あとがきはまだ 俵万智選歌集 の商品レビュー
俵万智さんの選歌集です。 俵万智さんはもちろん、「サラダ記念日」は知っているけど、それくらい。 短歌集は初めてです。ワクワクしながら読みました。 わずか31文字なのに、ぱあっと広がる世界が広くて鮮やかなこと! そしてなにより、冷静だったり温かかったり、嫉妬だったり愛情だったり...
俵万智さんの選歌集です。 俵万智さんはもちろん、「サラダ記念日」は知っているけど、それくらい。 短歌集は初めてです。ワクワクしながら読みました。 わずか31文字なのに、ぱあっと広がる世界が広くて鮮やかなこと! そしてなにより、冷静だったり温かかったり、嫉妬だったり愛情だったりと、感情表現が豊かでした。 中でも『チョコレート革命』からの作品は、解説文にもあるように、性が中心となるテーマで、刺激が強かったです。 でも嫌な感じは全くなく、すごく強く心に響いて、どれもこれも暗記や筆で書き写したいしたいくらい好きでした。 本や映画から切り取ったようなシーンが、文字から濃厚に伝わってきたからでしょうか。日常のシーンを詠んでいるからこその濃厚さだと思いました。 私が特に気に入った作品です。 『チョコレート革命』以外からの選歌もあります。 最後の一首は読んだあとに、余韻がお寺の鐘のようにグワングワン響いていつまでも残りました。 まっさきに気がついている君からの手紙いちばん最後にあける 忘れるという知恵を持つこの国の平和、それでも平和を愛す 「これもいい思い出になる」という男それは未来の私が決める 最後とは知らぬ最後がすぎてゆくその連続と思う子育て
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サイン本なのにずっっっと積読してて申し訳なかったがようやく読了できた。 俵万智さんの20代前半から60代前半までの短歌が詰まったスーパー選歌集!! 俵万智さんの半生が短歌を通して知れたし、 スケザネさんの発売時期や短歌の解説が非常にわかりやすくてサクサク読め、大満足でした。 ...
サイン本なのにずっっっと積読してて申し訳なかったがようやく読了できた。 俵万智さんの20代前半から60代前半までの短歌が詰まったスーパー選歌集!! 俵万智さんの半生が短歌を通して知れたし、 スケザネさんの発売時期や短歌の解説が非常にわかりやすくてサクサク読め、大満足でした。 ・デジタルの時計を0、0、0にして違う恋がしたい でも君と ・振り向かぬ子を見送れり振り向いたときに振る手を用意しながら 時代と共に変わるけど、根本は温かくて優しい愛に溢れた歌が多い俵万智さん。 『かぜのてのひら』と『アボカドの種』も特に詠みたくなったのでまた買います。
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この本は俵万智初心者にも、長年のファンの方にも嬉しい、まさにかゆいところに手が届く歌集ではないだろうか。 俵万智さんが今まで上梓したすべての歌集から、書評家の渡辺祐真さんが短歌を数十首ずつセレクト。 まず読者に俵さんの短歌そのものを存分に味わってもらえるように、1ページに一首ず...
この本は俵万智初心者にも、長年のファンの方にも嬉しい、まさにかゆいところに手が届く歌集ではないだろうか。 俵万智さんが今まで上梓したすべての歌集から、書評家の渡辺祐真さんが短歌を数十首ずつセレクト。 まず読者に俵さんの短歌そのものを存分に味わってもらえるように、1ページに一首ずつレイアウトされている。 その後、渡辺さんの、あたたかく丁寧、そして鋭い歌評を掲載。 先日、ポットキャストで俵さんと渡辺さんがゲストのラジオ番組を聴いたのだが、俵さんが渡辺さんを知ったのが、俵さんも参加されている、ホストが短歌を読む会だった。渡辺さんがすごく丁寧にホストさんたちの歌の評をされていて、「この人に私の短歌を読んでもらいたいな」と思い、渡辺さんのTwitterに連絡したのだそうだ。 渡辺さんは、「俵万智」さんから急に連絡が来てビビった、とおっしゃっていた笑 「俵万智ベストアルバム」と、渡辺さんがおっしゃるように、初心者には、“あの”『サラダ記念日』の、長年のファンには“あの”「万智ちゃん」の、二十代から六十代が詰まった黄金アルバム、でしょう。
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作詞の勉強のために手に取った。 チョコレート革命の詩が、生々しくて好きだった。 ずっと恋をしている俵万智さんみたいな人生を、私も歩みたい。 デジタルの時計を0.0.0にして 違う恋がしたい でも君と 愛することが追い詰めることになってゆく バスルームから星が見えるよ 〇...
