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春休みに出会った探偵は の商品レビュー

3.4

26件のお客様レビュー

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2024/07/20

中三になる春休み。花南子と同級生の根尾は事件を通じて一人の探偵と出会う。ほのぼのご近所ミステリかと思いきや、中学生には見せたくない泥沼展開も。最後に明かされた真実を花南子はどう受けとめたのか気になります。

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2024/07/14

一般論ではなく自分に関わる案件として捉えた場合、綺麗事では済まない感情が沸き上がってくる。そうして自分の器の大きさを知り、それが自己評価より小さいことに落胆する。けれども落ち込みながらも、変わってゆきたいと決意し、分かち合える人を大切にしたいと願う。 設定なとが当世風であるものの...

一般論ではなく自分に関わる案件として捉えた場合、綺麗事では済まない感情が沸き上がってくる。そうして自分の器の大きさを知り、それが自己評価より小さいことに落胆する。けれども落ち込みながらも、変わってゆきたいと決意し、分かち合える人を大切にしたいと願う。 設定なとが当世風であるものの、普遍的なティーンの成長譚ではなかろうか。ご近所の普通のおじさんおばさんたちにも、いろんな遍歴や葛藤があって「まさに人に歴史ありだな。なにげに暮らしてる大人すげえ」と思った自分の中学生時代を思い出した。あまり器が大きくなっていないことに気付かされるのは切なかったが、世間という外側から自己を知った衝撃を、共感したり思い起こさせる作品だと思う。

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2024/07/03

曽祖母が経営するアパートで一人暮らしをする中学生の花南子が同じアパートに住む探偵と出会う話。中学生だからこその行動力と発想、それにヒヤヒヤしてしまうのは歳をとったからか。ご近所付き合い煩わしいと思いつつこういうご近所付き合いならしてみたい矛盾。

Posted byブクログ

2024/06/19

 春休みが終わると中学3年生になる花南子。  母は北海道に帰ってしまい、父子家庭だったのですが、その父もシンガポールに仕事で赴任。  日本で生活をするために、近くの曽祖母の五月が住むハイツを行き来し、食事などの生活の補助を受けながら暮らしていくことに。  そんな生活が始まっ...

 春休みが終わると中学3年生になる花南子。  母は北海道に帰ってしまい、父子家庭だったのですが、その父もシンガポールに仕事で赴任。  日本で生活をするために、近くの曽祖母の五月が住むハイツを行き来し、食事などの生活の補助を受けながら暮らしていくことに。  そんな生活が始まった春休み、五月がぎっくり腰で入院。  そんな中、同級生の根尾より、近所で起きた不思議な事件が持ち込まれる。  好奇心旺盛な2人は事件を調べることに。  その途中、調査員の今津と出会う。  3人が春休みに出会う謎とは。  これを何系のミステリー?といって良いのか…  何系のミステリーと言ってしまうと、ネタバレになりそうなそんなお話。  ただ、言えるのは、ご近所系ミステリーと言ったら良いんじゃないか?と思うくらい、ご近所さんのお話です。  私は、流れというか、個人的には文章を読むスピード感が掴めなかったというのもあり、登場人物の整理が大変だったようなというのが正直な読み応えです。  読みやすいんですが、なかなか流れを掴めなかった感じは、私個人の問題で、残念だったなと思いました。  読んでいて、そういえば、ご近所付き合いって、私はどうかなぁ?と思いました。  実は隣に住んでいる人の名字とかほとんど知らないなと。  顔はわかっても、家族構成も全て把握できているとは思えないし、地域活動なんてあるのかすらわからない。  公民館みたいなものがあるのは知ってますけどね、本当にそんなもの。  下手すれば、飲み屋で会う人の方がよく知ってるくらいかな?と思います。  本作品で、隣の誰々さんとか知ってるハイツ暮らしの方々は、それだけでも凄いなと思えるくらいに。  そのせいか、〇〇◯号の誰々さんと書かれてもピンとこないというのが、私のご近所付き合いの薄さを感じさせてくれました。  そんなご近所様の謎ですが、謎は謎のままで良かったのではないか?とも思いつつ、謎を通して人間関係が変化していく3人を見守る、そんな作品だと思います。  そして、  春休みに出会った探偵は…

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2024/06/17

ご近所で起きるちょっとした事件に興味津々な中学生のお話。 登場人物をわざと分かりづらくしている作戦なのかもですが、最後まで読みにくくて困った。

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2024/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中学生の春休み。父子家庭の父親が外国へ単身赴任。離婚した母親とは交流無し。曾祖母のアパートの一部屋に住むことに。状況自体すごい。ひょんなことから隣のクラス男子やアパートの住人の探偵さんと事件解決みたいな。人間のやなところとか中学生の社会勉強か。面白く読んだけど探偵さんのまさかの正体に驚く。多様性かあ。1話目は伏線だった?そうでなくても厳しい状況なんだけど…。まぁ見守ってくれてるならそれは安心なんでしょう。

Posted byブクログ

2024/05/27

最初は普通の日常系ミステリかと思った。でも最後は意外な方向で終わった。 そして一話目に戻ってみると、なるほど、この台詞はそういう意味だったのかーということがわかる。 ただ、設定に無理があるように感じた。

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2024/05/26

父親の海外赴任で一人になった中学三年の花南子は、近所に住む父方の祖母·五月さんが営むさつきハイツで暮らすことになった。そして、同じひとり親家庭の根尾君とともに、様々な出来事に巻き込まれるが、その折に知り合ったさつきハイツの住人で調査会社の調査員の今津さんの助けもあって、解決に導け...

