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観光地ぶらり の商品レビュー

4.4

5件のお客様レビュー

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2024/09/03

今年仕事以外で初めて一人旅をしてとても楽しかった。この本ではぶらりと言いながら、あとがきにもある通り綿密に調べて観光地を訪れている。ぶらりと行ってのんびり過ごすのも時間があれば良いと思うけど、やはりその土地の名所や歴史を調べていくから満喫できる部分もあると思う。また一人旅がしたく...

今年仕事以外で初めて一人旅をしてとても楽しかった。この本ではぶらりと言いながら、あとがきにもある通り綿密に調べて観光地を訪れている。ぶらりと行ってのんびり過ごすのも時間があれば良いと思うけど、やはりその土地の名所や歴史を調べていくから満喫できる部分もあると思う。また一人旅がしたくなりました。

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2024/08/25

 新型コロナウイルスが蔓延して以降、すっかり旅をすることから遠ざかってしまった。もう自分の人生の残り時間で、かつてのように旅をすることは二度とないだろう。でも本のなかで旅をすることはできる。著者は、新型コロナウイルス蔓延以降、かえって、旅に出たいと感じるようになったのだという。医...

 新型コロナウイルスが蔓延して以降、すっかり旅をすることから遠ざかってしまった。もう自分の人生の残り時間で、かつてのように旅をすることは二度とないだろう。でも本のなかで旅をすることはできる。著者は、新型コロナウイルス蔓延以降、かえって、旅に出たいと感じるようになったのだという。医療従事者である私は、感染してしまったら患者さんたちを死に追いやりかねないので旅を自粛しているが、物書きである橋本さんは、今だからこそ、と感じたのだろう。道後温泉から始まり、登別・洞爺に終わる本書で一貫しているのは、その土地の歴史をたどり、その土地で生き、死んでいった人々の語りに耳をすませることだ。インスタ映えする風景や土産物の向こうに日々の暮らしを営み続ける(た)無名の人々の声を聴くことの大切さが強調されている。

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2024/08/18

さらっと読めるのかと思いきや、歴史の調査量がすごくて、まあまあ読むのが大変だった ・ちょうど、オーバーツーリズムやばたにえんエリアに住んでいるので、まえがきで惹かれた ・私もこのくらい、行く前に調べて、行った後にも記録できたらいいのだけど…と思った ・行ったことがある場所もない場...

さらっと読めるのかと思いきや、歴史の調査量がすごくて、まあまあ読むのが大変だった ・ちょうど、オーバーツーリズムやばたにえんエリアに住んでいるので、まえがきで惹かれた ・私もこのくらい、行く前に調べて、行った後にも記録できたらいいのだけど…と思った ・行ったことがある場所もない場所も、もう一度行ってみたいなと思った。 ・インスタで友達が旅行しているのをみると 漠然といいなあと思ってしまう それがヨーロッパとかだと尚更 でも自分の住んでいるところから1時間2時間鈍行に揺られるだけでも全然知らない街で、そこでも観光を楽しめちゃうのよね…とも思う ・本当に情報が溢れすぎていてどこに行っていいかわからなくなる ・私が当たり前だと思っている観光スタイルってずいぶん新しいものなのは知らなかった。道路も鉄道も便利なのが当たり前すぎて…。色々なもの常に変化している。 ・過剰に昔が良かった、みたいなのがない本なので、ニュートラルに面白かった ・隙あらば自分語りだけど、20代女性でおばあちゃん子の私は、話しかけやすいのか、観光地でよく現地の人に話しかけられるし、ご飯奢ってもらったりもよくある(無計画でガチでぼんやりぶらりしてるからってのもあるかもしれない…)でも年配の人なんか特に、次来た時にいらっしゃるかわからないしね。 ・観光ってなんなんだろう…という思いは強まった 答えはない

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2024/05/22

「観光」とは「光を観る」と書く。光を発するのは土地だけではない。そこで生活する住人が放つ光もある。著者は、そこに焦点を当て、観光地に暮らす人々の体験や歴史を聞き出す。 だが、土地の人との対話はタイトルにある「ぶらり」がイメージするような気楽な世間話で終わるものではない。著者の旅に...