作詞の勉強のために手に取った。 チョコレート革命の詩が、生々しくて好きだった。 ずっと恋をしている俵万智さんみたいな人生を、私も歩みたい。 デジタルの時計を0.0.0にして 違う恋がしたい でも君と 愛することが追い詰めることになってゆく バスルームから星が見えるよ 〇〇してゆくという表現、 奥ゆかしくて好きだったのだが大学生の頃先輩に何度も訂正されたことを思い出した。俵万智さんも同じ表現だったことが嬉しかった。きっと私は間違ってなかった
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詩や歌の解釈なんて人それぞれで良いけれど、この本を読めば歌に対する自分の視野が格段に広がり、より歌を楽しめること間違いなし。渡辺祐真さん恐るべし。俵万智さんのことがもっと知りたくなる一冊。
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メモした好きな歌。恋の歌は苦手(特に不倫っぽいのもあったのは嫌)だから、後期の歌の方が好きかも。あと情景を詠んだものが好き。 人生は長いひとつの連作であとがきはまだ書かないでおく 愛された記憶はどこか透明でいつでも一人いつだって一人 四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風...
メモした好きな歌。恋の歌は苦手(特に不倫っぽいのもあったのは嫌)だから、後期の歌の方が好きかも。あと情景を詠んだものが好き。 人生は長いひとつの連作であとがきはまだ書かないでおく 愛された記憶はどこか透明でいつでも一人いつだって一人 四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら 樹は揺れるあなたが誰を愛そうとあなたが誰から愛されようと カンヴァスの白ではなくて丹念に塗り込められた白なり津軽 エアポートのざわめきの中に「そら」という日本語聞こえてふりむいており 「勝ち負けの問題じゃない」と諭されぬ問題じゃないなら勝たせてほしい 生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり 「おばあちゃん次は何色?」子は問えり米寿をベージュと聞き間違えて 振り向かぬ子を見送れり振り向いたときに振る手を用意しながら 最後とは知らぬ最後が過ぎてゆくその連続と思う子育て いつかまたいつかそのうち人生にいつか多くていつかは終わる 動詞から名詞になれば嘘くさし癒しとか気づきとか学びとか 心には管制官がいないから着陸の場所自分で探す 会話って会って話すと書くんだなあ7ヶ月ぶりに友と会話す 切り札のように出される死のカード私も一枚持っているけど
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良かった。 短歌は奥が深い。 子供が生まれたらもう一度人生を歩めるというのがあって本当にその通りだと思った。 大人になったらなかなか行かない公園行ったり学校や友達の話聞いたり楽しいね。 寒いねと言って寒いねと言ってくれるひとがいるあたたかさもよかった。ほっこり。
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俵万智さんの20代前半から60代前半までの短歌がぎゅっと詰まっている。 この40年の間に 俵万智さんにもいろんな人生の展開があったのですね。 一人の女性の半生を読んでいるようでした。 歌人として、母として、女として 自分と向き合い、 世の中をまっすぐ見つめ それを短歌にして世...
俵万智さんの20代前半から60代前半までの短歌がぎゅっと詰まっている。 この40年の間に 俵万智さんにもいろんな人生の展開があったのですね。 一人の女性の半生を読んでいるようでした。 歌人として、母として、女として 自分と向き合い、 世の中をまっすぐ見つめ それを短歌にして世に発表し続ける精神力 人生の後半、どんな短歌が生まれるのか楽しみです。 スケザネさんの解説があるのも 俵万智さんの短歌をより意味をもって味わう助けになりました。
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“蛇行する川には蛇行の理由あり急げばいいってもんじゃないよと”(p.133) “生き生きと息子は短歌詠んでおりたとえおかんが俵万智でも”(p.299)
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