父親の海外赴任で一人になった中学三年の花南子は、近所に住む父方の祖母·五月さんが営むさつきハイツで暮らすことになった。そして、同じひとり親家庭の根尾君とともに、様々な出来事に巻き込まれるが、その折に知り合ったさつきハイツの住人で調査会社の調査員の今津さんの助けもあって、解決に導けたこともある。花南子の母のことやさつきハイツのこれからのこと、問題はたくさんあるが、今の幸せと未来を拓ける希望を感じられて、あたたかい気持ちになる。

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2024/05/26

いくつか身近で起こる???な事件をするりと解決しちゃう近所の探偵さん、今津さん。なぞもなぞでなるほど〜ととても納得できるものばかり。よかった! p.267 あのとき今津さんは、「君たちの言う帰れるところって、いつでも子どもに戻れて、優しい親が待っている家なんだろうね。心配しな...

いくつか身近で起こる???な事件をするりと解決しちゃう近所の探偵さん、今津さん。なぞもなぞでなるほど〜ととても納得できるものばかり。よかった! p.267 あのとき今津さんは、「君たちの言う帰れるところって、いつでも子どもに戻れて、優しい親が待っている家なんだろうね。心配しなくていい。ほとんどの人が持っていないから。家があったとしても寛容な場所とは限らない。灼熱の砂漠とか酷寒の荒野かもよ」と言った。 今津さんがお母さんの弟ならば、「寛容な場所とは限らない」とは、北海道の自分の家を指しているのだろうか。そこはお母さんの実家でもある。 灼熱の砂漠や酷寒の荒野を魔えにするような、とても居心地の悪いところだとしたら、お母さんは離婚した後、どうしていたのだろう。 p.270 がとても難しい。 「うまくしゃべれなくて。今何か言ったら、ひどいことを言いそう。自分で自分がすごく嫌いになりそうな、ひどい言葉。だから何も言えなくて」 「無理して言わなくてもいい。取り繕った上辺だけの言葉を聞かされる方がしんどい」 「そうかな」 「そうだよ」 「でも、いつまでも黙ったままじゃいられないでしょ。今にもこぼれそうな縁まで盛り上がったコップの水を、手に持って歩いている気分」 根尾は橋の欄干から流れゆく水面をじっと見つめ、しばらくしてから言った。 「コップを大きくすればいい」 「どうやって」 「安住さんも勉強しなよ。いろんなことを学んで、本を読んだり人と会ったりしていると、たぶんコップは大きくなるんだ。飛んでも跳ねても水はこぼれなくなる」花南子は欄干の上に自分の両手を出した。重ねた左右の指の間に、小さなガラスのコップが見えるような気がする。受け止め切れない、もしかしたらの現実が、なみなみと注がれている。 ニュースや漫画などの創作物でしか見たことのない身体的特徴、それについて自分は偏見は持ちたくないと思っていたし、そういう人がいても分け隔てなく接するつもりだった。心ない言葉を投げつけるような人間を嫌い、つねに公平でありたかった。 思うのと実際の行動はたぶんちがう。心もちがう。他人事と自分事でも大きくちがう。 今の自分は小さな小さなコップしか持たず、今すぐ川面に叩きつけたい衝動をこらえるのがやっと だ。 「安住さん、おれたちまだ十五歳だよ。変われる余地だけは山ほどあるよ。少なくともおれは、春休みの前と後ではずいぶん変わった。来年の春休みまでにはもっと変わっているかもしれない。今がすべてじゃないよ」 「私も変われる?変われば・・・・・・」 今津さんのことをもっとちゃんと考えられるようになるだろうか。 春休みになるまで、今津さんとは口を利いたこともなかった。一•二号室に引っ越してすぐ五月さんが入院してしまい、直井さんの件で初めて関わりを持った。そのあと庭先に不審者が現れたので花南子が不安を訴え、解決に一役買ってもらった。川端さんのときは中学生コンビを危ぶんで、今津さんの方から事件の詳細を調べてくれた。 もしかしたら向こうからすると、予定外に近づきすぎたのかもしれない。それで五月さんが退院してすぐアパートを出た。そっと静かに離れていくつもりだったのに、火事が起きて危険な部屋に飛び込まざるをえなくなった。花南子と呼びかけ、母親について話してしまった。その直後から行方がわからない。 今津カホルという名前を使っていたわりに、徹底して関わりを避けていたのは、正体を知られたら娘は母親を失うとわかっていたからか。 娘。あの人にとって自分はどういう存在だったのだろう。 自分は母親をなくすのだろうか。 p.272 花南子はあきれたり笑ったりして、重ねていた左右の指をぱっと開いた。イメージの中のガラスのコップは川面に落ちることなく、放たれた鳥のように羽ばたいていく。 いつか両手で、父親ではないもうひとりの親を掴めるだろうか。南に咲く花のように強くたくましくなって。 自分はなくさない。自分の中の大切なものを。

Posted byブクログ

2024/05/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

親の離婚により父娘2人暮らしだったが、その父の海外赴任に伴いひいおばあちゃんである五月のアパートに越す花南子。同級生の根津といろんな問題を、調査員の今津が度々助けてくれながら謎解きする。今津の正体が意外で興味深い。なるほど見守ってくれてるのか、と。それを知って、また続編が出るといいな。花南子たちの成長も見たい。

Posted byブクログ