディア王ってのも、近年のアメリカの時事ネタで面白かった。 お金があってそんな趣味があれば欲望を満たせる、満たしている奴がいるというのが大々的に知られたわけだし。 1クールドラマくらいの厚さで映像化して欲しいと思ったが、映画になるんだっけ? 面白く作られると良いな。 キングはよく、老人と子供と中年の主人公出すけど、これもその類型だなという感じ。子供はアリス。庇護しなくちゃいけないが、賢くて機転がきく。老人はバッキー。なにかと手助けして、知恵を貸してくれる。

Posted byブクログ

2024/07/06

前半は、”暗殺”を実行するまでにiいかに地域社会に溶け込むかという展開だったので話が静かで、人物描写・ドラマが中心だったが、後半話が一転する。 連れ合いが出来、依頼の謎と生存をかけた逃避行となりロードムービータッチの物語展開となる。 話の動きに加速度がつき、余韻のあるラストまで...

前半は、”暗殺”を実行するまでにiいかに地域社会に溶け込むかという展開だったので話が静かで、人物描写・ドラマが中心だったが、後半話が一転する。 連れ合いが出来、依頼の謎と生存をかけた逃避行となりロードムービータッチの物語展開となる。 話の動きに加速度がつき、余韻のあるラストまで一気に読める。 ストーリー展開もさることながら、キャラつくりの巧さ、ひいては文章の見事さは当代作家の中でもトップクラスだろう。 このキャラたちにまた会いたいが、無理かな。

Posted byブクログ

2024/07/06
  • ネタバレ

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下巻序盤でアリスをレイプした男たちに制裁を加える所は、本当に最高!スカッとした! 本当なら3人ともやっちゃえばいいのにとも思ったけど、主犯のカスにぶち込むのが最高。 中盤からビリーが救われていく話になるのは流れとして納得。 初のスティーブン・キングは最高に面白かった。 年末には既に本国ではめちゃくちゃ売れてるらしい本がまた出るらしいのでそれも読みたいな

Posted byブクログ

2024/06/27
  • ネタバレ

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後半は真相の究明、アリスとの出会い。 なかなかにスリリングでハードボイルド。 アリスが書いた結末であって欲しかった・・・ その後の真実。 後半はちょっと重たくほろ苦く。 著者初作品、昔からのファンはまた違った感想なんだろうとレビューを読むと、過去作品との比較での感想が目立つ。 追々、ホラー以外の作品を読んでみようと思う。 新作も続々出るので、そちらも合わせて。

Posted byブクログ

2024/06/20

鬼★5 今年イチ推し犯罪小説、エンタメ王キングの新作! 控え目にいって必読書 #ビリー・サマーズ 上巻のレビューはこちらから https://booklog.jp/users/autumn522aki/archives/1/4163918310 ●人の幸せって、何? 誰もが一...