「観光」とは「光を観る」と書く。光を発するのは土地だけではない。そこで生活する住人が放つ光もある。著者は、そこに焦点を当て、観光地に暮らす人々の体験や歴史を聞き出す。 だが、土地の人との対話はタイトルにある「ぶらり」がイメージするような気楽な世間話で終わるものではない。著者の旅には事前の綿密な調査があり、巻末にある多くの参考文献がそれを物語っている。それをもとに現地に赴き、目を凝らし、耳を澄ます。そこから掘り起こされる史実は表層的でなく奥が深い。   この本で紹介されている訪問地は10箇所。路面電車が走り、万葉集にも登場する道後温泉、昔ながらの島時間が流れる竹富島、流氷と人情の羅臼、潜伏キリシタンの島・五島列島、著者のふるさとである被爆地・広島・・・ 印象に残った事実や人の語りを拾い上げておく。 ・「旅なんて経験じゃないですか。それなのに今は・・・全部調べて旅行にくる。全部わかった上で旅行にきてるから、皆楽しそうな顔をしてない」(ニュー道後ミュージック支配人) ・沖縄では人工ビーチが造成され、海岸沿いに無数のホテルが建設された。絶景に見惚れても、かつての風景や営みは姿を消し、海は宿泊客に独占され、土地の記憶は忘却される。 ・「観光はね、やっぱり最後は人なんです。(その土地の人と触れあって、それが思い出に残る)」(雑誌「観光」特集記事の巻頭掲載文) ・横手焼きそばは、たった一人の市役所職員が食べ歩き、HPを作成したことから全国的に知られる存在となった。 ・大村藩に暮らしていた潜伏キリシタンは五島列島にも移り住んだ。背景には、人口増加に悩まされていた大村藩と、田畑の耕作に人手が必要な五島藩という構図があった。また、産児制限ができないキリシタンは、長男以外は「殺せ」と言われる大村藩では生きていけなかった。だが、五島に移り住んだキリシタンにとっては、山奥や不便な場所しか残っておらず、地獄の日々だった。 ・1949年、広島平和都市建設法が成立、復興は軌道に乗り始めたが、被爆者への救済対策は財政上からも手が回らず、置き去りにされた。 ・旅行ガイドを手に取ると「癒し」と「絶景」の文字が目につく。観光客の求めるものに応じて、土地は「演技」をするものだとすれば、全国各地の観光地はテーマパークになってしまう。絶景を前に立ち止まり、目を凝らせば、見えてくる姿がある。耳を澄ますことで聴こえてくる声がある。そこで違う人生を生きている誰かを想像することは、世界に触れようとすることであり、それこそが「観光」なのではないか

Posted byブクログ

2024/05/11

観光客は、何を目指して旅に出るのか。 観光客は、その観光地でどんな光を観るのか。 では、その地に住む人々、商売する人々の想いは如何に? 10の旅に浮かび上がるのは、観光の歴史とその地の変遷。 そして暮らす人々の生き様をも辿る、ノンフィクション。 ・プロローグ 道後温泉 竹富島 摩...

観光客は、何を目指して旅に出るのか。 観光客は、その観光地でどんな光を観るのか。 では、その地に住む人々、商売する人々の想いは如何に? 10の旅に浮かび上がるのは、観光の歴史とその地の変遷。 そして暮らす人々の生き様をも辿る、ノンフィクション。 ・プロローグ 道後温泉 竹富島 摩耶山 猪苗代 羅臼 横手 しまなみ海道 五島列島 広島 登別・洞爺 ・あとがき 参考資料一覧有り。 旅先でその地に住まう人々と出会い、話を聞く。 現れるのは、その地の歴史と住まう人々の想い。 日本の国際観光の歴史と国内観光の変遷やリゾート開発の明暗、 交通手段の変化、戦後復興や高度成長、バブル期とその崩壊、 コロナ禍も関わる、観光地と観光客の変化への戸惑い。 更に恐ろしいのは、自然の気紛れ。幸いに転換することもあるが。 過去の観光地の賑わいや風景、過去の人々の姿。 マヤ遺跡ガイドウォークで歩くのは、摩耶山の観光地としての 変遷。誰かがここで過ごした時間の名残り。 でも、未来への希望を観光にと、行動する地と人もいる。 しまなみ海道のサイクルツーリズムによって古い商店街に光が。 著名人の行動、本や雑誌がきっかけで観光地になる地もある。 研究者たちの訪問が竹富島の観光の曙に。 横手の、焼きそばでのまちおこしの道のり、B1グランプリ。 観光客が来ることは戸惑いだったが、それにより、その地の 歴史を改めて知る。それは故郷の広島を巡った著者も同様。 風景を、美味を楽しむ観光地の旅は、とても愉しい。 だが、その地を、住まう人を知れば、 もっと旅情は深まるだろう。

Posted byブクログ