香子(四) の商品レビュー
「香子(四) 紫式部物語」帚木蓬生著、PHP研究所、2024.04.08 558p ¥2,860 C0093 (2024.09.24読了)(2024.06.22購入) 『源氏物語』は、1973年に谷崎潤一郎訳で読みました。1986年から1993年にかけて大和和紀著『あさきゆめみし...
「香子(四) 紫式部物語」帚木蓬生著、PHP研究所、2024.04.08 558p ¥2,860 C0093 (2024.09.24読了)(2024.06.22購入) 『源氏物語』は、1973年に谷崎潤一郎訳で読みました。1986年から1993年にかけて大和和紀著『あさきゆめみし』を読み、2007年に田辺聖子著『新源氏物語』を読みました。漫画を含めると今回四度目の『源氏物語』ということになります。 2007年の田辺聖子さんの本の印象は、かすかに残っているので、物語のある程度の展開は記憶に残っています。 この巻は柏木と女三の宮の話から薫と匂宮の話へと移ってゆくのですが、登場人物たちの心理描写が多くて、物語が中々先へ進まない感じがイライラさせられてしまいます。紫式部も物語を書きなれてきて、読者をじらすのを楽しんでいたのではないでしょうか。 この本から『源氏物語』の部分を取り去ったら『紫式部物語』はほんの少しのペラペラの厚さになってしまいそうです。あと一巻残っていますので、もう一息頑張りましょう。 【目次】(カッコ内は、『源氏物語』の帖です) 第四十二章 堤第退出(34帖 下若菜) 第四十三章 帰参(35帖 柏木) 第四十四章 若宮呪詛(36帖 横笛) 第四十五章 和泉式部の君(37帖 鈴虫) 第四十六章 庚申作文序(38帖 夕霧) 第四十七章 枇杷殿(39帖 御法) 第四十八章 土御門内御堂(40帖 幻)「(41帖 雲隠)なし」 第四十九章 敦良親王誕生(42帖 匂宮)「匂兵部卿」 第五十章 敦良親王五十日儀(43帖 紅梅) 第五十一章 越後守(44帖 竹河) 第五十二章 天皇崩御(45帖 橋姫) 第五十三章 惟規客死(46帖 椎本) 第五十四章 彰子皇太后(47帖 総角) ☆関連書籍(既読) 「香子(一) 紫式部物語」帚木蓬生著、PHP研究所、2023.12.26 「香子(二) 紫式部物語」帚木蓬生著、PHP研究所、2024.02.09 「香子(三) 紫式部物語」帚木蓬生著、PHP研究所、2024.04.08 「散華(上) 紫式部の生涯」杉本苑子著、中央公論社、1991.02.20 「散華(下) 紫式部の生涯」杉本苑子著、中央公論社、1991.02.20 「小説紫式部」三好京三著、鳥影社、2006.04.24 「新・紫式部日記」夏山かほる著、日本経済新聞出版社、2020.02.21 「小説紫式部 香子の恋」三枝和子著、福武文庫、1994.12.05 「紫式部日記」紫式部著・山本淳子訳、角川ソフィア文庫、2009.04.25 「入道殿下の物語 大鏡」益田宗著・赤坂三好絵、平凡社、1979.07.05 「道長ものがたり」山本淳子著、朝日新聞出版、2023.12.25 「新源氏物語(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25 「新源氏物語(中)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25 「新源氏物語(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25 「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25 「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25 「『源氏物語』の男たち」田辺聖子著、講談社文庫、1993.08.15 「蜻蛉日記・和泉式部日記」生方たつゑ訳、集英社文庫、1996.09.25 「蜻蛉日記をご一緒に」田辺聖子著、講談社文庫、1991.09.15 「小説かげろうの日記」三枝和子著、福武文庫、1994.11.05 「小説清少納言 諾子の恋」三枝和子著、福武文庫、1994.10.05 「むかし・あけぼの(上)」田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25 「むかし・あけぼの(下)」田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25 (アマゾンより) これは「女人の哀しみ」を描いた物語―― 作者の視点から名作を読み解く! 傑作長編小説<全五巻> 皇子二人を生んだ彰子に仕える、香子(紫式部)。彼女の書く「源氏の物語」は一条天皇も愛読するほど、宮中で影響力を持つようになる。香子は、ともに宮仕えする女房たちの境遇や悩みに触れ、様々な「女人の哀しみ」を物語に織り込んでいく。一方、道長は彰子の子である敦成親王を東宮とすべく、暗躍し――。 香子の人生の変動とともに、『源氏物語』「下若菜」~「総角」の帖を執筆する様を描く、圧巻の大河小説。
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物語は、紫の上、光源氏組が退場し薫の君、匂宮へと舞台は移る。リアル時代も一条帝が亡くなり道長が東宮の祖父として力を増す。
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物語は紫上や光源氏が亡くなって、「若菜」が終わり、薫や匂宮が活躍する第三・四世代に移行します。本作は、香子(紫式部)のいるリアル社会と物語世界を行き来するのが特徴ですが、リアル編では帚木逢生自身による源氏物語の解釈や感想を入れてきます。「夕霧」の帖にみる対比の構造はなるほどです。...
物語は紫上や光源氏が亡くなって、「若菜」が終わり、薫や匂宮が活躍する第三・四世代に移行します。本作は、香子(紫式部)のいるリアル社会と物語世界を行き来するのが特徴ですが、リアル編では帚木逢生自身による源氏物語の解釈や感想を入れてきます。「夕霧」の帖にみる対比の構造はなるほどです。薫と大君の恋は、「狭き門」と比べながら読みました。紫式部は、結ばれないことで保たれる愛の永遠性を意識したのかもしれません。ただ、「幻」で山に籠った光の元に通う花散里のエピソードは、ユルスナールの「東方綺譚」由来ですね。そのことはどこにも記されていません。如何なものでしょう。次巻はいよいよ最終巻。しばらくは図書館の順番待ちです。
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《源氏物語》の部分は読み流そうと思っているのに、気がつくと食い入るように読んでる。恐るべきは紫式部の力量。 あれ??宰相の君が語る花散里との後日談は…ユルスナールの『東方綺譚』の一編よね?引用元とか書かれてないけど、いいのかしらん。
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