鬼★5 今年イチ推し犯罪小説、エンタメ王キングの新作! 控え目にいって必読書 #ビリー・サマーズ 上巻のレビューはこちらから https://booklog.jp/users/autumn522aki/archives/1/4163918310 ●人の幸せって、何? 誰もが一度は憧れる、大金持ち。何でも手に入れられるようになれば、夢のような生活が送れそうですよね。でも…この物語を読んでると、果たしてそうなのかって疑問に思えてくるんですよ。 気さくで優しいご近所さんに囲まれ、ケーキをおすそ分けしてくれたり、夕食に誘われる。懐いた子どもたちとモノポリーで遊び、休日は一緒にカーニバルに出かける。つつましい生活をしながらも、ふとした幸運に恵まれた時に、一緒に喜べる相手がそばにいる。 大金なんてある必要ない。自分のことを大切に思ってくれる人に囲まれてることこそ、幸せなんでしょうね。 ●自叙伝に認められた人生の戒め ビリーが書き記す小説、彼の壮絶な人生が力強くも切なく描かれていきます。そしてストーリーの終盤まで繋がっていくのですが、自らの不幸をしっかりと受け止めているビリーに涙が止まらんですよ。かつて見た映画、パーフェクトワールドを思い出してしまいましたね。 子ども世代への圧力が今後の人生にどのような影響を与えてしまうのか。不運や気の毒だったという言葉では決して片付けてはいけません。現代では是正はされていますが、まだまだ実際にある社会問題です。 ●黒幕と動機 物語の後半、当初はよくわからなかった事情がわかってくる。入り組んでいたようで実は単純。不思議だった情報につじつまが合ってきて、読む手にも力が入ってきますよっ 黒幕の動機がマジで許せない。本作に登場した一連の悪党たちは、なんだかんだ人間味に溢れているけど、こいつはシンプルに鬼畜。こんな奴はビリーは絶対に許さない、やっちまえ!って、ガンガンに応援しちゃいました。 ●ラストシーン もう何も言えない。ぜひ読んでくれ、としか言えない。 ひとつだけ感想を言うと…こんなにもひとつひとつのセリフに愛情がこもっているやり取りは見たことがないです。 ●終わりに 結構な分量のレビューを書きましたが、本作の「メインどころ」については、ほぼ触れてません。実は目一杯語りたい部分なんですが、ぜひ体験して欲しいので、あえてなにも書きませんでした。後半からの展開はマジ必読です。絶対に読んでほしい。 スティーブン・キングが描く犯罪小説、2024年のトップレベルの一冊でした。 ■ぜっさん推しポイント 30年くらい前、まだ自分も調子に乗っていた若い頃のお話。ある友人から受けた行為がトラウマなっています。正直いまだに憎んでいるし、いつかやり返したいとさえ思っています。 しかし、具体的に報復のようなことは絶対にすることはありませんよ。犯罪行為になっちゃいます。ただ犯罪になるからしないのではありません、感情としては別にそこまでしてもいいんです。(若干コワイ話になってきましたが、もちろん犯罪予告ではないよ) では何故やり返すことをやらないのかというと、それは今の私が幸せだからです。妻や子ども、楽しい友人、望む仕事や同僚たち。仕事が終わったらお風呂に入りながら本を読んで、休日は喫茶店のモーニングセットをいただきながら本を読む。お金持ちではないですが、人並みに給金をいただき、健康面も概ね問題ない。 これ以上の幸せがあるでしょうか、昔のどうでもいい過去の恨みなど、今の私には雑音ですらありません。本作のような素晴らしい作品を読むと、ふと自分の人生を振り返りたくなるもんでして。 さて、みなさんは幸せですか?

Posted byブクログ

2024/06/19

長かったビリー・サマーズの復讐劇もようやく終わった。予想外に助けざるおえなかったアリスとともに行動するサマーズ。エンディングは儚さが残った。

Posted byブクログ

2024/06/14

サスペンスでもホラーでもない、そしてノワールと決めつけるには惜しい秀作! まさに「ビリー・サマーズ」その人となりの生涯記。 自らかつらをかぶって多重を装っていつつも選んだ職業の一つがフィクション作家・・ソウ小説家なんだけど…自らの戦力武勇経験を綴ったそれは、いつの間にやら等身大...

サスペンスでもホラーでもない、そしてノワールと決めつけるには惜しい秀作! まさに「ビリー・サマーズ」その人となりの生涯記。 自らかつらをかぶって多重を装っていつつも選んだ職業の一つがフィクション作家・・ソウ小説家なんだけど…自らの戦力武勇経験を綴ったそれは、いつの間にやら等身大の彼が反映し、伴奏し一つとなって昇華している。 アリスは彼によって脱皮し、未来へ歩みを進めていくが・・ビリーはかつての傷がアリスによりかさぶたとなり、治癒し、魂が浄化された如くラストに繋がって行く。 バッキ―はクッキー(あの大笑いのおっさん)に見えてきていいなぁって感じ。 この年になって、今だにこういった翻訳作品を楽しんで読めるようにしてくれたキングに改めて感謝感謝

Posted byブクログ